飛鳥井はる

日々の風景や出来事から、幸せや新たな発見を見つけるエッセイスト|「毎日、旅人として生きる」をテーマに、日記や悩みに寄り添う文章を書いています。 ライター兼ディレクター3年目。 好きな映画・本・音楽のレビュー、旅のことをメインに発信中。

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  • 旅ログ

    旅行好きのための情報。旬の観光スポットや隠れた名所ご紹介。自身のエピソードやリアルな感想を交えながら、ガイドブックには載らない情報をお届けします。

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全創作者に見てほしい!『ルックバック』映画レビュー

藤本タツキ先生の読切漫画『ルックバック』が映画化されたというニュースに心を躍らせたのは、私だけではないはず。 『チェンソーマン』で知られる彼の作品がスクリーンでどう描かれるのか、期待と興奮を抑えきれなかった。 上映初日、仕事が終わると同時に映画館へ走り込んだ私は、心のどこかで自分も主人公たちと一緒に「何か」を取り戻せる気がしていた。 物語の始まりは、小学4年生の藤野と、学校に通わず家で絵を描いている京本という少女の出会いからだ。 学年新聞に載せる4コマ漫画をきっかけに交わ

    • 【奈良の旅】狭井神社と大神神社で過ごす静寂のひととき

      山の気配に包まれて、大神神社へ 奈良を訪れたときのこと。 三輪駅で知人と会う予定があったのだが、到着までの6時間をどう過ごそうかと考えていた。 せっかくだから奈良らしい場所を巡りたいと思い、Googleマップで近くの神社を探してみると、「狭井神社(さいじんじゃ)」という名前が目に留まった。 正式には「狭井坐大神荒魂神社(さいにいますおおみわのあらみたまじんじゃ)」。 三輪山の荒魂を祀る神社で、病気平癒の神様として信仰が厚いという。さらに、春に行われる鎮花祭は「薬まつり」と

      • にゅうめんと姐さんバイカー『三輪そうめんが結ぶ旅の縁』

        腹ペコ新参者がたどり着いた三輪そうめんの老舗 大神神社に参拝したその日。 私は朝から本殿を巡り、摂社や末社もくまなく回っていた。 神域の静けさに癒されながらも、気づけば腹ペコ。 ふと目に入った「三輪そうめん」の看板があちこちに立っていることに気づき、これは運命だとばかりにそうめんを食べることに決めた。 大神神社のすぐ近くにある、地元で評判の「三輪そうめん」の老舗へ足を運ぶ。 行ったのはちょうどお昼時で、お店の前には名前を書く紙が設置されていた。次々と名前が埋まっていく中

        • 神に呼ばれないといけない『玉置神社』に行ってきた

          先日、奈良に行く用事ができたので、ずっと行きたかった『玉置神社』に行ってきました。 初めて『玉置神社』と聞いた人のために、簡単な説明をすると、 玉置神社は、奈良県の南部、熊野地方に位置する神社。 ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つで、 熊野三山の奥の院とも呼ばれている。 山奥にあるため、車は必須ですし、長い山道を行かないといけないので、 気軽に行ける場所ではありません。 正直に言うと、行こうと思わない限り、人が行かない場所にあります。 神様に呼ばれない

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          3本

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          『推し、燃ゆ』宇佐美りん・読書レビュー

          最近、私の推しがいろいろありすぎて、辛い時期がやっと終わったとき。 友人に勧められた本。宇佐美りん『推し、燃ゆ』 物語冒頭、主人公の推しがファンを殴ったことから始まる。 そう、推しのスキャンダルから始まる物語だ。 スキャンダルを起こした「人」ではなく、 その人を「推している人」にスポットライトが当たっている。 物語の王道だったら、スキャンダルの近くにいる人を主人公にするが、そうではない。 そのスキャンダルを起こした、人を推している人が主人公だ。 王道の物語ならモブになる

          『推し、燃ゆ』宇佐美りん・読書レビュー

          ココアに浮かぶマシュマロの愛しさよ

          肌寒い日が増えてくると、つい手に取りたくなるのがココア。 お湯でさっと溶かしただけでも美味しいけれど、私にとって特別な一杯には浮かぶマシュマロが欠かせない。 温かいココアの表面に、ふわりと浮かんだマシュマロ。 その姿を眺めていると、なぜだかとても愛おしい気持ちになる。 白いマシュマロがココアの上でぷかぷかと漂っている様子は、まるで小さな白い雲が夜空に浮かんでいるみたい。 ココアの香りがほのかに甘く立ち上り、その甘さに包まれるようにマシュマロが溶けていく様は、少し切なくて、

          ココアに浮かぶマシュマロの愛しさよ

          ショート・ショートで、異世界トリップ

          私はショートストーリーを読むのが好きで、よくショート・ショートを読んでいる。 ショートストーリーというのは、いわゆる超短編小説のことで、文字数もかなり短く、通常は数百字から数千字程度。 短いながらも意外性のある展開や、驚くような結末が用意されているのが魅力だ。 ただし、話の長さはコンパクトでも、読者を引き込む独特のアイデアやひねりが含まれており、一気に読み切れる作品が多い。 私は本の世界を『異世界』だと思っている。ページをめくるたび、そこには見たこともない日常が待ち構え

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          【MOROHA】聴くだけで、熱くなる!心揺さぶる楽曲レビュー

          MOROHAを聞いてみた 尊敬する人から、おすすめされた『MOROHA』 すんごく熱く語るので、帰り道で聞いてみた。 何の気に無しに電車ではなく、歩いて帰った。 そこで、一度後悔。 こんな歩いて、聞き流ししていい曲ではなかったから。 そのまま聴いたら、絶対また後悔するので、すぐに走って帰り、正座して聴き入った。 正直、暑苦しいしクサイ歌ばかり。 けど、そんな歌詞が、声が、ギターの音がいい。 そして、なんたって、 魂が燃え尽きるほどの叫びを感じた。 MOROHAの歌

          【MOROHA】聴くだけで、熱くなる!心揺さぶる楽曲レビュー

          どんぐりがコロコロする季節

          秋の午後、私は公園のベンチに座って空を見上げていました。 「ポトン」という音とともに、頭に何かが当たります。 そう、季節はどんぐりの季節。まるで私を狙い撃ちにしたかのような見事な命中率に、思わず苦笑してしまいます。 「どんぐりの季節になりましたね」などと、のんびりした言い方をしていますが、実はこの時期の公園は、なかなか危険な場所なのです。 上を向いて歩けば、澄んだ青空の下を次々と落下してくる茶色い小さな隕石たち。 下を向いて歩けば、ツルツルと転がる小さな球体が、まるでビ

          どんぐりがコロコロする季節

          街で出会う「稲荷神社の向こう側」

          朱色の鳥居の向こう側で境内の苔むした石段を一段一段上りながら、私は考えを巡らせています。 稲荷神社とは、日本人にとって何なのでしょうか。 全国に約三万社あるとされる稲荷神社。その数の多さは、日本の神社の中でも群を抜いています。 商売繁盛の神様として、街角の小さな祠から、伏見稲荷大社のような大規模な神社まで、実に様々な形で私たちの生活に寄り添ってきた存在。 真っ赤な鳥居をくぐるたび、なぜか心が躍ります。 それは私だけではないはずです。 稲荷神社には、他の神社にはない独

          街で出会う「稲荷神社の向こう側」

          オートミール日和

          朝の静けさに包まれたキッチンで、オートミールを手にすると、なんとも言えない優しさを感じます。 新しい一日を始めるにあたり、やかんの湯気が立ち、ふっくらと膨らんだオートミールの粒々が小さな弾ける音を立てながら、「おはよう」とささやきかけてくるようです。 もともとオートミールとの出会いは、健康志向の友人に勧められたのがきっかけでした。 「オートミール、いいよ。体に優しいし、食物繊維がたっぷりだからお腹の調子も整うし」 どこか真面目で味気ないイメージがあり、最初の印象は特に

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          金木犀と銀杏の香りで一丁前?

          秋の季節によるとショップでよく見る金木犀の香水。 今までどんな植物かも分からず、いつもこんないい匂いあるんだあと思っていました。 今でも、これはどこか遠い異国の匂いだろうなと思ってしまいます。 日常の草木にあるなんて思ってもいませんでした。 でも、上京してしばらくしたときに、あの香りに気付きました。 その衝撃たるはすごかったです。 この香ばしい??油っぽい?でもいい香りはなんぞやっと。 (共感する方がいたら、ぜひ言ってください。私と同類です!笑) その香りを探るため

          金木犀と銀杏の香りで一丁前?

          笑いってなに?

          実は、私は“笑い”について考えすぎて、笑いが分からない時期がありました。 そのせいで、心から笑うことができないことに悩んでいたときもあります。 もちろん、人に会って笑みを向けることは挨拶して当然やっているし、人との交流で笑顔が大事なのは知っています。 でも、漫才やコントを見て、面白くて爆笑するということはなかったんです。 今でも、面白いとは?っとふと考えることもあります。 感情がないわけではなくて、小さい頃から喜怒哀楽を出す人間だったと家族から聞いています。 だから、自

          笑いってなに?