依頼:禁書の回収

依頼元:https://twitter.com/48AKIRA69/status/1779163199063076965

『廃墟となった魔法使いの屋敷にあるという
 禁書を回収してきて欲しい』

 依頼人:図書館長


(これは……回収は望めないかな)
 廃墟に足を踏み入れたターボ・コリンズを出迎えたのは、スケルトンの群れであった。
 ――屋敷には多数のアンデッドがおり、禁書を守っている。
 確かに依頼書には、そう記されていたとはいえ。
(正直、予想外の数だな。逃げ帰った方が安全ではあるけど)
 それでもターボは逃走ではなく、戦闘を選んだ。
(数を減らしておけば、他の冒険者が仕事をし易くなるかもしれないからね)

 アンデッドは一般的に、火炎や神聖なる属性が弱点とされている。
 もしもターボが術式の類を扱えるなら、スケルトンに効果があるか試してみることも叶ったのだが。
「生憎、僕は――」
 彼は犬の獣人。生まれながらにして魔力の類は持たず。
「――頑丈さだけが取り柄でね!」
 知識は多少あれど、過去の経験から呪術を扱う気だけは微塵も無い。
 ゆえに頼れるのは自身の肉体と、愛用の両手斧のみ。
 ぶん回し、叩き付け、粉砕する。
 ひたすらに、ひたすらに、ひたすらに。
(ふぅ……これで何体目だ?)
 暴れ回る最中も、ターボの思考は巡る。
(禁書を守る為に生み出されたのか、それとも……)
 アンデッドどもは何処から来たのか。
 禁書に記された内容は果たして。
 もしかすると、自分が求めている情報も此処に――。
「これで、終わりだっ!」
 最後の一体のスケルトンを砕き、ターボは息を整える。
 群れを片付けたからには、禁書の回収も――否。
(この腐臭は、死体系の魔物かな。……これ以上、戦い続けるのは流石に厳しいか)
 屋敷の奥より新手の存在を嗅ぎ付け、ターボは撤退を決意した。
 此度の戦果が、誰かの成果に繋がることを願って。

 * * *

 引用RT参加:
  末尾→6(偶数)、禁書入手無し
  末尾2桁め→8、スケルトン
 ソロorPT:ソロ参加
 報酬:無し

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