見出し画像

2023年1月18日 VINTAGE ROCK std.×UNISON SQUARE GARDEN presents “VG” vol.1 渋谷 CLUB QUATTRO

ユニゾンとイベンターのVINTAGE ROCKが主催する新たな対バンイベントが始まった。公式に発表されているコメントがこちら↓

“新たに立ち上げた本イベントは「世代を問わず良いバンドを紹介していく」「対バンの面白さをもっと知ってほしい」という想いから構想がスタート。”

UNISON SQUARE GARDEN
THE NOVEMBERS
Cody・Lee(李)

強すぎるメンツ。
それでも絶対に行きたい。ユニゾンに出会うずっと前から大好きなバンドがこの中にいる。
THE NOVEMBERSだ。
いつか再びユニゾンとノベンバが対バンをする日を心待ちにしていた。もう何年も前の話だけれど、同じ下北沢出身の2バンドは一緒にツアーを回ったこともあるくらいの仲なのだから。

そして渋谷のクアトロという、これ以上にない舞台が用意されている。チケットは取れた。当日まで本当に楽しみな気持ちしかなかった。

THE NOVEMBERSのライブに行くのは2019年振り。2020年のツアーが中止になり、なかなかライブに行くチャンスがなかった。だからこそより嬉しい。

今大好きなバンドが、ずっと大好きなバンドを呼んで対バンしてくれることが。

そして気になる存在だったCody・Lee(李)まで一緒に観れてしまうなんて。ユニゾン、本当に面白い対バンを組んでくれる。

何年振りかに訪れる渋谷クアトロ。ロッカーに荷物を入れて、番号が呼ばれるのを待つ。
ライブハウスの階段で番号を確認し合いながら待つこの時間すら懐かしい。

整理番号はあの邪魔な柱よりも前に行ける番号だった。多分前から6〜7列目くらい、少し上手寄りに陣取る。早く入った時のこの息苦しい待ち時間はこの対バンへの緊張感が勝って立っているのもしんどいくらいだった。倒れないようにひたすら開演の時を待つ。

1番手、Cody・Lee(李)。
曲は聴いていたけれどあのみんなで焼きそば(?)を食べているオフィシャルのアー写しか見ていなかったので、誰がどのパートなのかもわからない状態だった。
髪短い人いたっけ?と思いつつその人がコーディリーのギターボーカル、高橋響さんだった。メガネをかけて少し遠くから見ると松田龍平のような雰囲気がある(褒めすぎか?)、結構好きな感じである。
尾崎リノさんは耳がついたような可愛いニット帽を被っていて歌声もニコニコしている姿も可愛らしい人。ギターの力毅さんは目鼻立ちがハッキリしていて少し長い髪をハーフアップにしていて服の感じといい王子様のよう。あんまり客席をしっかり見ない人。
ベースのニシマケイさんも髪が長くて素敵。前に4人がずらっと並んで、後ろにドラムの原さん。私の位置からはリノさんと原さんがちょうど見えなかった。着ている服を見るとオシャレなんだけどみんな意外とバラバラの嗜好で不思議。
ギターが3本鳴っているので音の厚みもあるし、たまに入るリノさんの歌声が柔らかくて心地良い。自然と踊りたくなるようなリズム感のある曲にただ身を任せて聴いていた。

1度目のMCで高橋さんがリハーサルを見てユニゾンは演奏が上手すぎるという話をしていた(嬉しい)。
ガールズバンドパーティ!というゲームでユニゾンはハードモードで25と言っていた(とにかく難しいらしい)。妹が音ゲー得意だけれどユニゾンは無理、共演NGだそう。
その後、お風呂の曲やります!と言ってDance風呂a!へ。この曲好き。

2度目のMCでTHE NOVEMBERSが大好きだというニシマケイさんも話す。7、8年前にノベンバのO-nestのライブに行った時に買ったTシャツを着ていて、ずっと着ているから毛玉が凄いけど好きだからずっと着ている、と言っていて私もこの日10年前に買ったノベンバのTシャツを着て行ったので親近感が湧いた。
裏で挨拶したけれど好きすぎて殆ど喋れなかったと言っていた。高橋さんもその気持ちわかる、と。私もわかる。

最後のWhen I was cityboyが全然違う雰囲気の曲で驚くと同時に、力毅さんが髪を下ろしてかなり激しく動いてギターを弾く姿にも驚いた。高橋さんもメガネを外していた。それまでの踊れるロックとは全然違う一面も持っているのだと気付かされた。中々面白いバンド、もっと観てみたくなった。

Cody・Lee(李) セットリスト

1. 悶々
2. 我愛你
3. Dance風呂a!
4. 世田谷代田
5. LOVE SONG
6. When I was cityboy

2番手、THE NOVEMBERS。
サウンドチェックで全員出てきて、その姿を見るだけで何となく目頭が熱くなった。久しぶりにあの爆音を体感出来るのかと思うとそれだけで胸が熱い。ライブを全然観れていないので忘れてしまったが登場のSEも変わっていたような気がした。
ちょうどギターボーカルの小林さんと前の人が被って見えない。「THE NOVEMBERS始めます」と言って始まったHallelujah、久しぶりに聴く懐かしく優しい音。ベースの高松さんのコーラスがとても良く聴こえるのだけれど、小林さんのマイクの調子が悪いのか歌声があまりよく聴こえない時があった。

そしてMC。普段は殆ど喋らないノベンバが、珍しいと思った。
小林「少し喋らせて下さい」と言って話し始めたのが、ユニゾンとノーベンバーズは20歳の頃から友達でよく下北沢のライブハウスで一緒にライブしていたけれど、その頃から他とは違っていた。他のバンドが生まれたり消えていったりする中でユニゾンはずっと芯がブレない、というような内容の話。ノーベンバーズも譲れないことを貫いてきたと。そしてこの場に俺たちを呼んでくれたことを誇りに思います、と言っていた。アンプの調子が悪かったから話してくれたのかな、と思ったけれどとても嬉しい時間だった。

「風という曲をやります」と言った小林さん。ノベンバの曲の中でも明るくアップテンポな曲である風がここで聴けるのが嬉しい。ケンゴが身体を大きく揺らしながらギターを弾く姿を久しぶりに観てそうだった、とノベンバのライブの感覚が戻ってくる。同期の音が流れ、Rainbowが始まる。「いつもここが始まりさ」という歌詞がこの対バンの為に歌われたような気がして胸が熱くなった。
高松さんが涼しい顔をしながら弾く激しいベースで一気に空気が変わる1000年、小林さんのシャウトがカッコいい。全身でこの爆音を浴びることが出来るのはノベンバのライブの醍醐味のひとつ。ノベンバならではの二面性。ここからは攻撃的な一面を見せる。
dysphoriaで吉木さんの力強いドラムが響き渡り、妖艶なギターの音が会場を飲み込む。その不穏な空気をそのままに始まったノベンバの代表曲、こわれる。何回聴いてもカッコいいし聴くたびに変化していく小林さんの歌い方に痺れる。ずっとブレない芯を持ったバンドが今歌うからこそ意味がある。そんな強い意志を感じた。激しくギターを掻き鳴らす小林さんは私にとっていつだってロックスターだった。

BAD DREAMでマイクを手に持った小林さんに対してギターもベースもドラムも更に激しく音をぶつけていく。そんな姿が美しく見える不思議なバンド。ノベンバも決して客を煽ったりはしない。ただその音に身体を任せたり、ふと気付いたら拳を挙げている、それでいいのだと教えてくれる。

そしてラストの曲が黒い虹だった。これは正直驚いた。ノベンバのこれまでのライブでは比較的ラストはバラードで締めることが多かったからだ。きっと深い意味があるのだろう。
「幕が 上がり 目覚める 始まる 動き出す 溢れ出す これが 合図だ」
この小林さんのシャウトとケンゴ、高松さん、吉木さんがそれぞれ頭を振り乱し激しく身体を揺らしながら演奏する姿、次に出てくるユニゾンに対しての強すぎるメッセージのように見えた。

やはりTHE NOVEMBERSは凄かった。
全身に爆音を打ち付けられて、暫く放心状態になった。最高だ。

THE NOVEMBERS セットリスト

1.Hallelujah
2.風
3.Rainbow
4.1000年
5.dysphoria
6.こわれる
7.BAD DREAM
8.黒い虹


そして今回の対バンの主催者であるUNISON SQUARE GARDEN。

絵の具が流れ、下手後方の扉から貴雄、田淵、斎藤くんの順にいつも通りに出てきただけなのに、ステージの狭さとステージまでの近さで再び緊張する。
ほぼ目線の正面に斎藤くんがいる。
田淵もよく見えるが、貴雄はやはり全然見えない。

すると貴雄がドラムを叩き始めるとそのリズムに聴き覚えがあるような気がした。そして聴いたことのあるリズムにスッと入ってくる田淵のベース、等身大の地球だ。
ずっと生で聴きたかった大好きな曲。ここで、1曲目でこの曲が聴ける喜び。イントロの手拍子まであまりの驚きと嬉しさで身体が硬直してしまった。
少し昔の曲も何曲かやってくれるのか期待はしていたが、1曲目から最高だ。狭いフロアにひしめき合う客、斎藤くんも最初からニコニコしているのがわかる。

そして続けてアトラクションがはじまるでフロアは一斉にジャンプ。コロナ禍で参加したライブの中でもかなり密ではあるが、まだジャンプする余裕がある。斎藤くんは途中ギターを弾きながらほっぺたをふくらませていて可愛らしい。全ての音がダイレクトに身体に伝わってきて、とにかく楽しい。「ようこそ」があったのかなかったのかも覚えていないくらいには。

そしてまたシームレスに始まるカオスが極まる、もう前の曲から自然に繋げるのがめちゃくちゃ違和感なくて凄い。カオスが極まるに関しては同期の雰囲気からも大きい会場が似合う曲だとは思うが、この規模のライブハウスで鳴る音がとにかくカッコ良くてひたすらに身体が動いた。この痺れるような感覚は久しぶりだ。

ここで斎藤くんのMC。
VGという企画についての話。お世話になっているVINTAGE ROCKというライブ制作会社と一緒に立ち上げた。対バンしちゃだめみたいな雰囲気の中で、それでもカッコいいバンドは出てくるし対バンしたい!ということで助けてもらった、というような内容。
VGというのはVINTAGE ROCKのVとUNISON SQUARE GARDENの何故かGを取ってVGらしい。

斎藤くんは黒地にワインレッドのシャツ、田淵はひまわりが大きく描かれたライトグレーのTシャツ(首回り切ってない)、貴雄は白セット。

田淵が少しベースを弾いてからイントロのベースを響かせたHatch I need。相変わらず斎藤くんの手癖も強めな歌い方もライブハウスだと更にキレが増していて目が離せない。2Aで見せた右手を柔らかく丸めながらも強めに歌っている姿が印象に残っている。

そしてアルバム「Patrick Vegee」の流れをそのままにマーメイドスキャンダラスへ。凄く不思議だったのだけれどHatch I needが終わる直前にマーメイドスキャンダラスが始まるような予感がした。あまり照明を気にする余裕はなかったけれど、ここで一気に照明の色がブルーとピンクに変わる瞬間はとても好き。やはりこの2曲の繋がりは最強だと思う。サビの高音がなかなかキツそうだった斎藤くん、2A〜2Bの辺りで右のイヤモニを激しく外していた。久しぶりに貴雄のスーパードラムを聴いたけれど、本当に凄すぎて何も言えない。

そして忘れもしない、Revival Tour "Spring Spring Spring"で付け加えられていたアレンジから始まったマスターボリューム。かなり勝手ながら私にとって特別なこの日にこの大好きな曲が聴ける喜びから自然と両手で顔を覆ってしまった。嬉しかった。間奏では貴雄の方を向いてリズムを取る斎藤くん。かなり汗をかいている斎藤くんの少し分かれた前髪の隙間から見える目力の強さ、歌い方の強さ、ギターの音の強さ、全てがカッコ良かった。昔から変わってないカッコ良さと、今も更にカッコ良くなっているユニゾンがステージ上で共存しているようなそんな時間だった。

少し余韻を持たせて終わったところでその雰囲気を一気に変える同期の音。春が来てぼくらをここでやることに驚いた。先程外したイヤモニを丁寧につけ直す斎藤くん。田淵が目を大きく開けてニコニコしながら歌っている姿、とても近く感じる。ライブハウスに響き渡る温かいメロディーがこんなにも心地良いなんて思ってもみなかった。

そして貴雄が何かを叫んで始まったのがcrazy birthday。嬉しい、楽しい、最高!田淵は狭いステージを自由に動いているし元気にコーラスしている。「バカーーー!」もよく聴こえたところでギターソロで斎藤くんがセンターに出てくる。かなりギリギリまでセンターにいたので「ノーモアhappy birthday?」の冒頭に間に合わず。斎藤くん、最後の「We like happy birthday!」では両手を思いっきり広げていた。

おしまい、とややゆっくりとしっかりめに斎藤くんが言ったのはこれが「ラスト!」の代わりだったからなのかもしれない。23:25、このライブのラストを締め括るのにぴったりだと思った。途中、斎藤くんの左隣に来た田淵がずっと斎藤くんを見ていて気付いた斎藤くんも田淵を見ると田淵が本当に嬉しそうな顔をしていた。しばらくストーカーのようにその場を動かなかった田淵。
2サビの「浮かんでる〜」の部分を1サビの歌詞を歌って間違えてた斎藤くん、そこはちょうど田淵のハモリがないところだったのも奇跡だったけれどその後の「台本通りに〜」でちゃんと元に戻って田淵のハモリもぴったり、まさに台本通りで素晴らしかった。気付けば斎藤くんは確か両耳のイヤモニを外していた。
最後の「揺らいでる風景も七色のステージに変えて」で七色の照明で照らされるステージ、本当に素敵だった。

「UNISON SQUARE GARDENでしたバイバイ!」
斎藤くんがそう言ってすぐ田淵が瞬時に捌けて行ったのが見えた。早い。

アンコール。
割とすぐに再登場。まず斎藤くんが「暑いね〜」と言っていた。かなり汗だくだったのでステージも相当暑かったのだと思う。ふと田淵を見たらアンプにもたれかかって疲れ切った顔をしていた。もたれかかったまま水をごくごく飲んでいたけれど、斎藤くんも同じくらい水をごくごく飲んでいた。

斎藤「アンコールありがとう〜」
その後で今回の対バン相手の話を。
Cody・Lee(李)は音源をずっと聴いていてライブはどんな感じなのかと思っていた。今日観てより好きになった。
「コーディリーはTHE NOVEMBERSの方が好きかもしれないけど!(笑)皆さん、コーディリーはユニゾンスクエアガーデンが呼んだんですよ」と言っていた。
そしてTHE NOVEMBERSの話。Wikipediaにも書いてあるけれどノベンバのドラムの吉木さんと斎藤くんが同じ中学の同じクラスだったという話が聞けて嬉しかった。ノベンバのことを旧友と言っていて、ずっと変わらずカッコいいと言ってくれたことも。
また再び、同じステージでライブをしてくれたことに心から感謝。この素敵なイベントの記念すべき1回目のゲストがこの2バンドで本当に良かった。

ああ、フルカラープログラム…この曲がラストなのか。選曲が本当に最高だ。「1万年前から」で立ち上がって羽織りを脱ぎクルクルっと巻いてバサっと横に勢いよく投げる貴雄の姿が奇跡的に見えた。
途中、田淵が上手端ギリギリまで来ていたが何故か斎藤くんより田淵の方が圧倒的に近く感じる。柵に足を掛けて、思いっきりフロアを覗き込んでいたからだろうか。1人1人をしっかり見ながらキラッキラの笑顔を振り撒いて定位置に戻っていく。
斎藤くんは再びギターソロでセンターに出てくる。ラスサビでまた七色になるステージ。最後、3人が笑顔で向かい合って最後の音を鳴らすまでその姿を目に焼き付けた。
やっぱりユニゾンのライブはこうやってみんな笑顔で終わるのがとてもいいな、と改めて思った。

斎藤「UNISON SQUARE GARDENでしたまたね!」
先日のfiesta in chaos追加公演、東京ガーデンシアターで久しぶりに斎藤くんの「またね!」を聞いた。ここでもまた聞けて嬉しかった。

何故か貴雄がシャーンとシンバルを鳴らしてから捌けて行った。少し笑いが起こる会場。

終わってから暫くその場から動けなかった。3バンドとも、凄いライブをしていた。VGというイベントが最高だということ、やはり対バンは特別で、ワンマンとは違ったライブが楽しめるということ。
もっと対バンライブの楽しさが伝わったら良い、私もそう思う。

ライブが終わった翌日、THE NOVEMBERSの小林さんが凄く素敵なツイートをしていた。

“The Novembersギグ初めありがとうございました!16.7年来の盟友ユニゾンの企画でした。イントロが鳴った瞬間“あの頃”に引き戻されながらも、間違いなく今のユニゾンで胸がギュッとなりました。曲を過去に置き去りにしないで、本当の意味で未来に連れてくるのは愛や信念がいるから。
また未来でいつか!”
ーYUSUKE KOBAYASHI @Pale_im_Pelz

こんな言葉、盟友じゃなければ出てこない。ノベンバもユニゾンと同じく曲に愛や信念を持ったバンド。だからこそこの言葉が響く。

この「VG」がずっと愛されるイベントになり、続いていきますように。素敵な夜をありがとう。

2023.1.18 渋谷CLUB QUATTRO
セットリスト

1.等身大の地球
2.アトラクションがはじまる (they call it "NO.6")
3.カオスが極まる
4.Hatch I need
5.マーメイドスキャンダラス
6.マスターボリューム
7.春が来てぼくら
8.crazy birthday
9.23:25

EN
10.フルカラープログラム

「スキ」は書くための原動力になっています。良ければ♡押してください。読んでくださりありがとうございます。(サポートは不要です)