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シリーズポエム「天(あまつ)」第2章

第2章「天井」2018.01.19

大人になると何をやっても天井が低く感じてしまうがそれは違う。早く高い天井に届くところへ行くようにと社会が焦らせるから。
中には限りない天井を見つけている人はいるだろうが、多くのみんなはどの天井も低いままなのに、それを求められるから自分の行きたい、行くべき天井がどこかわからなくて彷徨う。最低限の天井が見込めればそこに椅子取りゲームのように群がる。
置いてかれた人たちは微かな光の見える天井を見つけては、そこへ目指して走り出す。
あれよあれよとしている間に自分が何者か見失う者がいる。気づけば周りの人は各々の天井を目指して走っていた。
自分にはどの天井も低く見えて次第に床と天井がくっつきそうになっている。
もはや横たわっているしか自分にできることはないような気がして、その中でできることも限られて来て……
仮に自分が死んだらこの床と天井はくっつくんだろうか?そんなことを考え始めたり、自分の世界はいつからこんなに狭くなってしまったのかと過去を振り返って見たりする。
終わりはゆっくりと自分を迎えているような気がするからゆっくりと自分もその手を伸ばしてみる。

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