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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない

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《小説》 入社以来犬猿の仲だったふたりが恋愛するお話。 全22話(本編18話+番外編4話)。創作大賞2023、恋愛小説部門に参加中。
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2023年5月の記事一覧

入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない   1・1 想定外の…

あらすじ 仕事はできて慕ってくれる同僚も多いけど、彼氏無し歴8年の宮本莉音。 有能なものの…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 1・2 想定外の時間…

 打った球が真っ直ぐに飛んでゆく。 「……お前、上手くね? 」  オレンジ色の空の下。ビル…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない  1・《幕間》木崎 

 地下鉄に乗り扉脇にもたれると、鞄から私用のスマホを取り出した。藤野から四件ものメッセー…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 2・1 想定外のラン…

 会社近くの定食屋に入ると客はひとりしかいなかった。もうそろそろ十四時だから、さもありな…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 2・2 悪口の想定外

 路面店のカフェに藤野と入る。注文の列に並んですぐに『宮本』という言葉が耳に入ってきた。…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 2・《幕間》藤野

 エレベーターを降りて宮本と別れる。このフロアにある部は第一営業部と第二営業部だけ。エリ…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 3・1 先月の想定外事件

 外回りから戻りエレベーターホールに向かうと、ちょうど一機の扉が開いていた。ふたり乗っていて、上階のランプがついている。 「乗ります!」  そう声を掛けてから中にいる人が誰だか気づいた。第三営業部の綾瀬。変わり者の木崎信者だ。  バチリと目が合う。  そのとたんに綾瀬は、ものすごい勢いでパネルのボタンを連打し始めた。扉がしまり掛ける 「何をしてるんだ」  と、綾瀬の後ろにいた人物が彼の頭を丸めた書類ではたき、反対の手をパネルに伸ばす。と、扉は開いた。 「ありがとうござい

入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 3・2 想定外エレベ…

 ギャラリーを出るとき大学生の女の子がひとり見送りに出て、丁寧に頭を下げてくれた。五人い…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない  3・《幕間》藤野

 木崎が宮本とエレベーターに閉じ込められた。  それを知ったときに最初に浮かんだことは、…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 4・1 ディナーの想…

 火曜の十九時前。普段なら休日はまだまだ先。だけど今週は違う。明日は祝日。休日出勤の予定…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない  4・《幕間》木崎 

 シャワーを浴び終えてダイニングに戻る。一直線にテーブルの元へ。その上に置かれたスマホを…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない  4・2 想定外の遭…

 区立公園のジョギングコース。祝日の早朝。好天とあって、それなりに走っている人がいる。 …

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 5・1 佐原係長は想…

「私の素晴らしい洞察力によると、宮本は私に相談したいことがあるんじゃないかと思うんだよね…

新 星緒
1年前
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入社以来8年も犬猿の仲だったアイツを、好きになるはずがない 5・2 想定外の気持ち 

 ランチを終えて佐原係長と社に戻ると、そのビルの前に立つ木崎を見つけた。鞄を片手に第三営業部の間宮さんと話している。  彼女は綾瀬と同期で入社二年目。我が社の営業には珍しい、ふわふわして可愛らしい女の子だ。いつも髪を、どういう構造になっているのか見当もつかない、ゆるふわに結っている。服装もフェミニンなスカートにブラウス。今日は襟付きジャケットを合わせて雰囲気を引き締めている。おしゃれが好きなのだろう。  あの子、木崎の好みど真ん中なんじゃないだろうか。  そう思って見て