「舞台上で、僕は輝く〜役者・山中啓伍〜」

山中啓伍の朝は遅い。

10:00。
起床した山中は、テレビの前に向かう。
昨夜から始めた新しいゲームを進めていく。

「僕にとって、ゲームもトレーニングなんですよ。テクニックが磨かれる。」

そう語る山中の目は、真剣そのものだ。


13:00。
稽古場に1人の男の姿があった。
そう。山中である。

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手には、行きつけのコンビニで買ったチキンとカフェオレ。
稽古へと集中するため、このふたつは外せない。
夢中で食らいつく。
これが山中のルーティンだ。

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準備運動にも余念がない。
その動きは、さながら内村航平だ。
キレのある動きが、既にここから始まっている。

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しなやかな身体、勢いのある芝居をするために、ストレッチは欠かせない。

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遠くを見つめる山中。
瞳の先には何が写っているのだろうか。

発声を終えた山中は、いよいよそのベールを脱ぐ。

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山中の目の色が変わる。
鋭く、熱く、己の技量を高めていく。
他の役者も負けじと己を鍛えていく。
そこには、熱い稽古場があった。


『山中とは、どういう人物なのか?』

休憩時間、山中をよく知るN崎氏に尋ねた。

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「一言で言うと、イチョウ。
綺麗に黄色に染まることもできるし、
銀杏のように通好みのものを出すこともできる。
アトバスで、自分の魅力を最大限に引き出し、
輝いてくれる。
巨人が優勝して、山中くんに苛立っている自分がいます。」

静かに語るN崎氏は、阪神ファンであった。

その時、山中は

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差し入れに食らいついていた。
その瞳の先には、何が写っているのだろうか。


17:00。
夜飯である。
山中が向かった先。
そう、お気に入りのコンビニである。

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決まったルーティンをこなすストイックさ。
今宵もコンビニ飯を食す山中は、
嬉しそうに微笑んだ。

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17:30。
そこには、ダンスの練習に打ち込む山中がいた。

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キレの鋭い動きに、思わず息を飲む。

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鋭すぎる故、ぶれている山中に、尋ねた。

『キレのあるダンスのポイントは?』

山中は一言、こう呟いた。

「…アサヒビール」


役者・山中啓伍。
夢に向かい邁進する青年に、我々は投げかける。

『山中にとって、演劇とは?』

「そうですね」
「空間と時間を共有できる芸術かな」


20:00。
稽古を終えた山中は、ひとり帰路に着く。
待ち受けているのは、希望か、絶望か。
役者・山中啓伍の挑戦は、始まったばかりだ。

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次回のnoteは、山中啓伍が担当する。
未だ謎多き青年は、どんな文章を綴るのか。
果たして…。

(文:長谷川悠二郎)

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