提案資料のパワーポイントテンプレートを作った話
こんにちは。あしたのチームでコミュニケーションデザイナーをしている木村可那子です。
最近、急に暑くなりましたね。我が家の猫もたまに溶けています。
今回はインハウスならではのデザイナーの取り組みについて書きたいと思います。
スタートアップやベンチャーのデザイナーの方が少しでも参考してくださると嬉しいです。
弊社にデザイン機能ができたのは2018年の4月。
つまり、私たちは「課題しかないし、やりたいことや改善したいことが山程ある」という状態です。
あれこもこれもしたいけど、時間がぜんぜん足りません。
10周年を記念してロゴのリニューアルをし、VIを整えたとは言え、ブランディング施策にいたってはインナーブランディングもまだまだ発展途上。
とくに、ノンデザイナーである営業の方々がつくるパワーポイントの資料はVI準拠も何もない、まさにパンドラの箱でした。
たとえば…
ロゴが古いまま
コーポレートカラーとかけ離れた色で資料をつくる
画像の著作権を理解しないまま、レンポジ画像を使ってしまう
一言、やばい。
のですが、インナーブランディングは長い時間をかけて行うものです。
現状で走っている施策と並行して、できるところから取り組みをしないといけません。
そこで、私たちデザイン事業部は提案資料を整えてテンプレート化し、なぜこのようなプロジェクトを進めたいのかを全社員の方に説明する会を設けることを提案しました。
まず、「統一されたデザイン・印象が企業にもたらす効果」を理解してもらうためにブランディングについて説明した資料を用意しました。
ブランディングとは「ユーザーからどう見られたいのか」を育てること、広告や商材で質の高いコミュニケーションを提供することが
ファンになってくれる顧客を生み続けた結果、おのずと認知度が上がる=企業価値が上がり続ける
ということを理解してもらい、パワーポイントの資料ひとつであってもイメージの統一がなされていることは重要であると説明した上で、パワーポイント資料のテンプレートを作ったので使ってくださいね…という流れです。
まず、パワーポイント資料で「きれいに作るためには」というレギュレーションを決めました。その上で、見せ方に迷うようであればデザイナーまで相談して下さいと付け加えています。「そうは言ってもわからない」という社員の方は必ずいると思い、レギュレーションのハードルを下げることで、デザインを気軽に社員の方が考えられるようにしました。
そして、見出しを定義し、WEBデザインでよく作られている「モジュールリスト」のようなものを作成しました。
この資料のポイントは「見出しの使い方」をわかりやすく説明したことです。
見出しの使い方を文章で解説し、使い所をレクチャーしました。
Webで言うところの、h1〜h5を定義したことになります。
この資料では「リンゴについて」を説明すると定義し、見出しのレベルを下げながら情報を整理整頓することで見やすくてわかりやすい資料になります…と説明しました。
はじめ、見出しだけを整えたパワーポイントを作ったのですが、インハウス経験の長い鈴木さん(@ys_ashita_ddiv)から「これじゃ見出しの使い方をわかってもらえないよ」と指摘をされました。
「見出しの使い方がわからないとはなんぞ?」と混乱したのですが、ノンデザイナーの方はそもそも「文章を整理して、プライオリティをつけ、整える」という作業が「なぜ必要なのか」まで理解ができていない。
感覚で「これは大事そう」だとか「読んでほしいし、何でもいいから目立つ色を使おう」という風に思考が流れて行ってしまうんですね。
私たちデザイナーはまず、プレーンなテキストを見やすく整えなさいと言われたときに前提としていろいろと整理をします。
使う色は何色か(色彩設計や色彩心理学も考えながら)
この文章の中でいちばん大切なポイント・伝えたいところはどこか
どのようにこの文章を分解して、並べれば見やすくなるのか
そのために、見出しを定義してコンテンツを分け、視線の流れを考えながら配置をします。「なんか、いい感じだね!」というのはつまり、「すっと内容が伝わって来る」ことなのだと思います。
すっと内容が伝わる文章=内容が整理された文章です。
それがわからないと、きれいに整えられたものだけを見ても「なんか、いい感じだね!」で終わってしまい、なぜ良いのかまで理解できません。
とは言え、ノンデザイナーの方に私たちが日々仕事でやっていることを要求するのは畑が違います。なので、せめて見出しレベルの大切さだけでも理解してほしかったのです。見出しレベルがわかっていたら、ある程度プライオリティをつけ、コンテンツを区切ることができ、資料がわかりやすくなるからです。
新人だったころ、上司や先輩から「見出しは強弱だ!」と叩き込まれたWebデザイナーは私だけではないはずです。そもそもマークアップにh要素があるんで、htmlを理解するときに自然と見出しレベルを身につけている。
情報整理をしなければいけない、グラフィック出身のデザイナーもそうだと思います。
「なんか、いい感じだね!」の裏側を理解しないことには作れないのは当たり前のことで、説明会の後には社員の方から「色や見出しの使い方に迷っていたので、助かりました」という声も多数頂きました。
デザイナーが当たり前にやっていることって日々の反復であったり、経験によるところが大きいと思います。
なので、あらためて「自分のナレッジをどう相手に共有するのか」を棚卸しすることで、パワーポイント資料ひとつであってもインハウスのデザイナーの価値って高まるのかもしれません。
今回はインハウスならではのデザイナーの取り組みについて書きたいと思います。
スタートアップやベンチャーのデザイナーの方が少しでも参考してくださると嬉しいです。
弊社にデザイン機能ができたのは2018年の4月。
つまり、私たちは「課題しかないし、やりたいことや改善したいことが山程ある」という状態です。
あれこもこれもしたいけど、時間がぜんぜん足りません。
10周年を記念してロゴのリニューアルをし、VIを整えたとは言え、ブランディング施策にいたってはインナーブランディングもまだまだ発展途上。
とくに、ノンデザイナーである営業の方々がつくるパワーポイントの資料はVI準拠も何もない、まさにパンドラの箱でした。
たとえば…
ロゴが古いまま
コーポレートカラーとかけ離れた色で資料をつくる
画像の著作権を理解しないまま、レンポジ画像を使ってしまう
一言、やばい。
のですが、インナーブランディングは長い時間をかけて行うものです。
現状で走っている施策と並行して、できるところから取り組みをしないといけません。
そこで、私たちデザイン事業部は提案資料を整えてテンプレート化し、なぜこのようなプロジェクトを進めたいのかを全社員の方に説明する会を設けることを提案しました。
まず、「統一されたデザイン・印象が企業にもたらす効果」を理解してもらうためにブランディングについて説明した資料を用意しました。
ブランディングとは「ユーザーからどう見られたいのか」を育てること、広告や商材で質の高いコミュニケーションを提供することが
ファンになってくれる顧客を生み続けた結果、おのずと認知度が上がる=企業価値が上がり続ける
ということを理解してもらい、パワーポイントの資料ひとつであってもイメージの統一がなされていることは重要であると説明した上で、パワーポイント資料のテンプレートを作ったので使ってくださいね…という流れです。
まず、パワーポイント資料で「きれいに作るためには」というレギュレーションを決めました。その上で、見せ方に迷うようであればデザイナーまで相談して下さいと付け加えています。「そうは言ってもわからない」という社員の方は必ずいると思い、レギュレーションのハードルを下げることで、デザインを気軽に社員の方が考えられるようにしました。
そして、見出しを定義し、WEBデザインでよく作られている「モジュールリスト」のようなものを作成しました。
この資料のポイントは「見出しの使い方」をわかりやすく説明したことです。
見出しの使い方を文章で解説し、使い所をレクチャーしました。
Webで言うところの、h1〜h5を定義したことになります。
この資料では「リンゴについて」を説明すると定義し、見出しのレベルを下げながら情報を整理整頓することで見やすくてわかりやすい資料になります…と説明しました。
はじめ、見出しだけを整えたパワーポイントを作ったのですが、インハウス経験の長い鈴木さん(@ys_ashita_ddiv)から「これじゃ見出しの使い方をわかってもらえないよ」と指摘をされました。
「見出しの使い方がわからないとはなんぞ?」と混乱したのですが、ノンデザイナーの方はそもそも「文章を整理して、プライオリティをつけ、整える」という作業が「なぜ必要なのか」まで理解ができていない。
感覚で「これは大事そう」だとか「読んでほしいし、何でもいいから目立つ色を使おう」という風に思考が流れて行ってしまうんですね。
私たちデザイナーはまず、プレーンなテキストを見やすく整えなさいと言われたときに前提としていろいろと整理をします。
使う色は何色か(色彩設計や色彩心理学も考えながら)
この文章の中でいちばん大切なポイント・伝えたいところはどこか
どのようにこの文章を分解して、並べれば見やすくなるのか
そのために、見出しを定義してコンテンツを分け、視線の流れを考えながら配置をします。「なんか、いい感じだね!」というのはつまり、「すっと内容が伝わって来る」ことなのだと思います。
すっと内容が伝わる文章=内容が整理された文章です。
それがわからないと、きれいに整えられたものだけを見ても「なんか、いい感じだね!」で終わってしまい、なぜ良いのかまで理解できません。
とは言え、ノンデザイナーの方に私たちが日々仕事でやっていることを要求するのは畑が違います。なので、せめて見出しレベルの大切さだけでも理解してほしかったのです。見出しレベルがわかっていたら、ある程度プライオリティをつけ、コンテンツを区切ることができ、資料がわかりやすくなるからです。
新人だったころ、上司や先輩から「見出しは強弱だ!」と叩き込まれたWebデザイナーは私だけではないはずです。そもそもマークアップにh要素があるんで、htmlを理解するときに自然と見出しレベルを身につけている。
情報整理をしなければいけない、グラフィック出身のデザイナーもそうだと思います。
「なんか、いい感じだね!」の裏側を理解しないことには作れないのは当たり前のことで、説明会の後には社員の方から「色や見出しの使い方に迷っていたので、助かりました」という声も多数頂きました。
デザイナーが当たり前にやっていることって日々の反復であったり、経験によるところが大きいと思います。
なので、あらためて「自分のナレッジをどう相手に共有するのか」を棚卸しすることで、パワーポイント資料ひとつであってもインハウスのデザイナーの価値って高まるのかもしれません。
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