見出し画像

第4回ミーティングはワークショップ形式

 第4回カテイカ・ミーティングは2019年5月12日16時から2時間、初めて東京で日曜日に開催しました。会場はいつもの幸國寺です。初参加の人が多く、22人がご参加くださいました。

 今回は、カテイカの活動がきっかけで、メンバーの有賀薫がNサロンで行ったワークショップのやり方を生かすことになりました。Nサロンのイベントについての紹介記事はこちらです。

  やり方は、3人1組になって、「家事でモヤモヤしていること」をヒヤリング。1人が5分間話し、1人がインタビュー、もう1人は追加で聞きたいことと、気になったことをメモします。次に2分間、インタビュー係とメモ係が話し合い、追加インタビュー内容をまとめます。インタビューを開始し3分間。その後5分間で、感想や発見などを3者で語り合います。

 このとき大事なのは、聞く人は相手の話を遮ったり、否定しないこと。アドバイスもしません。相手を尊重して、「傾聴する」姿勢が重要なポイントです。これは、インタビューと同じ手法で、実はふだんの仕事や家庭での生活でも役に立つ姿勢です。

 相手がなぜ、そう感じているのか、自分の頭の中で考えつつ、問題がどこにあるかを一緒に探ることは、新たな発見につながります。

 きちんと聞いてもらうこと、聞いたことが、わずか1時間ほどで全員の成長につながったのか、後半にグループごとに報告をしてもらったところ、全員が持ち時間2分できっちりスピーチを完結させ、笑いまで取る、という高度なテクニックを発揮しました!

「食べ物を腐らせてしまう……」

 参加者は、一人暮らし、夫婦二人暮らし、子どもがいる人など多様なライフスタイルを持っています。一人暮らしの人の中には、効率よく買い物するのが難しいという人がいたり、食材を余らせるという悩みを持っている人がいました。

 子育て中で子どもに家事を教えたいけれど、なかなか当事者意識を持って家事に取り組んでくれない悩みを持つ人。幼い子どもがいる人は、食費がかかり過ぎることが悩みだったりします。

 完璧主義から自由になりたいという女性もいました。フルタイムの仕事を持っていて、手が回らないことに悩んでいる人も。いかに料理をすべきか、そもそも料理は手作りするべきなのか、難しい問題です。

 夫の定年が近づいてきたという女性は、子どもが巣立って2人になり、食事作りの負担が大きくなっていると話します。彼女は昼食作らない宣言をしました。結婚を意識する男性のお母さんの眼鏡にかなうか心配する女性は、今の50代ぐらいの世代は、話せばわかる人かもしれない、と言われて安心したようです。

 一人暮らしの女性が、毎週コンソメスープを作ろうと食材を買うものの、結局作ることができず、食材を腐らせてしまうというモヤモヤを抱えていました。ヒアリングを重ねて、「そもそもコンソメスープという目標が高い」「ハードルを下げることが大切」と気づいたと報告してくださいました。

 片づけられない悩みを持つ女性は、元の場所に戻すことが苦手だそうです。片づけるのが得意な夫に「片づけろ」と言われることがストレスだった。管理できる量まで減らすことに目下取り組んでいるそうです。

 一つうれしい報告がありました。第2回に参加してくださった女性は、カテイカ・ミーティングで聞いた話を、「こういう人がいて」と話すと、定年を控えただんなさんが、当事者意識を持って家事を積極的にするようになり、パスタやチキンソテーなどを作ってくれるようになったそうです。

 ただ、本当は年ごろの息子さんに家事を教えたかったのに、彼は相変わらず散らかった部屋で暮らしているとのこと。「彼女ができたら変わるわよ!」と言われることで、安心したと報告してくださいました。

聞いてもらえる効能

 個々の家事の悩みは、ライフスタイル、性格などを反映して多様です。でも、実は同じような悩みを抱える人が、自分のほかにもいることを発見した人もいるでしょう。この記事を読んでくださっているあなたも、そうかもしれません。ライフスタイルは違えど、部屋が散らかる、毎日ご飯を食べなければならないなどの悩みは共通しているからです。たぶん、世界中の人が同じような悩みを抱えて毎日葛藤しています。

 話をちゃんと聞いてもらう、このワークショップの魅力は、悩んでいるのが自分だけじゃないことを知ることかもしれません。バリバリ働いているように見えるあの人も、料理上手なこの人も、何かしらモヤモヤしたことを抱えています。そういう話をしてすっきりしたから、報告の段階で、冗談を言って笑い合うことができたのかもしれません。

 それから、話すことで、自分の中でごちゃごちゃに絡まっていた悩みを解きほぐし、思っていたより「敵」が小さかったと発見することも、解決を自分で導く大きなきっかけになったと思います。

 皆さんの報告を聞いていると、一人暮らしは解決策が見えやすかったのに対し、子育て中の人は解決の入り口にたどり着けるかどうか、という段階にとどまっていたことが印象的でした。一緒に暮らす人の人数が多いほど、悩みは複雑になります。それでも少しは心の負担が軽くなったことを願っています。(阿古真理)

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?