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第十八話 ブロックFlowerでの事故

今回はこひなたん視点からお届けする。
ブロックGlassでのジェームズとの攻防を一瞬で終わらせてさらに東に向かう2人。次はブロックFlowerを通らねばなりません。

花見?

さて、私こひなたんも実は、周の国を出たことはそうそうなく、さっきのブロックGlassでのジェームズには度肝を抜かれたのは間違いありません。しかし、サガワンは剣のおかげなのか意外とあっさりジェームズを倒しました。意外とやるんだなぁとも思いました。

さて、次はブロックFlowerですが、ここも私は初めての場所です。先ほどのGlassでは厳しい尋問や条件を付けられて、通り抜けるのが結構大変でしたが、Flowerはどうなんだろうと不安です。とはいえ、サガワンもちょっと疲れてきているのか、歩く速度は遅くなってきました。

「大丈夫?ちょっと歩くスピードが落ちているけど」
「うん、ちょっと疲れたのは間違いない。丸一日近く寝ずに歩いているからね。次のFlowerというところでは少し休もうよ」
「そうね、安全な場所だということがわかったらそうしましょう」

遠くに明るい光が見えてきました。恐らくあれがFlowerです。
木の下にたくさんの人が集まっていますね。何をしているのでしょうか。
みんな赤い顔をしています。

「おう、そこのエルフ!ちょっと寄って行きなよ」
「なに?酔ってるの?」
「こひなたん、食べ物を食べたり、飲み物を飲んだりしないのに、なんで酔うの?お酒は飲むの?」とサガワン。
「違うのよ。大陸の人間は”香り”で酔うのよ。ああ、この花ね。この花の香りで酔っているんだわ」
指さす先には、花が咲いています。みんなその木の下で騒いでいるのです。

「ああ、これ、ソメイヨシノのような花だな」とサガワン。
「ソメイヨシノ?」
「そう、日本を代表する花です。この花が咲くと、みんな春が来たと思うし、人間界では花見といってパーティをする習慣があります」
「Flowerの人間たちは、花の香りで酔ってパーティをするみたいね」

そういえば、尋問がないですね。もうブロックFlowerに私たちは入ったのでしょうか。

事故

さっき、私に声を掛けてきた街人風の青年にちょっと聞いてみましょう。
「ねえ、ここはもうブロックFlowerなの?」
「ああ、そうだよ。君たちはどこから来たんだい?」
「周の国から来たんです。このFlowerを通り過ぎて、Leafに向かうところなの。錬金術師のダイに会いたくて。でも、ブロックに入るとき尋問があるって聞いたんだけどな」
「ああ、そうなんだね。我々のブロックは誰でも受け入れるんだよ。尋問はないと思うよ」
「それは良かった。じゃあ、安心して通り抜けられるわ。どうもありがとう」

なんだ、Flowerは楽勝で通り抜けられそうね。良かったわ。と思ったら、サガワンがいない!どこに行ったの?

「こひなたん!俺、酔っ払っちゃったみたい。足がふらふらするよ。元々、人間界にいるときも酒には弱かったんだけどね」

とかいいながら、座り込んでるじゃん!おまけに、背中にある剣が大地にのめり込んでるし。。。「ちょっと何してるの、早くいきましょう。」
「いや、フラフラで立てないです。剣も抜けないし」
「え!剣が抜けないって、大地から?」
「そう、何かに引っ張られているみたいですよ。私の力が弱いからかなあ。こひなたん、抜いてみて」
(ぐっと力を込めて)「おりゃ!って、びくともしない!困ったな」

続く(かも

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