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2023年4月16日 TOUR 2023 "Ninth Peel" 千葉県 森のホール21


つい先日、ユニゾンの9枚目のアルバム「Ninth Peel」が発売されたばかり。そしてその週末からNinth Peelを引っ提げたツアーが始まる。

初日の千葉公演に参加することが出来た。
アルバムの曲が初めてライブで聴けるという嬉しさと、このアルバムに対してどんなセットリストを田淵が組んだのかという期待と、とにかくユニゾンのライブが観たくて楽しみな気持ちでいっぱいだった。
席は一階の半分より後ろのセンターブロック。ステージ全体が見える良い席。
ツアー初日に参加した感想を少し書き残しておく。

まだツアーは始まったばかりなので、セトリや演出などのネタバレを避けたい方はこの先見ないことをおすすめします。










恒例になったVINTAGE ROCK若林さんの影アナが流れると、すぐに暗転する会場。青い照明と絵の具が流れるとメンバーが登場。
流れていた絵の具が突然止まり、一瞬静まり返った会場に
“さよなら街灯り、ずっと愛してたよ”
と斎藤くんの弾き語りから始まったのは夢が覚めたら(at that river)。また聴ける日がこんな早く来るとは思わず驚いてしまった。とても嬉しい。優しくもちょっと切ない空気が会場を包み込んだ所で、曲の終わりに斎藤くんが「ユニゾンスクエアガーデンです、ようこそ!」と言って始まった次の曲がシュガーソングとビターステップでまた驚く。この曲が2曲目だとは。まだアルバム曲を出さないところがちょっと憎い。田淵は目を見開いて客席をあちこち見ている。しかし恒例の“蓋然性合理主義”ポーズをやっていなかったのが意外だった。

ステージが明るくなって斎藤くんが新シャツであることを確信する。白地に白い襟、胸元の辺りが逆三角形で色が変わっているデザイン。説明が難しい。
田淵はグッズのApple Peel Tシャツに、靴が白っぽいブーツに変わっていた。
貴雄はいつもの白セットで、前髪を上げてて最高にカッコいい。

アルバム曲で1番最初に演奏されたのがミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂだった。このタイミングでステージバックのNinth Peelロゴが光り始める。わかってはいたけれどかなり楽しい。続けてNihil Pip Viperは照明がかなりカラフル。今回は色がミックスされたスポットライトが多用されている。そしてとても楽しい。曲終わりに斎藤くんが「千葉、最後までよろしく!」と言ってブレイクへ。

少しして始まったのがCity peel。何となくもう少し後半で披露されるかと勝手に思っていたので不意をつかれた気分。爽やかな水色の照明が綺麗。斎藤くんはしっとりと歌っていて気持ちよさそうな感じだし、ギターソロがとても心地良い。曲終わりに田淵を照らしていたピンクと緑がミックスされたスポットライトがそのまま残り、静謐甘美秋暮抒情が始まるとイントロの印象的なベースの部分でそのスポットライトが消える。ここで聴けてしまうのか、という嬉しさとまた景色が思い浮かぶような曲の並びに顔が綻んだ。

暗めのステージで斎藤くんが弾き始めたのがWINDOW開けるのイントロで震えた。貴雄のドラムは少しアレンジされていたような気がする。サビでは後ろから白い光が向けられる。そしてギターソロでは一気に赤い照明が入るのが印象的だった。“俺はそんなに厳しくないぞ ならば”の歌い方がこの日1番印象に残っている。とても強く今までに聴いたことのない歌声が会場に響いていた。衝撃が走った。
更に続けてシューゲイザースピーカーと大好きな曲が続いて嬉しくてガッツポーズしてしまった。本当にカッコよくてステージに釘付けだったので記憶が薄いのが悔しい。Ninth Peelのツアーだけれども既存曲を沢山聴けるのはとても嬉しい。
そしてアルバム収録曲のアンチ・トレンディ・クラブへ。始まりもカッコよくてドキドキした。斎藤くんと田淵の“Foo〜”が予想以上に良い。そして直立不動で歌う斎藤くんが弾くギターが凄すぎる。手の動きが本当に信じられない動きをしながら歌っているのが凄すぎる。この曲はライブで体感すると更に好きになった。
そしてまだこのゾーンの流れは止まらない。MIDNIGHT JUNGLEが始まると後方からのスモークで貴雄が見えなくなる。それにしてもめちゃくちゃ楽しくて最高。MODE MOOD MODEは特別に好きなアルバムなので収録曲が多く聴けて更に嬉しい。
斎藤くんが「Phantom Joke」とまさかの曲名を自然にコール。大好きな曲なのでここでも嬉しさが爆発。久しぶりに聴けて嬉しかったし相変わらずカッコいい。田淵がドラム台に乗り貴雄と向き合う。Patrick Vegeeのツアーの時のようにアウトロに余韻があってメンバーが向き合って音を合わせて終わった瞬間に暗転する演出。この中盤の締めのような位置で久しぶりに演奏されたPhantom Jokeは間違いなくユニゾンの代表曲だよな、と改めて感じた。

ここまでブレイクなくぶっ続けだったことにも驚き。気になったのは貴雄のドラムのトラブルが多かったこと。近づいてきたスタッフに指示を出したり袖のスタッフに手で合図したりするシーンが多かった。

少し長めにブレイクを取った後、セッションが始まる。続けて演奏されたのがNumbness like a ginger。ピアノの同期音無しの3人だけのライブバージョンもまた良い。何となくだけれど、浸れる曲が多い気がする。
この日1番驚いたのが次の曲だ。2019年のProgram 15thで初披露されてもう二度とやらないと思っていた曲、お人好しカメレオン。予想外過ぎて目頭が熱くなる。田淵は何を考えてこの曲をセットリストに入れたのだろうか。そんな田淵を見ると、曲中で笑っているのを見逃さなかった。してやったり、という顔だろうか。
本当に、本当に嬉しかった。この曲のファンは沢山いて、聴きたいと願っている人が沢山いるのだから。

水色のスポットライトが貴雄を照らすとドラムソロが始まる。短い時間の中で激しくドラムを叩くことに徹する貴雄の姿はやはりかっこいい。少しドラムの音が弱まった所で会場からは歓声と拍手が。声出しがOKになったけれどメンバーコールなどをする客はいなくて、こういう感情が昂った歓声を再び貴雄に届けられるのはとてもいいな、と思った。後半はめちゃくちゃ雄叫びをしていた貴雄。そしてセッションへと続く。
斎藤くんは上手前方に出ていきギターを掻き鳴らす。そして始まったのがスペースシャトル・ララバイ。アルバムの1曲目を後半に持ってくるのがとても面白いし、ここでステージバックのNinth Peelのロゴの上に今回のグッズにも使われているマークが降りてくる。斎藤くんが笑顔で歌っている姿が見えた。田淵も上手に行ったり下手に移動して前方でしゃがんでベースを弾いたり、しゃがみながら両手でガッツポーズをしたりしていた。
続けてこちらもまさかの放課後マリアージュ。歌い出しで斎藤くんが田淵を見ながら一瞬歌が止まったけれどそのまま継続。何かあったのか気になる。田淵は全然気付いていなくて笑顔であちこちを見ているし、楽しそう。
貴雄がヘッドホンを付けたので次の曲が気になる。始まったのは徹頭徹尾夜な夜なドライブ。最初の間奏で斎藤くんがやや仰け反り頭を振りながらギターを弾いている姿がカッコよかった。相変わらず田淵の足、めちゃくちゃ上がる。斎藤くんはギターソロでセンターへ出てきて“イェイイェイ…”まではギターに専念していた。それにしてもこの曲の照明が結構眩しかった。
その熱い流れのままカオスが極まるへ。客席からは待っていたかのような歓声が上がる。貴雄の手の動きが早すぎて見えない。“抉られるくらいわけないぜ 君はどうだ?”の“君”のタイミングでスティックを客席へ真っ直ぐ向けていた。そして全てがカッコいい、最高。

斎藤「ラスト!」と言って始まったのが恋する惑星。もうラストなのか…としんみりさせる時間はなく、ステージバックには左右からユニゾンのロゴ、上からは猫・13時を指した時計・楽譜の一部(歌?)が向かって左側に、右側には皮が剥きかけのリンゴ・9th・そして謎の19の文字が出てくる(ネオンサインのよう)。左側のモチーフはCity peelの歌詞に出てくるものかと思うが、一気に華やかになりすぎたステージにやや混乱する。19は今年バンド結成19年だからだと思うが、ここでのアピールに少し驚く。それにしてもこの曲は本当に楽しい。アルバムのラスト曲ではなくリード曲で締めるという新しさもあったし、会場が楽しい空気に包まれて最高のラストだった。アウトロで斎藤くんが田淵をじっと見ていたのに田淵はベースに夢中で全然斎藤くんの視線に気付いていなかったのが残念。“アイヤイヤー”のハイトーンの田淵の歌声に被せた斎藤くんのコーラス(下ハモリ)の声が凄く良くて好き。
斎藤「ユニゾンスクエアガーデンでしたバイバイ!」メンバーが捌けていく。

とにかくあっという間だったけれど濃すぎるライブの内容に頭がついていかずに椅子に座ってすぐ、ステージライトが再び点きメンバーが出てくる。斎藤くんは小走りで。それにしても早い。

斎藤「おまけ!」と言ってすぐ始まったのはガリレオのショーケース。久しぶりでめちゃくちゃ嬉しい。貴雄がサビでいつもスティック回す所、客席に向けてスティックをビシッと向ける動きをしていた。ギターソロで下手端へ向かい田淵の前に出た斎藤くん、すると後ろに田淵が背後霊のように佇む。斎藤くんが定位置に戻ると田淵もついてきてしゃがみ込み、手でギターのアームを上に上げたり下げたり勝手に触っていた。間奏では斎藤くんと田淵がドラム台に乗り、3人が向かい合っている姿が見れてとても嬉しかった。
“が、そう“でジャンプするのも楽しかったし、ここで声を出した人も勿論多かったと思う。

ラストはkaleido proud fiesta。“かくしてまたストーリーは始まる”という斎藤くんの歌からイントロが流れると会場は本当に幸せに包まれたような空気になった。斎藤くんは1Aですぐに右のイヤモニを外したように見えた。
テンションが上がりすぎた田淵、ずっとニコニコしていたし見ているだけでこちらまでどんどん楽しくなる。3人とも本当に良い表情をしている。やはりアルバムツアーは特別だ。

最後に斎藤くんが「またね。」と言ってライブは終わった。田淵は比較的早く捌けていった。斎藤くんはいつものように手を振りながら、貴雄はピースをしながら前方へ出てきて、最後は手をパーに開いて捌けていった。

好きな曲ばかり、聴きたかった曲が沢山。そして予想外のセットリストの組み方、思い返せば思い返すほど一体どうしてこうなった?と不思議な感覚になるセットリスト。

Ninth Peelに収録された強いシングル2曲を敢えて後半に持ってくる潔さと、既存曲の選曲が絶妙。Ninth Peelに合いそうなあの曲はやるだろうか?と予想をしてみたりしたが、全くもって大外れ。こっちの予想なんて目に見えてるんだよ、と言わんばかりに田淵の手の内で転がされているような気分だ。

だからユニゾンのライブは楽しい!

そしてNinth Peelの曲たちは鮮やかにライブで解き放たれて、更に輝きを増して聴こえたしこれから何回も演奏されることでもっと磨かれていくのだろう。楽しみだ。

2023.4.16  千葉県 森のホール21
セットリスト

1. 夢が覚めたら(at that river)
2.シュガーソングとビターステップ
3.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ
4.Nihil Pip Viper
5.City peel
6.静謐甘美秋暮抒情
7.WINDOW開ける
8.シューゲイザースピーカー
9.アンチ・トレンディ・クラブ
10.MIDNIGHT JUNGLE
11.Phantom Joke
12.Numbness like a ginger
13.お人好しカメレオン
 ドラムソロ〜セッション
14.スペースシャトル・ララバイ
15.放課後マリアージュ
16.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
17.カオスが極まる
18.恋する惑星

おまけ
19.ガリレオのショーケース
20.kaleido proud fiesta

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