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2019年10月の記事一覧
ジュンク堂でおはようのキス 信じてる 水だけで生き延びる物語(初谷むい)
ジュンク堂でおはようのキス 信じてる 水だけで生き延びる物語
初谷むい「おはよ、ジュンク堂でキス、キスだよ。」(『ぬばたま 創刊号』、2017年)
朝、ジュンク堂で待ち合わせてキスと読んでもいいんだけど、「おはようのキス」は寝起きにするイメージがある。ということは、ジュンク堂で寝て、ジュンク堂で目を覚ましたのだろうか。怖くなるほどたくさん収められている、今後も大半を読まないであろう本に囲まれな
てふてふのてんぷらあげむとうきたてば蝶蝶はあぶらはじきてまばゆ(渡辺松男)
てふてふのてんぷらあげむとうきたてば蝶蝶はあぶらはじきてまばゆ
渡辺松男『蝶』(ながらみ書房、2011年)
蝶々をてんぷらに揚げようという発想には納得感がある。
蝶々をてんぷらにする文化が、日本のどこかにあるのかは知らない。念のためグーグルで検索してみたところ「蝶々」というハンドルネームの人がてんぷら屋さんを讃えている口コミが出てきた程度なので、ないか、あるとしても一般的ではないの
輪ゴム噛んだらだんだん味がするようなそんな散歩で続けた未来(武田穂佳)
輪ゴム噛んだらだんだん味がするようなそんな散歩で続けた未来
武田穂佳「家族の休日」(『かばん』2019年9月号掲載)
輪ゴムくらい好きに噛めばいいと思うけど、あんま短歌の冒頭で出会うとは予想していなかったな〜〜 複数の人の作品が載っている冊子に、読み進めるたびに誰かがなにかを言っているような、混みあった路地のような印象をわたしは抱いていて、とすれば連作の一首目はその路地ですれ違う人の「あ、どう