クリスマスに結婚相談所に行った話
先日、某大手結婚相談所に入会してみた。
アラサーといわれる年齢、周りも結婚を前提に付き合う女性が増えてきた。
年末を目前に、計画性のない私らしく急に焦り始め、迷うくらいならととりあえず体験入会の予約をした。
ちょうどクリスマスが土曜日だったこともあり(婚活開始日の翌日に仕事というのは気が重い)、その日に入れた。
私はその年の4月に、お付き合いしていた相手とお別れをした。将来を考えるには互いに譲歩しなければならない点が多く、あえなくあきらめる形となった。
もちろん昔は恋愛感情だけで突っ走るような、ロックでエモーショナルな交際にも少なからず憧れていた。
一方で、時が経つにつれ私にはそれがあまり合わないだろうことにも気づきだした。
なにせ私は相手と距離を縮めるのが絶望的に下手くそで、相手のことを好きであればなおのことその性格が遺憾無く発揮された。
考えを表現したり意見を交換したり、お互いが違うからこそすり合わせが必要であるにも関わらず、うまく自分の意見が言い出せず、結局どちらかが痺れを切らしては短期間での破綻を繰り返した。
4月にお別れした相手との付き合いでは、これまでの交際に比べて、その点でははるかによく意見を言えるようになったと思う。
お付き合いを通して成長できたと感じたし、自己表現をしても問題ないという安心感を与えてもらっていた。にもかかわらず、難しいものはやはり難しいのだった。
ともあれ相談所へと足を運んだわけだが、さすがになかなか緊張した。受付を済ませ、個別ブースでスタッフの女性からいろいろな話を聞く。
話の限りでは、そこの相談所は歴史の長さやそれによる信頼、会員数の多さなどが推せるポイントのようだ。
A4サイズの白紙にマジックペンで図などを描きながら説明を受ける。仲介などをしてもらうとオプションで費用がかかったり、お見合いのサービスを定期的に受けられるようなコースを選ぶとコストは跳ね上がるらしい。
私の担当の方は40〜50代の女性で、比較的話しやすい世代だった。
20代に人気のスタンダードコースとなると、マッチングアプリと同じようなイメージのようだ。自分の写真や趣味・年齢などを入力したあと、独身証明書や収入証明書(源泉徴収票など)をアップロードする。
マッチングアプリでは素性の知れない、ヘタをすると既婚者や結婚詐欺なども混じっているかも知れないという不安がつきまとうが、相談所のシステムであれば証明書を出させているため、その信用にお金を払う、というのが適切な表現かと思う。
一通り話を聞いた後、例のごとくクロージングをかけられその場ですぐ入会をすすめられた。
私はどんな契約でもその場で決めることだけはしないと決めているので、年内に再予約を取り検討することにした。
帰りに新宿高島屋に寄ると、アクセサリーショップにはカップルが群がっていた。
私はこれまで相手にそういった高額のものを所望したことはないが、どういう流れで買うのだろうと昔から不思議だった。
彼女が可愛くおねだりするのか、彼氏が連れて行くのか、とにかく全く想像できない世界の話だし自分にはまるで無縁の文化だと思う。
自腹で自分にカルティエのネックレスでも買ってやろうかとも思ったが、店の前にできた恋人たちの列を見てやめた。
そもそもそんなに高いものをつけて行く場所もない…。
後日、役所に様々な証明書をもらいに向かった。
ちなみに、独身証明書は本籍地の役所でしか出すことができない。
役所の職員もどうやら勝手知ったるようで、こちらが何も言わずとも、「結婚相談所へのご提出でよろしいでしょうか?」とのことで、なんだか恥ずかしい。
年末の役所はなにやら混み合っていて、私のように駆け込み手続きみたいな人だらけなんだなと思う。
なにより、駆け込みでもよいから、年始より新しいことを始めるのは気分が良い。
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