依頼:温泉に活気を!

依頼元:https://twitter.com/Aoitori_i/status/1783790184909426976

『ある街道から外れた所にある寂れた温泉地からの依頼。
 是非とも温泉に入ってもらって、この温泉のことを広めてもらいたいようだ。』

 依頼人:温泉宿の管理人


「冷た……」
 自分で想定していた以上に、ターボ・コリンズは疲れていたようだ。
 足先のみではあったが、浸かったのは水たまりであった――水風呂であったのかもしれないが、そういった風呂の存在を青年は知らない。
(せっかく温泉に来たっていうのに、何やってるんだろ。僕)
 此度の依頼は、ターボにとっては願ってもない機会であった。
 先日、ドラゴンと遭遇した際に負傷した箇所が未だ疼くのだ。
 回復魔法で傷自体は塞がっていたのだが、ダメージがまだ残っていたのかもしれない。
 ゆえに湯治を試してみようとやってきて、冒頭の状況に至る。
 深い溜息をつくターボ。
 水で濡らした足跡を残し、湯気の立つ方へと移動して。
「また水たまりじゃない、よね?」
 恐る恐る手で水面を掬ってみる。
 掌に残る温もり。今度こそ、間違いなく温泉であった。

 再び漏らした溜息は、安堵の意を示すものだった。
 毛並みに、負傷箇所に心地よさが染み込んでゆく。
 鍛え上げられた筋肉からも、じんわりと疲労が滲み出て溶けてゆくかのよう。
 今は寂れた温泉地であるようだが。
(うん、勿体ない。効果は本物だっていうのに)
 街道から外れてはいても、行き来に困るほどの距離ではない。
 知名度さえ上がれば、きっと人も集まってくるはずだ。
(広めないとね。早速、酒場で話してみようか)
 謳い文句を付けるとしたら、こんな文言はどうだろう――竜に付けられし傷をも癒す。

その日の夕飯時。
酒場に顔を出した青年が口々に冒険者達に聴かれたのは、いつも以上に美しく靡く毛並みの秘訣であったという。
勿論、彼が温泉のことを伝えたのは言うまでもない。

 * * *

 引用RT参加:末尾9→1
 間違えて水たまりに浸かってしまう(振り直し)
 →毛並みやお肌がツヤツヤに!一時的に魅力に+1される。
 ソロorPT:ソロ参加
 報酬:無料温泉券+温泉の素+5ルプ

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