『ミュウVMAX』にイキリンコexが入るワケ
0.はじめに
本記事は、私(そうたん、@Atlety_49)が4月14日のシティリーグで使用し、優勝した『ミュウVMAX』のデッキ構築の経緯を通じて、『ミュウVMAX』のイキリンコexの必要性を訴えていくことがメインとなっています。
おまけとして、記録がてらシティリーグで使用したデッキの解説も載せています。
1.デッキ選択経緯
ミカルゲという露骨な『ミュウVMAX』へのメタカードが収録されている新弾発売日のシティリーグであるため、既存のドラピオンVのメタが緩くなり、また後述する通りミカルゲのメタも乗り越えられると判断し、使い慣れている『ミュウVMAX』を選択しました。
一応当日のTier表は
Tier1 『サーナイト』 『ルギア系統』
Tier2 『ミュウVMAX』 『ロスト系統』
Tier3 その他
と考えていましたが、新弾発売日の環境なためメタが機能しないカオスな環境を想定していました。
2.デッキ構築経緯
(1)ミカルゲへの対処法を考える
『ミュウVMAX』のデッキを作るにあたって、やはり切り離せないのがミカルゲへの対処法です。
まず、『ミュウVMAX』とミカルゲをそれぞれ言語化すると
『ミュウVMAX』は
ゲノセクトVの特性「フュージョンシステム」をデッキのメインエンジンとして、サイドを最短で取り切ることを目指すデッキ
であり、ミカルゲは
特性「フュージョンシステム」を止めることで、『ミュウVMAX』のデッキの回りを制限し、『ミュウVMAX』のサイドを取るスピードを鈍化させるサイド1枚しかとられないメタカード
と言えます。
そのうえで、ミカルゲへの対処法を考えると
○ミカルゲを倒す
○ゲノセクトVにフュージョンエネルギーを付ける(ミカルゲを無効化する)
が考えられます。
○ミカルゲを倒す
倒す方法としては
・「ボスの指令」などでミカルゲを呼び出して、倒 す
・コオリッポの技「ブロックスライダー」で倒す
が現実的な選択肢になるかと思います。
しかし、ミカルゲはサイド1枚しかとられないポケモンである
→『ミュウVMAX』側の最短のサイドプラン(主に2-2-2)において、倒す価値が低い
つまり、ミカルゲを倒した時点で、
最短ではないサイドの取り方を強いられているので、ミカルゲがメタカードとして十分に機能していると言えます。
また、サイドプランだけでなく、「ボスの指令」などの標的をミカルゲへと逸らして、ミカルゲ以外のポケモンを守っているという点でもミカルゲの役割が機能していると言えます。
さらに、「すごいつりざお」や「レスキューキャリー」などでミカルゲを再利用されると結局『ミュウVMAX』側がジリ貧の展開に陥ります。
こうした点から
ミカルゲを倒すという対処法は有効ではない
と言えます。
となると、目指すべき対処法はミカルゲと如何に関与しないかという方針になります。
○ゲノセクトVにフュージョンエネルギーを付ける
この対処法の場合は重要になってくるのは何のためにゲノセクトVにフュージョンエネルギーを付けるのかということです。
それは
ミカルゲの特性「しっこくのわざわい」を無効化して、『ミュウVMAX』を出来る限り従来通りのゲームプランで動かしていく
ためです。なので、この場合ミカルゲは倒す対象にはなりません。基本的に無視します。
そもそもミカルゲが入るデッキ
→ミカルゲ抜きで『ミュウVMAX』を相手するのが厳しい
→ミカルゲを入れざるを得ない
となっているため、そうしたデッキに対して一番刺さる行動は『ミュウVMAX』本来の動きであり、特別なメタカードや行動は基本的に必要ありません。
『ミュウVMAX』のデッキパワーを落とさずにミカルゲ入りのデッキに戦っていけるこの対処法がベストだと考えられます。
ゲノセクトVにフュージョンエネルギーを付ける行動自体に絶対的な強さはありませんが、その行動の結果としてデッキ全体の動きが強まっているという点で効果的な行動であるとも言えます。
重要なことは相手のメタカードに対して、
そのメタカードをどのように処理するのかではなく、メタカードが入ったデッキにどのように勝っていくか
だと考えることだと思っています。
(2)デッキ構築の方針(イキリンコexの採用理由)
ゲノセクトVにフュージョンエネルギーを付ける対処法には1つ大きな課題がありました。それは
「カミツレのきらめき」に触れる前にミカルゲを置かれてしまうと高確率で詰んでしまう点です。
特に相手の先攻1ターン目にミカルゲを置かれると、その時点で『ミュウVMAX』側の初手に「カミツレのきらめき」を持っているかというこちらに不利な運ゲーを強いられます。
また、仮に「カミツレのきらめき」を引けていたとしても『ミュウVMAX』の後攻1ターン目の最大値であるメロエッタの技「メロディアスエコー」使用のハードルがかなり高くなってしまいます。
①はそもそも必要札を持っていれば、ミカルゲ云々関係なくゲームを進められ、またイキリンコexの特性「イキリテイク」を使用した先で解決札に触れやすくする意味も含めて、意識しました。
②について、
イキリンコexのメリットは
・初手に「カミツレのきらめき」を引けていない場合に引き込みに行ける
+後攻1ターン目の技「メロディアスエコー」使用の可能性も引き上げてくれる
・ミカルゲ以外の対面でも事故負けを減らし、デッキの安定感に寄与してくれる
が挙げられ、現状相手の先攻1ターン目のミカルゲ置きに対する唯一の解決札だと考えています。
地味にどの対面でもボール系統を1枚さえ引けていれば、事故負けを減らしてくれる点はかなり優秀です。
一方で、イキリンコexのデメリットは
・特性「フュージョンシステム」で引ける枚数が少なくなる
・HP160のサイド2枚取られるポケモンexである
・手札のリソースを切ってしまう
・必要のない対面でスタートされると不都合である
が挙げられますが、特に上3つについてはゲームが続いた先で生じるデメリットです。
まず、大前提としてイキリンコexを使う時は
イキリンコexを使わないとそのままゲームに負ける時です。
イキリンコexはそのままでは負ける試合を拾うためのカードなので、基本的には上3つのデメリットは気になりません(というか、仕方がない)。
逆に言うと、安易にイキリンコexを使用すると上3つのデメリットを諸に被ることになるので、本当に必要なのかを考えてから使いましょう。
最後のスタートされると不都合である点も、イキリンコexスタートで負ける試合よりもイキリンコex抜きでミカルゲや事故負けで負ける試合の方が多いと判断し、割り切りました。
以上から、ミカルゲへの解決策としてイキリンコexは『ミュウVMAX』に採用必須のカードだと考えています。
イキリンコexで対応しきれないほどミカルゲに毎試合当たるような環境ではそもそも『ミュウVMAX』は使わない方がいいです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。イキリンコexの採用が少しでも増えて、ミカルゲをものともしない『ミュウVMAX』の姿が増えてくれると幸いです。
あとはおまけのデッキ解説になります。ご不明な点や質問、誤字脱字等の指摘がありましたら、そうたん(@Atlety_49)までご連絡をお願い致します。
3.デッキ解説
解説が必要なものだけ解説していきます。
○ポケモン
・ミュウV 4枚
このデッキで最もスタートして欲しいたねポケモンであることに加え、ゲームで3枚使いたい場面も多いため、サイド落ちも含めて4枚から減らす理由がありません。
・メロエッタ 2枚
後攻1ターン目の技「メロディアスエコー」を積極的に狙っていくためのサイド落ちのケアやそもそも『ミュウVMAX』ミラーなどメロエッタを2体絡めるゲームもあるため、2枚採用です。
・イキリンコex 1枚
採用理由は先ほど散々語ったので、割愛します。
シティリーグ当日はあまり活躍しませんでした。残念。
○グッズ+ポケモンのどうぐ
・ネストボール 1枚
ボールの9枚目以降の枠で、『ミュウVMAX』において、ゲノセクトVにならないボールの評価がとても低いため、ネストボールに。できれば2枚入れたいです。
・ヒスイのヘビーボール 1枚
メロエッタやイキリンコexがサイド落ちすると困る場面も存在したので、一応採用しました。ただ、ポケモンにならない場合もあるボールなので調整枠です。
・いれかえカート 2枚
・あなぬけのひも 1枚
入れ替え札の3枠で「いれかえカート」2枚は「結晶の洞窟」と合わせたHP60の回復が『ロスト○○』の対面で大きいので、確定(3枚だと手札に嵩張る時がある)。残りの1枠は後攻1ターン目の技「メロディアスエコー」の最大値を引き上げるために「あなぬけのヒモ」を採用しました。
・ウッウロボ 3枚
枠の都合で最低限の3枚に留めましたが、デッキのグッズの割合的に「森の封印石」の3枚目を「ウッウロボ」の4枚目に回してもいいかなとも思います。
・ロストスイーパー 2枚
「頂への雪道」に加え、「勇気のお守り」を割るために2枚採用に。3枚目の採用も視野に入れたいです。
・やまびこホーン 1枚
無理やり2-2-2などのサイドプランを通せる利点がやはり大きいため、外せません。
・こだわりベルト 2枚
ポケモンVの数が減ってきたとはいえ、やはり一番多くの対面でダメージUPを見込めるカードなので、変わらず2枚採用です。
・森の封印石 3枚
特性「スターアルケミー」をゲームに必ず絡めるために3枚採用しましたが、一度使用すると価値が落ちるカードではあるので、3枚目の枠は調整枠となります。
○サポート
・カミツレのきらめき 3枚
デッキ構築経緯のところで述べた通り、現物を多めに3枚採用。4枚採用は流石に手札で邪魔な場面が多かったので、この枚数に落ち着きました。
・ボスの指令 3枚
先攻2ターン目にこのカードをプレイする再現性を上げるために現物を3枚採用しました。「ともだちてちょう」の枠から捻出しているため、ややリソースの管理に注意が必要です。
・ナンジャモ 2枚
手札干渉札として採用しました。ゲーム後半の強力な手札干渉効果と特性「フュージョンシステム」のかみ合いの良さに加え、序盤のドローサポートになり、腐りにくい点を評価しました。『ロスト○○』の対面などに最低1回できれば2回使いたいため、2枚採用にしました。
○スタジアム
・ロストシティ 1枚
ドラピオンVや非ルール主体のデッキのポケモンたちをロストゾーンに送ると強い場面があったので、採用しました。ただ、裏目となることも多いので、調整枠ではあります。
・結晶の洞窟 1枚
「いれかえカート」のところでも述べましたが、『ロスト○○』系統へのメタとして採用しています。基本的に裏目となる場面も少ないので、気楽に張れるスタジアムとしても優秀です。
・頂への雪道 1枚
基本プランには関わりませんが、上振れ要素や捲り要素として欲しい場面も多かったので、1枚だけ採用しました。
○エネルギー
・ダブルターボエネルギー 3枚
3枚目の枠は好みになってくるとは思います。今回はフュージョンエネルギーをゲノセクトVに回す都合やミュウVMAXが攻撃するための要求値を減らすためにも3枚の採用となりました。
○不採用カード
・その他のフュージョンポケモンたち
基本的に現状採用しているポケモンたちで対応できることに加えて、不採用にしたポケモンたちは役割外の対面でスタートした時に盤面を圧迫するため採用には至りませんでした。
・ともだちてちょう
各サポートの使用回数を増やす点やグッズである点が魅力的ですが、単体では何にもならない点が弱く、それよりはサポートの現物に枠を回しました。
・おはらいグローブ
環境的に超タイプのポケモンは多いですが、なくてもゲームは作れますし、より腐りやすいカードを採用する枠はありませんでした。
・ジャッジマン
・ツツジ
「ジャッジマン」は序盤のドローサポートとしては貧弱で、後半の手札干渉としても弱いです。また、序盤のサポートの優先度は「ボスの指令」や「カミツレのきらめき」の方が上なため、強みを活かしにくく不採用に。「ツツジ」は序盤に腐る点がやはり気になり不採用になりました。
・崩れたスタジアム
イキリンコexやダメージを負ったポケモンを除去できる点は優秀ですが、ベンチを制限する都合上、雑に張りにくい点が使いにくかったので、不採用にしました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。繰り返しにはなりますが、何かありましたら、そうたん(@Atlety_49)までご連絡をお願い致します。
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