2021年7月23日・24日 『UNICITY LIVE ONLINE』 ただの感想


コロナ禍になって普通にライブが出来なくなった世の中で配信ライブがバンド界でも流行り出し、2020年の秋頃からは少しずつ有観客のライブも復活し始めた。
UNISON SQUARE GARDENは私が知る中でもこの世の中で有観客ライブ、そして全国ツアーを1番やっているバンドだと思う。そしてまだ有観客ライブに行けない人も多くいる中で、私を含め有観客ライブに足を運んだ人達は「生のライブの素晴らしさ」に改めて気付き、それに代わるものはないことにも改めて気付いたはずだ。

それでも、配信ライブにしかないものもある。それを改めて感じることになったこの2日間のUNICITY限定配信ライブ『UNICITY LIVE ONLINE』の感想、ただの感想を書いていく。
ファンクラブ限定公演なので詳しいレポート的なものは控えた方がいいかと思うのでさらっと。ただこの生配信ライブを観てからどうしても文章を書きたくて書きたくて仕方なくなってしまった。


先に、今回私が投票した曲について。
アコースティック編成は、
MR.アンディ/mix juiceのいうとおり/一人思うは雨の中
この3曲に入れた。
アコースティック、と聴いて個人的に凄く映えそう、思ったのがMR.アンディだった。そしてアコースティックアレンジが楽しそうなmix juiceのいうとおり、アコースティックでコーラスをじっくりと聴きたい一人思うは雨の中。かなり悩み抜いて投票した。

バンド編成は、
スノウアンサー/流星行路/Dizzy Trickster
この3曲に。
スノウアンサーについては前回も1票入れていて、今回も迷わず投票した。流星行路はUNICITY限定でならやってくれるかもしれない、という期待を込めて。Dizzy Tricksterは今1番聴きたい曲だった。


まずは23日のアコースティック編成ライブ。

黄昏インザスパイからさらっと始まった。
仕事が終わったのがかなりギリギリになってしまい、ログイン出来たのが何と19:59。疲れた身体に黄昏インザスパイがどれだけ沁みたことか。
斎藤くんが歌詞を間違えて終わってすぐ謝るところなど、最初から緩い雰囲気でとても良かった。歌い出したら気持ち良くなったらしい。

斎藤くんのアコギは言わずもがな、12弦ギターとセミアコ(XIIXでも使っているギブソン?の白)を取り入れていたり、田淵がこの日の為にFenderのアコースティックベースを買っていたり、貴雄はまさかのカホン!左足には小さいタンバリンを装着していたり、でも後ろにドラムセットも準備されている。3人が向かい合う形。

そして、アコースティックだと田淵のコーラスが本当によく聴こえる。

世にも珍しいUNISON SQUARE GARDENのアコースティックライブ。曲間ではいつもより多くメンバーのお喋りがあったり。裏話が聞けたり。
田淵はずっと椅子に座ったままだったが、最初の方は全然喋らなかったし慣れないアコースティックに緊張しているように見えた。

夏影テールライトで披露された12弦ギターの音の厚みに驚きつつ、田淵と貴雄のコーラスに聴き惚れる。それぞれの曲がリアレンジされていて、ハモリやコーラスも変わっている部分がある。斎藤くんも珍しく歌い方にアレンジを加えていて新鮮だ。

MCがこれまた緩くて笑ってしまう。斎藤くんの「それでは聴いて下さい。春が来てぼくら」の言い方がふざけていて面白かった。
原曲とは違うアコースティックならではのシンプルなアレンジになっていて凄く良かった。

スカースデイルの間奏では斎藤くんと田淵の手拍子と貴雄のフィンガースナップ(つまり指パッチン)が見れたり。3人が揃って歌う姿がやはり好きだ。

それにしても、カホンの強弱はこんなにもわかりやすく聴こえてくるものなのだと初めて知った。

そして、3人がそれぞれ目を向けながら演奏している姿も良い。

趣を変えて始まった静謐甘美秋暮抒情では貴雄がドラムを叩く。スティックもいつもと違うもの。
間奏のギターが何だかジャズのギタリストみたいで凄くカッコ良かった。この曲に票を入れた人に感謝。めちゃ良かった。

ライブで披露されるのはプログラム15th振り、お人好しカメレオンの前には少しアレンジが加わっていた。全体的に凄く素敵にリアレンジされていた。この曲が聴けてしまうのはやはりUNICITYだからだろうか。

少し時間があったのでおまけで全く練習なしのアコースティック版Phantom Jokeを1コーラス。これはギターが大変そう。でもこういうロックな曲をアコースティックにアレンジされたものを聴くのはとても好きなので是非またこんな趣のあるライブをやってもらいたい。

斎藤くんがセミアコのギターを持ち、最後の曲はシュガーソングとビターステップ。間奏は斎藤くんと田淵が声を出して音を表現したり。あまりにも声が伸びていた田淵に斎藤くんが「もう一回やって!」とおねだり。
Phantom Jokeといい、この曲をカホンで表現する貴雄は凄い。

いつものロックバンドのライブとは違う趣のあるアコースティックライブ、私はとても好きだ。是非またやって欲しい。
田淵はそのベース、あげたり売ったりしないように。


23日 アコースティック編成
セットリスト
1.黄昏インザスパイ
2.夏影テールライト(12弦ギター)
3.春が来てぼくら
4.スカースデイル
5.静謐甘美秋暮抒情(ドラムセット)
6.お人好しカメレオン(ドラムセット)
おまけ:Phantom Joke(12弦ギター)
7.シュガーソングとビターステップ(セミアコ)

(今回の基本スタイル)
斎藤:アコースティックギター
田淵:アコースティックベース
貴雄:カホン+シンバル



そして24日、いつも通りのバンド編成。
会場にはUNICITYのロゴのバックドロップが掲げられている。

SEの絵の具が止まって、一瞬の無音からすぐ掻き鳴らされるギター、続くドラム、イントロのベースのメロディーが何より好きな、さよなら第九惑星。

貴雄のカウントからサイレンインザスパイ。田淵の低いコーラスが響く。カッコいい。

続けて流星行路。投票した曲で唯一聴けた曲だ。嬉しい。まさかの斎藤くん、歌の入りのタイミングを間違える。でもそこは「入り間違えた〜」と続けて歌って貴雄と見つめ合うなど。だが次の間奏で貴雄が「遠くまで空〜fu〜」と歌う。この貴雄の優しさというかフォローというか、こういう所が好きだ。こういう所を惜しげもなく見せてくれるところはファンクラブ限定ならではだろう。読んでくれている方でもし入っていない人がいたら絶対入った方がいい、それが「UNICITY」。(せっかくなので宣伝する)

軽いMC。MCもいつもより、緩い。

セク × カラ × シソンズール。B面曲に弱いので軽率に目頭が熱くなる。コロナ禍前、声が出せる最後のライブで聴いた曲のひとつなのでどうしてもグッときてしまう。

CAPACITY超える。観ている人たちのCAPACITYもきっと超えてる。貴雄のドラム叩きながらのコーラスが楽しそうで良い。

さよならサマータイムマシン。本当に根強い人気曲。この曲はユニゾンの曲の中でもずば抜けて「エモい」曲だと思う。ユニゾンの曲にそこまでエモさを感じないのだけれど、この曲は特別にそう感じる。

ブレイクを挟み、ギターのフレーズが付け加えられ始まったエアリアルエイリアン。中間発表の時には20位圏外だったこの曲がその後めちゃくちゃに順位を上げてきたのが凄い。同期の音含め全ての音が好き。Patrick Vegeeと相性が良さそうだし秋からのツアーでセトリに組み込んでもらってもいいと思う。

シューゲイザースピーカー。聴けて嬉しい。カッコいいの一言に尽きる。

世界はファンシー。多分今まで聴いたり観た中で斎藤くんが1番ノリが良くて楽しそうに歌っていた。HAPPYで首を傾げるのはずるい。田淵の謎の動き。

間髪入れずオトノバ中間試験。斎藤くん、高音出すのが辛そうだなと思う瞬間がたまにあるんだけど、難解なギターを弾きながらも歌い方を変えたりして対応してる。そういうのを確認出来るのも配信ライブならではかもしれない。
安心して、斎藤に任せられる。
何より3人が楽しそうで見てて嬉しい。

ここでまたMC。UNICITYに入って良かったと思う。よろしくぅ!!!

そのまま101回目のプロローグへ。秋からPatrick Vegeeが始まるのでアルバム曲には投票しなかったのだが、この曲もここで聴けたのが凄く嬉しかった。つまり、ここで聴きたいと願うUNICITY会員が凄く多いということ。1番グッときたし、とにかく良い、良すぎる。
世界は七色になる、で七色にライトアップされるステージ。涙なしでは見られない、素晴らしい曲。最後に向かい合う3人。ツアーで聴けると期待しているのだが本当に楽しみ。

おまけ、と言って始まったMicro Paradiso!。これまた楽しそうな3人。間奏のイチャイチャ、懐かしい。ステージを降りてフロアで演奏、コーラスする田淵。無観客で、配信だからこそ出来ることだろう。そんな自由な田淵に、どんどん速くなるBPM。ひたすらに楽しい曲で終わった。

やはりユニゾンはロックバンドだ。動き回る田淵を見て、これがライブだなと思った。
あっという間だったけど、大満足の1時間。物好きが投票した曲から出来たセットリストだ、満足するに決まっている。

投票した曲が聴けなくても、セットリストはこちらの予想を裏切ってこそだと思っている。本当に楽しかった。


24日 バンド編成
セットリスト

SE 絵の具
1.さよなら第九惑星
2.サイレンインザスパイ
3.流星行路
4.セク × カラ × シソンズール
5.CAPACITY超える
6.さよならサマータイムマシン
7.エアリアルエイリアン
8.シューゲイザースピーカー
9.世界はファンシー
10.オトノバ中間試験
11.101回目のプロローグ
12.Micro Paradiso!


配信ライブの良さは、みんな平等に観るチャンスがあるということ。チケットに制限はない。その日のスケジュールさえ空けてしまえば誰だって観れる。何なら整番やら席が良いとか悪いとかも関係ない。
隣や前後に人がいなくても、リアルタイムでTwitterを見たら同じ物好きたちがライブを観てひたすらに感じたことを呟いている。みんなで盛り上がっているのがわかる。もちろんずっと画面に釘付けな人もいるだろう。この世界のどこかにいる物好きが同じ時間に同じライブを観ていると思うと、それはそれで配信ライブって凄く良いものだな、と思う。

そしてユニゾンの配信ライブならではの3人(とスタッフ)だけの空間で作られる特別な空気感。今回は特にファンクラブ限定だったこともあり、以前の生配信ライブよりずっと緩い空気感だった。3人だからこそ、普通のライブでは観れないような表情が見れる。対ファンクラブ会員だから心を許している、というわけではないと思うのだがMCで「家族」という言葉までもが出てきたのだから、何となく嬉しくなった。もう配信ライブでは満足出来ないかと思っていた。そんなことは全くなかった。3人ともとても楽しそうだった。その姿を観れるならば、生でも配信でも満足出来る、この2日間の配信ライブで改めて気付かされた大切なこと。

まだ有観客ライブに行けないUNICITYの物好きのことも考えて、この2日間特別な生配信ライブをしてくれたユニゾン。どこまでも「好き」の気持ちが止まらない。ありがとう。

UNISON SQUARE GARDEN、
メジャーデビュー13年、
結成から17年、続いてくれてありがとう。
楽しそうにライブをするあなたたちを見ているだけで幸せだ。これからもどうぞよろしく。





終わってすぐこっそりオフィシャルサイトに新しい情報が投下されていた。
10/6(水)に新曲「Nihil Pip Viper」の配信が決定、Revival Tour “Spring Spring Spring” LIVE BD/DVDを同日リリースとのこと。


全く、余韻に浸らせてくれないバンドだな。
そんなロックバンドが好き!

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