ディシアの育成論と評価について

はじめに

 ディシアは、私が原神のスメール編で最も好きになったキャラであり、同時に原神においても最上位に来るくらい好きなキャラである
 スメールの魔神任務の比較的冒頭から登場し、更にPVでの顔見せの段階でも、そのヴィジュアルに惹かれ、私は、ディシアの実装を心待ちにしていた。
 そして来る、ver 3.5、とうとう心待ちにしていたディシアが実装される。
 しかし、ディシアは恒常キャラ、その性能も一般的な限定キャラと比すと、お世辞にも「優秀」とは言い難いものだった。
 とはいえ、私みたいに「ディシアが好きだから恒常でも、性能弱めでも引きたい」っていう人もいるだろうし(私も実装されたらキャラは1~2凸、モチーフ武器まで引くつもりでいて、実際そうした)、というわけで、今回は

「ディシアが好きで引いた」人向けに、「まぁそうはいってもディシアはどう使うと強いのよ」という解説及び育成論の紹介である。

 つまり「ディシアって強い?強いなら引きたいんだけど」って人向けのnoteではないのであしからず。


1、何故ディシアは「弱い」のか?

 さて、先にも述べた通り、このnoteはディシアを好きで引いた人に向けた育成論であって、そもそも強いか弱いかに興味のある人に向けたものではない。しかし弱みを知っておかなければ、活用法も理解しがたい、あるいは発展させにくいであろうから、先に、ディシアの「弱さ」について触れていく。ただし、今回述べるディシアの弱さは「無凸・モチーフ武器あり」の状態の話であることには留意していただきたい。
 
 勿論「そんなの百も承知だから、さっさと教えろ」という人は、この章は飛ばしてもらって構わない。

1.1 アタッカーとしての弱さ

 ディシアは、普段は元素スキルで、裏からサポートをする役割だが、元素爆発中は時限式のアタッカーになる。

さて、ここで読者に質問だが、「原神における優秀なアタッカー」の条件はなんだろうか?

 攻撃の天賦倍率?爆発状態で上昇する性能?
 
 違う。答えは「現在いるサポーター・サブアタッカーと性能が噛み合うか」である(個人の見解です)

 極端な話、アタッカーは、「数字上の優秀さ」は大して重要ではないのだ。
 例えば、胡桃や宵宮といった炎アタッカーは、行秋や夜蘭といった優秀な水元素サブアタッカーと強いシナジーを持ち、蒸発による火力上昇が見込める。
 
例えば、甘雨や綾華といった氷アタッカーは、申鶴といった優秀な氷サポーター、そして心海といった優秀な水元素要員と噛み合い、凍結による安定した火力が出せる。

 逆にサポーターと噛み合わないことで評価が低かったキャラが、セノである。
 セノは優秀な雷元素のアタッカーで、例えば爆発時の通常攻撃は、一段一段が、胡桃の重撃並みの倍率を誇り、更に爆発時に得られるバフは熟知が雑に100上がるうえ、その熟知に従い、火力が上がるという、数値だけで言えば無茶苦茶強いのだが、実装時は「長い爆発状態、激化を活かした火力上昇、激しく動き回る」というセノの性能に噛み合う、草元素サポーターがいなかったのだ。(現在はナヒーダという強力なサポーターにより、一級アタッカーと遜色無くなった)

 一方、この唯一の反例は雷電将軍である。雷電将軍
は爆発状態の倍率は特別優秀であるわけでもなく、また当時は雷の元素反応も優秀とは言い難かった。しかし「自分自身が元素チャージサポーターでもある」という特性によって、ベネットや行秋といった、元素爆発が優秀なサポーターとサブアタッカーの元素爆発の回転率を格段に向上させ、火力を短時間に詰め込むことが可能になった。つまり雷電将軍は上述の「サポーターに合う強いアタッカー」ではなく、「サポーターを自分に合わせる強いアタッカー」という後にも先にもいないキャラである。
 
 
前置きが長くなったが、ではディシアは、この枠組みに当てはまるのか、と言われれば、はっきり言って「全く当てはまらない」。
 というのも、炎元素アタッカーにとって優秀な行秋と夜蘭が全く活かせないためである。ディシアの元素爆発は、雷電将軍同様「通常攻撃ダメージ」では無いため、北斗も活かすことはできないが、更に「通常攻撃判定(独自用語)」でもないため、行秋と夜蘭の爆発を起動することもできないのだ。
 またでは氷元素の設置型サブアタッカーを採用すればどうか、というと、ガイアや甘雨の爆発などがあるが、これは元素付着のクールタイムの都合で、香菱のようなダメージは期待できない。
 つまり、今、アタッカーとしてのディシアは、一切「サポーターたち」と噛み合わないのである。これがディシアの「アタッカーとしての弱さ」である。

1.2 サポーターとしての弱さ

 アタッカーに対して、サポーター、及びサブアタッカーの優秀さは、三点ある。

1)高倍率のバフやデバフ、攻撃
2)優秀な元素付着(ICDの有無や攻撃頻度)
3)戦闘を快適化(吸引、シールド、回復など)

 これに当てはまるキャラクターは以下の通り

1)ベネット、行秋、香菱、万葉、夜蘭、鍾離、ナヒーダ、など
2)行秋、夜蘭、香菱、心海、ナヒーダなど
3)万葉、鍾離、ウェンティ、ベネット、心海など

 さて、優秀なサポーターやサブアタッカーをこうして列挙すると「優秀とされているキャラ」というのは、このうち二点に当てはまることが多い。最近ウェンティがあまり使われなくなったのも「戦闘の快適化」においては確かに優秀だが、それ以外の二点があまり当てはまらないためであろう。

 ではディシア(無凸、モチーフ武器有)はどうか?
 一~三点、どれも微妙に当てはまらないのである。
 ディシアの元素スキルによるダメージはお世辞にも高くはなく、表のキャラにバフを与えることはできない。
 そして元素付着も2.5秒に一度の為、たしかに毎回付着はできるが、そもそも頻度が少なすぎる。
 そして、戦闘を快適化、という点においても、シールドに近い効果を与えることはでき、また昨今はシールドに対し特効のある敵も増えたので、相互互換と言って遜色ないものの、継続時間が短い(鍾離のシールドは20秒かつCT12秒に対し、ディシアは12秒かつCT20秒)。
 つまりサポーター性能も中途半端なために、やはり「弱い」と言わざるを得ない。

2、ディシアを引くなら

 さて、ここまで述べてきたが、実はこうした弱点は全て「一凸」すれば解決する。

命ノ星座 第1重
ディシアのHP上限+20%。またHP上限を基準に、ディシアの下記攻撃のダメージが増加する。
・溶鉄流獄のダメージ増加量: HP上限の3.6%。
・炎哮獅子咬のダメージ増加量: HP上限の6%。

ゲーム内説明より

 簡単に言えば、「ディシアのHPが20%上がり、スキルダメがHPの3.6%、爆発ダメがHPの6%上昇」というものであるのだが、これは「一凸の効果にしては破格なほど強い」と言える。

 聖遺物のサブオプ次第ではあると思うが、ディシアはモチーフ武器を使い、一凸した場合、時計のメインOPがHP、杯が炎元素、冠が会心関係であったとしても、HPは45000~50000程度になる。

ちなみにうちのディシア(2凸&モチーフ武器持ち)のステータス
聖遺物は、「炎の魔女2セット(炎元素+15%)+千岩牢固2セット(HP+20%)」

 うちのディシアで言えば、元素スキルダメージの上昇幅であるHPの3.6%は、約1761、爆発ダメージの6%は、約2935と、非常に高い数値である。これにより、格段に「サポーター性能」「アタッカー性能」を上昇させることができるため、上述のような「弱さ」をかなり補うことができ、一般的な限定キャラの無凸と比べても、決して悪い性能ではない。

 また二凸もかなり優秀な効果を持っている。

命ノ星座 第2重
溶鉄流獄・剣域熾炎発動時、再生成された「浄焔剣獄」領域の継続時間+6秒。
また、フィールド上に「浄焔剣獄」領域が存在する場合、領域内フィールド上キャラクターが攻撃を受けると、「浄焔剣獄」による次の連携攻撃のダメージ+50%。

ゲーム内説明より

 継続時間+6秒は、実質ディシアの元素スキルの待ち時間が0になる(継続時間12秒、CT20秒なので、2秒待つのでは?と思われるかもしれないが、実はディシアは元素スキル二度押しを行うと1秒強程度、継続時間が僅かに伸びる)。ダメージ肩代わりと中断耐性の期間が延び、苛烈な攻撃や、特効攻撃などで途中で破壊されうるシールドと比べても、明確に「優れた場面」が増える。更に連携ダメージの回数も増え、また連携攻撃のダメージも50%あがるため、サブアタッカーとしての性能も向上する。

 総じていえば、
「アタッカーとしての弱さ」は1凸で補う。
「サポーターとしての弱さ」は2凸で補う。
「サブアタッカーとしての弱さ」は1凸及び、2凸で補うことができる。

 そのため「ディシアが好きで引きたい!」という人には是非2凸をお勧めしたい(3~6凸は、私も手を出していないので、あくまで計算式上の話だが、天賦倍率や、爆発の回転率、及び会心ダメージの上昇であるが、ディシアの火力は思ったより伸びないので非推奨)。
 もし仮に「いやもう無凸で手いっぱいだよ~」という人は、それでもいいと思う。彼女は恒常キャラなので、今後の限定ガチャでのすり抜けや、イマイチ使いどころのない恒常石を注げば、いつでも手に入る可能性があるため、今焦る必要も特にはないだろう(勿論ピックアップは今後来ない可能性があるので注意は必要だが)。

 また、モチーフ武器も扱いやすい平均的な基礎攻撃力と会心率オプション。そして元素スキル命中という、緩い条件で攻撃力+20%(無凸狼の末路の常時攻撃力上昇と同じ倍率)、またダメージを受けた時という、同じく緩い条件で、攻撃力20%なので、特にバフ条件が細かく設定された稲妻の限定武器などと比べると、かなり汎用性は高い。HPバフは、そもそもHPを使わないキャラには無関係なので、シールド縛りを特にする必要もない。
 そのため私論としてのおススメ(勿論ディシアが好きな人向け)は、ディシア2凸、モチーフ武器1本である。
 ここまで来れば、「現在いるキャラでは代用不可能な、唯一無二の性能と立ち位置」を得ることができる。もし石の都合、そこまで追えないなら、「ディシア無凸、モチーフ武器1本」でとどめておき、今からver 3.6まで恒常石を使わず取っておくのをお勧めする。

3、ディシアを強く使うために

 さてここからはディシアの育成論・パーティ構成について話していくが、申し訳ないが、ここからの前提はディシア1凸とする。勿論、無凸でも同じ運用はできるので、参考にはなると思うが、特に聖遺物に関しては、無凸は攻撃力オプションの方が優秀になる可能性が高いことは留意していただきたい。

3.1 ディシアの育成論

3.1.1 聖遺物

 聖遺物は現状では、どのような運用をするにせよ「炎魔女2セット+千岩2セット」が一番おススメ。サポーター・サブアタッカーとして運用するなら、「千岩4セットも噛み合うのでは?」と思うかもしれないが、ディシアは元素スキルの仕様上、表で戦うアタッカーが水元素であれ氷元素であれ、「ディシア側で反応を起こす」ことが多くなる。また攻撃力20%は、思ったより火力に寄与しないので、そこまでして、敢えてサポーター性能に拘る必要もないだろう。
 また、所謂「烈開花」用の「熟知寄り」の育成もお勧めしない。それならトーマを使った方が格段に強いためである。
 聖遺物の構成は以下の通り

 時計:HP 杯:炎元素 冠:会心ダメージ(会心率) 

 聖遺物のサブオプションについては、「会心関係>HP%>攻撃力%」の順番で採用したい。

追記(Ver 3.6)…聖遺物「花海甘露の光」が実装されました。最適聖遺物であり、現状どういう使い方(アタッカー・サブアタッカー)・育成度合い(無凸~完凸)に限らず、現状ではディシアに一番最適です。なお、時計の攻撃orHP問題は、前述の通り、無凸では攻撃優勢、それ以降はHP優先ってのは変わらないです。
 余談なんですが、実装当初から、「ディシアって元素チャージ弱いし絶縁で良いのでは?」って言う人はいるんですが、どんだけ元素チャージ快適にしたところでCT18秒背負うし、HPバフの価値の低い無凸のディシアでさえ、絶縁4セットは得意の元素爆発においても元素チャージ200%盛ったとしても「花海甘露の光」には勝てないので(しかも現実的に言えば、元素チャージを200盛れば、サブOPは確実に偏るので)、やっぱり「花海甘露の光」一択な気がします。しかも爆発のCTの都合、元素スキルをフルタイムで使い切ることになるので、ただでさえ弱いスキルをまともな性能にするのは非常に大事。
 
 ていうか、「花海甘露の光は、絶縁と違っておまけの聖遺物の汎用性低いし…」とか言い訳をするな。ディシア使いなら「花海甘露の光」周回しなさい

3.1.2 武器

 モチーフ武器「葦海の標」がおススメ。次点で「狼の末路」、「赤角石塵」なども候補だが、どんな編成パターン・運用にしても、全て「葦海の標」の劣位である。そんなこともあり、やはりモチーフ武器前提の解説となる

3.2 パーティ編成

 ここからはディシアを強く使うためのパーティ編成を紹介する。とはいっても、私が所有及び育成しているキャラには限りがあるので、他にも採用案はあるかもしれないことは留意してほしい。

3.2.1 タルタリヤ主軸

 タルタリヤ、香菱、ベネット、万葉という所謂「国際パーティ」での香菱の枠を、ディシアに置き換えるパターンが、個人的に最もおススメ。香菱の高火力かつ反応の優秀な爆発の代用を、ディシアの元素スキルが果たすとは全く言い切れないが、1凸であれば、高火力の蒸発を出すことができ、また、無凸だとしても、この国際パーティの弱点の一つである「耐久面の弱さ」を明確に補うことができる。
 またこのパーティを常用している人は良く知っていると思うが、このパーティ、タルタリヤの元素スキルのCTが開けるまで、実は少し暇な時間がある。タルタリヤの元素スキルは「使用時間+4~5秒」のCTのため、10秒殴れば、15秒くらいCTがある。元素スキルを回して、サポーターの爆発をチャージする期間があるとはいえ、それでもなお、少し火力の出ない時間があるわけである。この時間を補うのに、ディシアの爆発は非常に都合がいい。持続時間4秒で、またベネット、万葉の爆発チャージの間、どうせ炎元素の拡散が行われているため、万葉の炎元素バフがついでに撒かれていることからも、このタルタリヤのCTを火力を落とさず埋めるのにちょうどいいのである。
 試しに今期の螺旋12層の後半に、タルタリヤ、ディシア(この時はキャラ1凸でした)、ベネット、万葉のパーティを利用したが、クリアタイムはどの間も、目安の1分半どころか、1分を切っていて、かなり安定していた。特に国際パーティの鬼門だったのだが、2間後半の魔偶剣鬼であるが、氷剣鬼のスリップフィールドすら難なく凌ぐことができたため、タイムだけでなく、難易度も平易化し、かなり安定していた。
 またイメージとしては凍結パーティにおける心海の爆発のような、所謂タンクの役割も可能で、スリップダメージのフィールドや、敵の強力な連続攻撃を真正面で受けながら、DPSを落とさないという芸当もかなり優秀だった。

3.2.2 ディシア版国際編成

 次にややおススメなのが、所謂タルタリヤの国際パーティにおける、タルタリヤと香菱の箇所を、ディシアと氷元素(サブ)アタッカーに置き換える編成である。

例:ディシア、氷元素(サブ)アタッカー、ベネット、万葉

 この編成はつまるところ、「どうせ行秋夜蘭のような攻撃反応型のサブアタッカー使えないので、香菱のような設置型追従型のサブアタッカーを使おう」というコンセプトなのだが、この設置型で優秀なサブアタッカーが多いのが、氷元素である。勿論心海や、モナのようなキャラもいるのだが、元素撒きの範囲や、ディシア自身がずっと火力を出せないという点から、出来れば火力が出るサブアタッカーの方が好ましい。香菱を採用してもいいのだが、この場合元素反応をかなぐり捨てることになる。そのため折角ならガイヤなどのキャラを利用して、溶解ダメを出そうというコンセプトである。
 一方、ディシアは4~5秒しかアタッカーができないので、サブアタッカーよりも、メインアタッカーを採用した、Wアタッカー編成がおススメである。

 この点において非常に優秀なのが甘雨である。
 
 
甘雨を溶解運用する場合、今まで香菱が用いられていたが、自身の周囲を飛び回る香菱の爆発は、弓の重撃を多用する甘雨の場合、敵の真ん中に突っ込んでいく必要があり、チャージ時間と、弓チャージショット特有の狭い視界は、複数の敵に囲まれた場合や、苛烈な攻撃に対して、怯んでばかり、ということが多かった(だから甘雨は凍結パが優秀だった)。一方ディシアは、元素スキルの範囲は甘雨の爆発や、アルベドの元素スキル並みに広いため、少し離れていても問題なく、更に、中断耐性の向上は、チャージショットを安定して放つのにちょうどいい。更にベネットフィールドも貼れば、高い中断耐性と回復、火力バフ、広範囲の炎元素撒きを得ながら、甘雨側で溶解CSを打つということが可能である。

 また甘雨の爆発は、設置型かつ、広範囲なので、ディシアの動き回る爆発状態にも都合がいい。また甘雨ディシアの組み合わせは、どちらで溶解が起きるかわかりずらいというところが多いが、どちらも高い火力を得るWアタッカー編成なら、どっちで反応起きてもいいや、という気分にもなれる。

 ただし、元素反応はクールタイムの都合、ディシア側がメインアタッカーしてる時はあまり生じない。甘雨はCSのチャージ時間が、ディシアのスキルのダメージ感覚と合っているので特に気にはならないのだが。
 また、甘雨は自身の爆発の中でCS打つのも強いので、その点に置いて、「結局ディシアが殴っている時に甘雨の爆発打つべきなのか、甘雨が爆発の中でCSしてるのとどっちが強いのかわからなくなる」という欠点もある。
 

3.2.3 炎元素オンリー

 先ほども触れたが、所謂元素反応かなぐり捨てる編成案もある。香菱、ベネットなどの炎元素で優秀なサポーターを共に編成し、元素爆発の回転率を上げながら、炎元素共鳴を活かして、ディシアがメインアタッカーをするという編成である。イメージとしては、「雷電将軍+サブアタッカーサポーター3人編成」に近くなる。
 ただしディシアの元素スキルは、自分が爆発をしている間はなくなるので、ディシアの元素スキルが、単に「サポーターたちが安定して元素スキル回しと爆発回しを可能にする」程度の役割しか担えない所が少し欠点であるが。
 またこの場合万葉などの風サポーターも使うことはできるが、他の元素のサポーターは変な反応を起こしてしまう。溶解や蒸発、燃焼なら別に火力が落ちるわけではないのだが、特に過負荷は致命的な欠点があるので、雷元素のサポーター、サブアタッカーはあまりお勧めしない(該当者はフィッシュルしかいないのだが)
 ただしこちらは、先述の2パーティよりも弱くはなり、明確に「ディシアでなければいけない」という点も薄くはなるのだが、一方で、編成難易度は低い。適当にトーマや香菱、ベネット、スクロースといった、星4キャラを詰め込めば成立するので、もしタルタリヤや万葉、甘雨といった星5キャラがいない場合はこちらをおすすめしたい。
 またこの場合聖遺物は「烈火を渡る賢者」なども採用候補になるが、炎元素ダメ20%分程度ならそこまで不要かと。ぶっちゃけ、あんな汎用性の低いものを4つ揃えるなら、優秀なのを小分けで採用できる、「炎魔女+千岩」で良いと思う。
 さてここまで述べてきた通り、ベネット、万葉との相性は、どの編成でも例に漏れず高いので、もしどちらも持っているなら、優先して採用したい。

4、今後ディシアは強くなるのか?

 さて、ここからは将来の話。ディシア、特に無凸の状態の彼女が、環境に名乗りをあげる可能性はあるのか、という話である。

 キャラの将来性について、よく議論になるのは、心海である。心海は実装当初の性能評価は、あまりよくなかった。というのも、回復能力は高かったが、爆発状態の火力の低さなどが目につき、評価は伸び悩んだ。
 だが後に心海はその元素ばら撒き要因として優秀であることがわかり、凍結パーティの軸として採用されることが多くなる。
 さて、心海の評価でしばしば「最適聖遺物の実装」や「草元素の実装」により、後に強くなった、と言われることがあるのだが、これは誤りである。確かに環境は心海に追い風となったが、実際は「元々優秀だった」というのが理解されるようになったということが、再評価の大きな原因である。

 ディシアの将来性についても、恐らく同じことが言え、ディシア自身が「何らかの優秀な点」を既に現段階で持っていない限りは、決して再評価されることはないだろう。最適聖遺物の実装は可能性としてはあるが、それも格段にディシアを強くすることはないだろう。
 
 またセノのように、今後ディシア向けのサポーターやキャラが実装される可能性についても、「ディシア独自の優秀さ」は無凸の状態では、ほぼ無いので、厳しいことを言えば「無凸ディシア程度の活躍の場が限られるキャラにもバフができるキャラが実装されたら、他の炎元素アタッカーも強くなる」と言わざるを得ない。
 
 サポーターとしては、シールドと互換性を持つディシアの元素スキルが、今後浸食のように、シールドが環境的に弱くなることで日の目を見る可能性はあるが、「ディシアの元素スキルだけが強く使える環境なんて、ただのクソ環境」なので、それもあまり長続きする環境ではあるまい。
 
 一方アタッカーでもサポーターでもある、という「役割の複合」については、今回紹介したパーティ例でもそれなりの立場を得ることはできるかもしれない。ただしこれは先程から述べている通り、これは無凸の話であり、一凸、二凸時点では、ディシア自身の立場や強みは十分に確立できる。

 では無凸ディシアが強くなるなら何が大事か、と言われれば、「HP%と攻撃%強化」が同時にできる聖遺物やサポーターであろう。一番あり得そうなのはキャンディスの固有天賦のような例で、例えば「HP1000につき、攻撃力1%アップ」とかの効果なら、基礎攻撃力の低い胡桃はあまり上手く使えないが、ディシアの場合は強く使っていけるみたいなことになるかと思う。
 サポーターについては「特定の元素を強化する」サポーターが増えている(申鶴、九条、ゴローなど)が、一方で、雲菫のようにパーティ編成の状況でサポーター性能が変わるキャラも実装されているので、ひょっとすると「パーティ全体のHPの総量」に応じて何らかのバフが得られる、みたいなキャラが来ればワンチャンあるか、といった所。ただしそれだと胡桃夜蘭というコンビと差別化するのは相当困難になりそうだが。
 
 まあ、所詮は予想なので、どうなるかはわからない。もし「HP1000につき、攻撃力1%アップ」みたいな聖遺物が来れば、ディシアは間違いなく無凸でも強いと言える性能にはなるだろう。

補論:どうしてディシアは「弱く」なったのか?

 さて、一定の育成論・解説は終わったので、ここで一つ考えたいことが、ディシアの無凸性能が、明らかに低いことについてである。

 「恒常キャラなんだから、限定より弱めに設定されたのでは?」
 
 というのが妥当であろうが、mihoyoは、崩壊3rdなどでは、「恒常、あるいは手に入れやすいキャラを弱くする」ということはしていない。

 少しだけ崩壊3rdの話をする。「別のゲームの話しないでよ!」っていう人は、もう正直、本論は終えているので、別に読む必要はないかと思う。
 
 さて、崩壊3rd、先程も述べた通り、手に入れやすいキャラが、見劣りするキャラであったということは、少なくともver 5.0(2021年8月)~ ver 6.4(現バージョン)に至るまで確認できない。

 崩壊3rdにはSPキャラという、「ガチャ石とは異なる、ゲームプレイしているといくらでも手に入るアイテム」で恒常的に交換可能なキャラがいるのだが、これらの少なくともver 5.0以降実装されたキャラは、いずれもサポーターとして優秀で、現存する最前線のパーティではいずれも採用されている。
 つまりこうした無料で手に入るキャラクターの多くが、いずれかの編成の「最適キャラ」として採用されているわけだ。
 
 そしてそれは限定キャラでも同じである。限定キャラはアタッカーになりやすい傾向だが、そのいずれのアタッカーもやはり、ある編成・環境において最適アタッカーとして編成されている。

 だが言い換えれば、最新キャラが毎回「環境を更新」しているとも言え、これは緩やかではあるが性能インフレを起こしてしまう。(とはいえ崩壊3rdでも、ざっくり2年前のキャラが未だ最前線を張っていたりするのだが)

 恐らくだがこの「緩やかなインフレ」を、原神では抑えたいのではないだろうか。
 とはいえ新キャラを使いどころの狭いキャラにすれば、批判を買う。従って、唐突に新たな恒常キャラとして実装されたティナリや、そして続いて実装されたディシアは、「恒常だから弱くされた」というより、「弱くしたいから恒常にした」という方が正しそうである。ただティナリは「初めての草元素アタッカー」で比較対象がいなかったために、そこまで「弱い」と認識されなかった。
 未だ胡桃や、甘雨、タルタリヤといった最初期のキャラクターが最前線のアタッカーとして通用しているのも、このインフレ抑制のおかげではあろう。
 つまりあまりはっきりしたことは言えないが、今後も定期的に「恒常キャラ」は実装されるのではないだろうか。特に草元素も実装してしまった以上、今後、環境を激変・刷新させるのは、キャラクターの「強さ」と「独特さ」だけが頼りになり、もはやインフレは避けられないものとなった。
 だが、やや意地の悪い言い方をすれば「今後推しキャラが恒常で弱く実装される」ことに、僅かに恐れを抱く必要もある。残る国はフォンテーヌ、ナタ、スネージナヤ、既に優秀なキャラの多い、水、炎、氷の国であり、最新キャラの実装には細心の注意が払われることになるだろう。とはいえ、悲観することもない。特に今回ディシアでも論じた通り、1~2凸で、限定キャラに遜色ない性能となるよう調整される可能性も大きい。
 また、インフレが抑えられるなら、今の手持ちのキャラで暫くの間、十分通用するという意味でもあり、そうなれば、のんびり推しキャラのために石を蓄えていく余裕も持つことができるだろう。
 
 まぁ、先の事なんて、わかんないけどね!

 終わり


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