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無所属の若手企画屋が教える、10のアイデア発想法。

初めまして。
企画屋をやっております、リョウといいます。

・クリエイター向けイベントの企画
・D2CやP2Cプロダクトの商品企画 & PR施策
・企業SNSのコンセプト設計、企画
・YouTubeやTikTokの企画、及びコンセプト設計
・3社で経営企画やクリエイティブチーム統括など

現在やっているお仕事たちです。

企画を軸にSNSから広告、イベント、ブランディング、そして経営企画まで幅広くお仕事させていただいています。

僕は若手の中では珍しいフリーのプランナーで、正社員として会社に属したことがありません。なので、上司に企画などのノウハウを教えてもらったことももちろんありません。ノリと勢いだけでやってきました。

その中でよく聞かれるのが、「普段、どうやって企画を考えてるんですか?」という質問です。

そんな質問を受けて、ふと思いました。

「どうやって企画考えてるんだろう。」

それを考え、言語化していく作業の中に、誰でも企画が作れるコツのようなものを幾つか見つけることができました。

企画をもっと身近なものにしたい、企画の面白さをもっと知って欲しい。と思ったので、このnoteを執筆することに決めました。

アイデアは武器になる。

プランナーという職業でなくても、ビジネスにはアイデアや発想力は不可欠です。そして、それを遺憾無く発揮できる人は間違いなく重宝されます。

時には、加速装置のように対象をブーストさせることもできる。
時には、バズーカのように大きな一撃を打ち込むこともできる。
時には、スコープのように遠い世界を可視化することもできる。

それがアイデアだと思っています。形を変え、どんなものにでもなれる。

企画といえば、広告やPRという印象が強いかもしれませんが、
マーケティングやブランディング、採用、社内改革にも企画力は活かせるわけです。

プランナーは基本2種類いる。

プランナーには2つの人種がいると思ってます。

思考型と発想型です。
(キングダム風に言えば、知略型と本能型)

キングダムより 

僕はおそらく後者(本能型)です。

ロジックで企画を考えていたわけではなく、発想やジャストアイデア先行で形にしていくタイプなので、全く企画の作り方を言語化できていなかったんです。

でも、人に企画を教えるという立場になってみて、初めて企画の作り方を言語化してみようと思い、企画の作り方を言語化する挑戦をしました。

まずは、自分の作ってきた企画を分類分けすることから始めました。そして、そこに名前をつけてみた。

その後その分類に沢山の事例を当てはめてみました。あの企画は、これに分類されそうだな。あれは意外とこの分類になるのか。

など沢山の発見があり、分類していく作業がとても楽しかったです。

今回はそんな幾つかのコツを皆さんにシェアしようと思います。
読み終わった後には、皆さんもすぐに企画を作りたくなるはずです。

それでは行ってみましょう!


1.  限定して集める

▼解説
”集める”企画は世の中にもよくあると思います。

・スマブラ(多種多様なキャラクターが集まってバトル)
・フェス(有名アーティストが集まってライブ)
・アベンジャーズ(ヒーローが集まった映画)

など、集めただけで話題になる、人気になる事例も少なくありません。
でも、それは集める対象の知名度や人気度に左右されてしまうんですよね。

だからこそ、”限定”するというところで尖らせる。
これがよくある ”集める” 企画を一気に面白くするコツです。

▼例えば

例えばフェスを作るとなったとしましょう。

▶︎ ただアーティストを集める
だけでもフェスは成り立つんですが、

☞ 失恋ソングメドレーフェス
のように選曲にも制限をつければ、ターゲットもはっきりし、
自分の目当てじゃないアーティスト出番の際も、
聞くモチベーションが高くなるかもしれません。

▼事例

「絶メシ」 / 企画
高崎市、個人経営、地元に愛されているという飲食店を集めたサイト

https://dot.asahi.com/aera/2018011800079.html

「大島てる」 / 物件サイト
世界中の事故物件のみを勝手に集めまくったサイト

■ 味の素「これ、ぜんぶ 失敗作」 / コピー
失敗作から偶然生まれた人気料理だけを集めたポスターとコピー

https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/cm/newspaper/pdf/2016_7.pdf

2.  大袈裟にする

▼解説
この手法、一番使ってるかもしれません。

簡単に言えば、「○○すぎる」にしてみるんです。
早すぎる〇〇、遅すぎる〇〇、大きすぎる〇〇、小さすぎる〇〇
なんでもいいです。

とりあえず大袈裟にしてみることで、面白い企画になったりするんです。

本来、「早いもの」を「超早くしてみる」のもいいですし、
逆に、「遅いもの」を「素早くしてみる」のもありですね。

▼例えば

上にある例+広告を例にやってみます。

「早すぎた広告」
まだ、商品化を検討してる段階で広告を載せちゃう。
従来の広告なら、「4/1 リリース!」のような形だけど、
「4/1 社内MTG決定!」などの広告を打ってみると、

⇨ まだその段階かい!なんで広告打ったんや!とツッコみたくなる。
 けど、意外とその動向も気になる。その後、進捗をSNS上で公開していくなどすれば連動してバズるかも。

「遅すぎた広告」
既に販売終了、在庫が無くなった商品を広告する。

⇨「うわ、欲しいかも!と思ったけど、もうないんかい!広告なんか打つなよ!紛らわしい!」とツッコみたくなる。けど、次回入荷を期待しちゃう。

みたいな感じで、大袈裟にするとツッコみたくなるんですよね。
大袈裟にした分、余白ができるような感覚かも。

そこにユーザーのツッコミが入るようにイメージすれば面白い企画を作りやすい。ここは、ツッコミワードまで想定したいですね。

▼事例

■ mineo「小さすぎる広告」 / 屋外広告
広告がどれも大きすぎるから、あえて見えないぐらい小さくしてみる

■ Merge Mantion「怪しすぎるおばあちゃん」/ YouTube CM
いや、どういう展開?!なぜおばあちゃんが…?!

■ CWF「大きすぎるリュック」 / プロダクトアイデア
服を持ち運ぶのではない、クローゼットそのものを持ち運ぶのだ。

■ロート製薬「読みにく過ぎる新聞広告」 / 新聞広告
超読みにくいんだけど、頑張ったら読めるから読みたくなる。

3M「危なすぎる街頭チャレンジ」/ 街頭プロモーション
どんな手段でもウチの防弾ガラス壊せたら3億あげるよ。


3.  タイムトラベルする

▼解説

とりあえずタイムトラベルしてみましょう。
過去に戻ったり、未来に行ったりしてみましょう。

”今”があるから、過去と未来が存在するわけで、
”他”と比較するのではなく、”自らの過去と未来と今”を比較してみると、
また新たな視点が生まれて楽しいですよ。

▼例えば

イメージは、「もしも○○の時に、○○だったら」で考えると
わかりやすいです!

過去×今
・武士がインフルエンサーだったら
・貴族がインスタのストーリーをやってたら
・江戸時代の商人がマーケツールを使ったら
・戦に位置情報共有サービスがあったら

未来
・100年後の職業図鑑
・なりたい職業ランキング2100年ver
・手軽に月に行ける交通手段 5選

どうでしょう?少しはバズりそうな気もしないでもないかも。

▼事例

「100年後のトヨタCM考えてみた」/ CM 
100年後にはどんな車があるのか、CMはどうなってるのか。CGで表現。


■ 三井不動産「令和の伊能忠敬」/ Instagram企画
いろいろな施設を測量でお馴染み伊能忠敬が紹介していくアカウントhttps://www.instagram.com/inotadataka31/

■ 「JANAI COFFEE」 / 店舗アイデア
100年ほど前のアメリカで実際にあったスピークイージーをモチーフにした、2つの顔を持つ珈琲屋


4.  掛け合わせてみる

▼解説

これは王道ですよね。コラボとも呼ばれたりします。

でも、これって企画作る時には、幅広すぎて難しいんです。
しかし、そんなコラボにもコツがあります。

①同じ目的や特徴を持ったもの同士を掛け合わせる
②逆に相容れなそうなもの同士を掛け合わせてみる
③アニメやゲームの世界を現実に反映させる

こう考えると、かなり掛け合わせる企画を作りやすくなります。
掛け合わせ方を変えると様々な化学反応が起きます。

▼例えば

① 営業を自動販売機の前に立たせたら1日の売上は上がるのか
営業(売るための人)× 自動販売機(売るための仕組み)

② 泥酔してから入らなければならないオンラインミーティング
会社(真面目)× 泥酔(不真面目)

③もし、ワンピースの世界にGoogleマップがあったら
ワンピース(冒険)× マップ(道が分かる)

よくわからないけど、何かは生まれそうじゃないですか?

▼事例

① 朝日新聞「讃えあい広告」 / 新聞広告
同業界の人気 × 人気 

■ ②佐藤ねじ「小1起業家」 / 企画
小1(子供)×  起業(大人)

③パートナーエージェント「お見合い」 / Webムービー
漫画のキャラクター × お見合い


5.  対立構造を作ってみる

▼解説

企業、自治体、などライバル視していたり、競合だったり、
対立構造になっていてもそれって、表に出しませんよね。

それをあえて可視化すると、とても魅力的で惹きつけられるんです。

ただ、お互い蔑み合ってマイナスイメージになることはよくない。
あくまでお互いの良さが出た広告にすべきではあります。

皮肉っぽく対立を作る場合は、強い引きを作ることができますが、
一方で見せ方がかなり重要で、失敗すると炎上のリスクを負うことになりますので、ご注意を。

▼例えば

自分は、大阪と京都にルーツがあります。
お隣同士ですぐ行ける距離なのに、「大阪は口うるさい」「京都はおしとやか」みたいな真逆のイメージありますよね。誰もが連想できると思います。

だからこそ、そこを逆手にとって、PR対決に使ってみるとか。

それぞれがSNS上で観光客を集めるためのセルフPRをして、
そのお互いのPRに対して引用RTしたりして、

「京都はん、魅力が伝わりきってないんちゃいます?」
「大阪さん、魅力は内から出てくるもんやさかい」

こんな煽り合いのコミュニケーションで話題にするとか。
具体的な企画は置いといて…笑

▼事例

■ 「早慶戦・慶早戦」 / 告知ポスター
早稲田大学 vs 慶應大学

■ 「ファミリーマート」 / 屋外広告
ファミリーマート vs セブンイレブン

■ 「Tinder × Netflix」/ 屋外広告
顔だけで判断するマッチングアプリ vs 顔以外で判断する恋愛番組

■ 日本航空 「のぞみへ。」/ 看板広告
日本航空(飛行機)vs JR東海(新幹線)


6.  逆転させる

▼解説
みんなに刷り込まれている常識って沢山ありますよね。
その当たり前や常識を覆すことで引きのある企画を作ることが可能になります。

この企画のいいところは気持ち良さです。
凝り固まった固定概念って、壊したくなるじゃないですか。

新しい時代の流れは、逆転企画によって生まれると言ってもいいかもしれませんね。

▼例えば

・超カジュアル面接
服装自由、敬語かどうか自由、履歴書提出自由、面接中の飲食OK
⇨ 何も指定しないからこそ、全てが見えるかも?

・エレベーターのない100階建てマンション
エレベーターがないのに100階までどうやって行くの?
もちろん歩いて行ってください!
⇨ 普通上の階層って家賃高くなるけど、これだと上の方が安くなるかも?
⇨ UberEatsの人かわいそう…

このように逆転させると、新しい価値が生まれやすいモノです!
革新的なアイデアは逆転から来ると言ってもいい!!

▼事例

■ 「ギャル式ブレスト」 / ビジネスアイデア
企業の会議にギャルを送り込み、ブレストを活性化させる

■ 日清「悪魔のキムラー」 / WebCM
チキンラーメンの可愛いひよこが悪魔化してしまう悲劇

■ 味の素「最初の晩餐。」/ コピー
死ぬ前最後の食事ではなく、生まれて最初に知る味という逆転の発想

https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/cm/newspaper/ebook/html5/book.html?fileName=2013_4


7.  賞味期限をつけてみる

▼解説

どんなものでもいつか終わりはきます。
けど、誰もがそれを”いつか”と漠然に捉えている。

だからこそ、あえて、
最初から”終わり”に視線を誘導するんです。

そうすると、人は表面ではなく全体で見ようとします。
勝手にそうなります。多分。

▼例えば

ここはあえてジャストアイデアで色々出してみます。
タイトルだけで勝手に連想してみてください。

・1年で解散するバンド
・10秒で退出しなければならない1次面接
・1ヶ月で追い出されるアパート
・5回しかライブに出られないアイドル
・年間観客動員1000人行かなかったら解散するチーム

こんな感じです!

勝手にストーリー考えちゃいませんか?
ちょっと想像しちゃいませんでした?

そうなってたら僕の勝ちですね。

▼事例

■「時間が経つと劣化するWEB」 / WEBサイト企画
時間が経つにつれて、どんどん黄ばんで見えにくくなるWEBサイト

■ 脳天飯店「70日後にオープンしたラーメン屋」 / SNS企画・店舗アイデア
現役大学生が、70日間でオープンしたラーメン屋とその後のお話

■ だいにぐるーぷ「1週間以内に6つの島から脱出せよ」 / YouTube企画
高学歴組と高卒組は、1週間以内に6つの島から脱出しなければならない


8.  情報を隠してみる


▼解説

大体、情報というものはできるだけ発信したくなります。
魅力はできるだけ伝えたいものですから。

でも、人は多くを伝えられない方が気になるモノです。

誰しも一回は経験ないですか?
「あ!そういえばさ!あー、やっぱいいや。大丈夫!」
って言われた時に、めちゃくちゃ気になるやつ。あれです。

▼例えば

採用を考える時って、
「給料いくらなんだろう?」
「福利厚生はどうなってるんだ?」
「どんな人が働いているんだろう?」
と気になることが山積みですよね。

そんな中、
給料:人によるけど、業界の中だと稼げる方
福利厚生:めっちゃある
働いている人:みんないい人

とかであれば、逆に具体的な話を聞いてみたくなるかもしれません。
極端ですが、人の興味ってそんなもんです。

他にも
・住所の分からない三つ星店
・リリース時期が分からない新商品
・白黒写真の観光地

など、情報を隠せば、自らリサーチしたり、前のめりに興味を持ってもらいやすくなります。

逆に言えば、情報が少ないからこそ、別視点の情報を入れたり、ビジュアルや伝え方で工夫したりしなければ、いい企画は生まれません。

”よく分からない企画” と ”気になっちゃう企画” は紙一重です。

▼事例

■ ZONe ENERGY「受験生にしか見えない広告」 / 屋外広告
受験生がよく持っている赤シートを通してしか見えない広告

■ 梟書茶房「中身が分からない本屋」/ 店舗アイデア
本のタイトルも表紙も作者も何もわからない本が売られてある

■ ラブイズブラインド「顔の見えない恋愛リアリティーショー」 / 番組企画
お互い顔の見えない状態で親睦を深め、顔の見えない状態で婚約までしてしまうお見合い番組

■ アキュビュー「見えない看板広告」/ 屋外広告

■ 朝日新聞社×左ききのエレン Powered by JINS「人類の1/3しか見えない広告」/ 新聞広告


9.  擬人化する


▼解説

これは人気の手法で多くの広告でも取り入れられていますね。
モノやコトを人に見立ててみる。

この企画の特徴は擬人化することにより、
本来なら、存在しないはずの商品の感情をイメージして込めることができます。

人とモノの対話などを作ることができるのもこの企画の面白いポイントですね!

▼例えば

シチュエーションや感情を上手く掛け合わせると、作りやすいですね!

・もしも車が行き先に口を出してきたら
・感情を持ち始めたアレクサと喧嘩になった
・街に咲いてる花が自ら花粉の状況を教えてくれる
・アラームが悪口を言って起こしてくる

あとは、親しみやすいイメージを持ってもらうのにもいいかもしれませんね。


▼事例

■ あきひら(YouTuber)「もしもSNSアプリたちが会議をしたら」/ 動画コンテンツ


■ TOYOTA「プリガー」/  Webプロモーション

■ アース製薬「ゴキブリ目線のインスタ」 / SNS企画

■ Zoff「Zoff SMART」

■ 比内地鶏専門店「どうも、食材です」 / ポスター


10.  プチ悩みを解決してみる


▼解説

皆さん、生活や仕事をしていて、
プチ悩み的なことってありますよね?

そこまで気にならないけど、少し気になるみたいな。
あったら嬉しいけど、別になくても全く困らない。みたいな。

そういう絶妙なところって、超企画にしやすいんですよ。
しかも話題にもなりやすい。

なぜ、「悩み」じゃなく「プチ悩み」なのか?
それは「悩み」とはっきり認識できるほど大きなテーマには、
大体多くの人が課題解決に目を向けるからです。

”プチ悩み” や ”しょうもない悩み”
ぐらいはそもそも話題にすら上がらないんです。

そんなものがあるなら、まぁちょっと欲しいかも。
まぁ、よく考えたら別に要らんか。

ぐらいがちょうどいいんですよね。

▼例えば

昨日、ふと思ったことがあります。
フリーランスをやっていて、悩みというほどではないけど、
少し憧れること…

それは、企業のZoomなどの会議用背景。
僕はフリーランスなので、そんなものは持っていません。
基本的に、初期から入っているデフォルトの背景をずーっと使っています。

名前とか肩書きとかSNSのアカウントとか企業ロゴとか載ってる
あのZoom背景、何度か憧れました。

一回はそう思ったことあるフリーランスの人、1人ぐらいはいるんじゃないかな。それ作ってみるとか!

フリーランスだけで、会議に入ってみんなでその背景使ってたら、会社っぽくなって一体感生まれるかも!!!ぐらいのノリでいいんです。笑

▼事例

■ 「ネギ袋」/ プロダクトアイデア(カプセルトイ)

https://tarlin-capsule.jp/product/203

 ■ 「賞味期限タイマー」 / SNSコンテンツ(プロダクトアイデア)


まとめ

いかがでしたでしょうか?
今後はもっとクリエイティブな取り組みが増えていくはずです!

今回事例として、広告に限らず、SNSコンテンツやビジネスアイデア、お店など様々なものを取り上げたのは、どんなアイデアがどこに刺さるかは分からないし、正解がないからです。

アイデアの可能性は無限だと思っているので、
少しでも参考になれば幸いです。

よかったら感想ください✌️
ではまた!




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