マガジンのカバー画像

短歌評

13
運営しているクリエイター

2018年5月の記事一覧

悲し、とふ言葉がけさはうすあをき魚の骨格となりて漂ふ(睦月都)

悲し、とふ言葉がけさはうすあをき魚の骨格となりて漂ふ

睦月都「十七月の娘たち」(第63回角川短歌賞受賞作、角川『短歌』2017年11月号掲載)

 あ、終わった――。
 全部が終わる夜があって、その数時間後、全部が終わったことを理解する朝が来る。
 悲しい悲しいと思っていてもうこれ以上に悲しいことはないと思いきや、翌日には、えっそういう悲しさっていうのもあるの? と予想を軽く超えられる。

もっとみる