**絵本で読むギリシャ神話**

ある日、空の王様ゼウスはひどい頭痛に悩まされました。どうしたらいいかわからないゼウスは、友だちのプロメテウスに頼んで、頭を斧（おの）で割ってもらいました。すると、そこから光り輝く女の子が飛び出してきました。それがアテナでした。

アテナはゼウスの娘でしたが、お母さんはいませんでした。お母さんは知恵の女神メーティスでしたが、ゼウスが飲み込んでしまったのです。だからアテナはゼウスの知恵を受け継ぎました。

アテナは大きくなると、知恵と戦いの女神になりました。彼女は兜（かぶと）と槍（やり）と盾（たて）を持ち、勇敢（ゆうかん）に戦いました。でも彼女はただ戦うだけではありませんでした。彼女は正しい理由で戦うことを大切にしました。そして戦争が終わったら、平和（へいわ）と文明（ぶんめい）を築くことを助けました。

彼女は職人や芸術家や学者たちを守護し、様々な発明や技術を教えました。アテナは多くの人々に愛されました。特にアテナイ（アテネ）という都市では、彼女が一番の守護神でした。

ある時、海神ポセイドンとアテナがこの都市をめぐって争いました。どちらが都市の守護神になるか決めるために、神々は二人に贈り物をするように言いました。

ポセイドンは三叉の鉾（ほこ）で地面を突き刺し、海水の泉を作りました。でも海水は飲めないし、塩辛いし、あまり役に立ちませんでした。

アテナは槍（やり）で地面を突き刺し、オリーブの木を作りました。オリーブの木は実や油や木材など色々なものをくれる素晴らしい木でした。

神々はアテナの贈り物がより良いと判断しました。そうしてアテナはアテナイの守護神になりました。

アテナはその後もたくさんの冒険や奇跡を起こしました。彼女はゴルゴンのメドゥサを倒すペルセウスや十二の難行を達成するヘラクレスなど、多くの英雄たちを助けました。

彼女はアテナイの丘にパルテノン神殿を建ててもらいました。彼女は梟（からす）や蛇（へび）やオリーブの木を象徴としました。彼女は知恵と戦いの女神として、ギリシアの人々に尊敬され続けました。

おわり

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