依頼:染料の材料集め
依頼元:https://twitter.com/ifhistorydongri/status/1779877785634582663
『アタシのお店、お客さんが増えたのはいいんだけど
ドレス用の綺麗な布が足りなくなっちゃったの!!
おねがい冒険者さんたち、染料の材料を集めてきて!』
依頼人:仕立て屋のアントニオ
マーガレットよ!!
●
染料になり得る素材には心当たりがあった。
(タンモノって言ったっけ。あれに使われてた染料の近縁種が、確か今頃の時期に――)
ターボ・コリンズが赴いたのは、海だ。
パーティを組んでいる鳥獣人の実家である商家、かつて其処で見せてもらった東方由来の品々。
その中にあった珍しい布地のことを思い出したのだ。
素人目から見ても、気品ある紫色だった。
あの色を再現できればきっと、ドレス用の布地としても使えるものになるはずだ。
「イビルデモン貝。たくさん集まるといいけれど」
今日は常の重装備は不要だ。
両手斧を砂浜に突き刺し、防具を外して。
ターボはぶるりと毛並みを振るわせてのち、海へと飛び込んでいき――。
採取を終えて、報告に向かい。
「……で、これだけの数集まったよ。足りるかな?」
「充分過ぎるわよ! んもうっ、嬉しい! 報酬、上乗せしてあ・げ・ちゃ・う❤」
網にいっぱいの巻貝を差し出せば、マーガレットは足取り軽く、店の奥へ報酬を取りに向かっていく。
どうやら依頼人を満足させることができたらしい。
(良かった。……それにしても)
マーガレットを待つ間、ターボは店内に視線を巡らせる。
見本として飾られたドレスの数々は、まるで己の美しさを誇っているかのように感じられた。
(職人魂ってやつなのかな)
「お・ま・た・せ」
「わっ! っと、失礼。ちょっとドレスに見惚れちゃってたんだ。いい仕事するんだね、マーガレットさん」
「あら、わかってくれる? 嬉しいわ~」
くねくね身を捩らせて喜ぶ毒トカゲの獣人――もといマーガレットが、どうして服飾の道を志したのかは定かではないが。
「うん。ところで、ドレスのオーダーって僕みたいな冒険者でも依頼できるのかな」
信頼に足る職人であることが、製作物から伝わってきた。
「あら。アナタ、良い人がいるの?」
「え、いや。違う違う! そうだな……うん。手のかかる妹、みたいな感じの子なんだけど」
此度とは逆に、仕事の依頼をしてもいいかもしれないと。
ターボがそう思うくらいには。
* * *
引用RT参加:末尾3→この貝は紫色の染料になるわ。なかなかレアね。(+10ルプ)
ソロorPT:ソロ参加
報酬:30+10ルプ
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