依頼:コカトリスの卵を採取
依頼元:https://twitter.com/hrggnz/status/1778770741032595853
『魔法薬を作るのに必要な材料、
コカトリスの卵を採ってきてほしいんじゃ。
欲しいのは卵だけだが、コカトリスを討伐したら
追加で買い取るとしようかの。』
依頼人:魔法薬売りの老魔道士
●
見通しの悪い森の奥から、ギャアギャアと喧しい鳴き声を上げて何者かがこちらに迫り来る。
「来たね。狙い通り」
呟いて、ターボ・コリンズは斧を手に“何者か”を待ち構える態勢を整えた。
ターボは敏捷な部類ではない。また、扱う得物や纏う鎧の都合上、お世辞にも隠密に向いているとは言えない。
対象に忍び寄ることは難しい。
ならば。
(向こうから来てもらえばいい、ってね)
あえて音を立てて縄張りに踏み込んで、魔獣を釣り出す策は功を奏した。
あとは。
「目的の物をいただくだけだね。……それが一番、骨が折れそうなんだけど!」
茂みがひと際、大きく揺れて――コカトリスが現れた!
コカトリス。
上半身は鶏で尻尾が蛇、石化毒のブレスを吐く能力で知られる魔獣だ。
サイズは1.5m程。丸々と太ってはいるが、目線の高さはターボより幾分か低い位置にある。
されど、油断はならない。
この魔獣の武器はブレスだけではない。
「ギャア! ギャアア!!」
俊足を生み出す脚力を乗せて、魔獣の足先の鋭い爪が繰り出される。
斧の刃で攻撃を受け流したターボは。
「……ああ、煩いなあ!」
犬耳をぺたりと寝かせて眉間に皺を寄せた。
途切れることなく騒ぎ立てるその声もまた、耳の良い犬獣人の青年にとっては凶器足り得たのだ。
(ブレスなら、予備動作を見切れば逃げ切れると思ってたけど)
嘴をぎりぎり避けて、また爪撃を受け止めて。
(肉弾戦になるとは想定外だったな。……でも、好都合か)
防御に徹しながら、ターボは勝ち筋を見出さんとしていた。
足の速さでは敵わない。鳴き声もじわじわと精神を削ってくる。
けれども唯一、膂力では負けていない。
脚を使った魔獣の攻撃を、ターボは受け止めきれていた。
また幾度目かの爪撃を受け止め――此度は全身を使い、跳ね返す。
魔獣がぐらりと体勢を崩した。
好機。
「……二度と鳴けなくしてやる」
斧を振りかぶり、踏み込んで。狙い定めた喉笛目掛けて。
一閃。
首を落とすまでには至らなかったが、刃はコカトリスの喉を裂いた。
「ギ、ギ……ア……アァ……」
掠れた声と流血を残して、コカトリスは何処ぞへと逃げてゆく。
深追いは、しない。
「ふぅ。倒す前提で考えてたけど、まあこれはこれでいいか」
此度の依頼は討伐ではない。魔獣の卵の採取だ。
(さてと。あいつが来た方角は、と)
コカトリスの痕跡を辿って進み、ターボは森の奥の巣まで辿り着く。
成人男性の握り拳二つ分程の大きさ――依頼人からの情報通りのコカトリスの卵が、其処にあった。
* * *
引用RT参加:末尾4→成功!無事に卵を採取できた。
ソロorPT:ソロ参加
報酬:300ルプ+魔法薬の試薬
※試薬について
魔法薬「白昼夢の少女」の試薬(一回分)
はちみつ味。飲むとむくみがとれて肌のハリ・ツヤが格段に良くなる。
さらに魔法の効果で飲んだ人のことがキラキラと魅力的に見えるようになる。
(数時間の間、飲んだ人の魅力が+1)
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