入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 5・2 想定外の気持ち
ランチを終えて佐原係長と社に戻ると、そのビルの前に立つ木崎を見つけた。鞄を片手に第三営業部の間宮さんと話している。
彼女は綾瀬と同期で入社二年目。我が社の営業には珍しい、ふわふわして可愛らしい女の子だ。いつも髪を、どういう構造になっているのか見当もつかない、ゆるふわに結っている。服装もフェミニンなスカートにブラウス。今日は襟付きジャケットを合わせて雰囲気を引き締めている。おしゃれが好きなのだろう。
あの子、木崎の好みど真ん中なんじゃないだろうか。
そう思って見て