見出し画像

#角野隼斗ツアー2024


⚠️【ネタバレ注意】⚠️ 
初日の仙台、所沢、上田と拝聴し、私の主観では呟いちゃいます。
根がヲタク気質なので、気になって、気になって💦
しかし、このお方の仕掛けや思いは簡単にわかる筈もなく、
明確にわかるものだけではないと思われるので、皆さんの気づきなども共有頂けるとありがたいです。 

at サントミューゼ(上田)



第1部

まず、初日の仙台と所沢、上田の変わったところ、、、
1部のイタリア協奏曲とK331の観客席の照明が緩和されたこと。
初めて仙台でこの楽曲を聴いた時、🎹を習っている子供達は楽譜を見ながら聴きたいだろうな
と思いました。多分そのような声が多かったのかな?楽譜が見える明るさになった。
粋な計らいだな~とほくそ笑んだ。
 
(昨年のReimagineの全国ツアーで、インベンションの楽譜を持っていた子供をミューザ川崎で見かけた。
しかし、川崎でのインベンション1番の演奏はテンポが速く、トリルもプロだからこそできる品物で
楽譜を見ながら聴けない、、、。しかしその後のコンサートからテンポが変わった!!
子供が楽譜で容易に追えるテンポになった。そしてトリルも演奏のお手本にできるトリルへと変わった。
流石にエゴサスキルもプロ級な角野さんだ、、、、。軌道修正をすぐしたところに感動したものだ。)
 

1.    イタリア協奏曲ヘ長調BWV971 - J.S.Bach


初めて仙台で聴いた際、1.2楽章は浮足立っていると思った。(珍しく上がっていると)
しかし3楽章になると落ち着きを取り戻したようだ。音の粒が均整よく整えられ、裏旋律がしっかり寄り添っているところなどは流石としか言いようがない。所沢と上田では、芯を捉え既に世界観を確立しているようだった。音色の美しさは勿論の事、この方は技術も卓越しているのだ。
ペダルは最小限に抑えられ、反復が心地よいバッハの世界に誘ってくださる。
グールド版を聴いていた私にとっては、より丁寧に繊細な音色を奏でていると思った(贔屓目ではなく)
根底の技術がしっかりしているからこそ、バッハが映えると改めて思う。
 

2.    ピアノソナタ第11番イ長調 K.331 - A.Mozart

まずこの楽曲の角野さんのこだわりポイントは2つ
①    1-3楽章と分かれたソナタだが、余計な間を入れずに1-3楽章を一つの楽曲のように繋げて演奏する。
②    リピート部分は同じ事を繰り返さない。必ずどこらかしら変えている。
それもあからさまに変えるのではなく、あの“戴冠式”のようにモーツァルトの世界観を壊さずにだ。微妙に毎回変えている💦お見事である。
 
1楽章―最初の出だしに拘りを感じました。
一音目に手を置く際に指が宙を少し泳ぐ。どのような音色にするかイメージトレーニングをしているようだ。
相当なこだわりを感じる。
リピートするフレーズが多いこの楽曲の1メロ(クラシックで何と言えば良いのだろう?)部分の原曲通り演奏する際の音色をとても愛おしそうに大切に奏でていると思った。
角野さんのキラーポイントである弱音の響きが特に際立っているのだ。
リピートする際は、同じ事を繰り返さない。まるでPenthouseの2メロ目は同じ事を繰り返さないに相通じるものがある。
この楽曲は、楽譜を見ながらリピートした際どこを変えているかチェックしながら聴きたい衝動に駆られる。
トリル、階段を早足で駆け降りるようなスケール、シンコペーションなど自由自在に演奏しているように見える。でも実際は計算しつくしているんだろうな。。。。って思う。やる事が粋すぎるのだ。
2楽章-間髪入れずに1楽章から繋がるので最初は戸惑った。
角野氏はこのソナタを一つの楽曲として捉えているのであろう。そう考えると2楽章は一つの楽曲の
展開部に位置するだろうな。1楽章と演奏スタイルを変えているように思える。躍動感が増す2楽章
 
3楽章(トルコ行進曲)―オリジナルに忠実に演奏される💦
私はファジルサイやヴォロドスが見え隠れすると踏んでいたので、驚いた。(恐らくこの後24の変奏曲があるから、対比のためにもオリジナルに忠実に演奏しているのであろう)
遊びのないトルコ行進曲を角野氏が演奏するのもとても新鮮に映る。
しかし、、、、所沢で最後の最後のモチーフにその後の24変奏の1短調のモチーフが見え隠れした
(完全2度の響きが見え隠れした。)
このさりげない遊びを取り入れる演奏が大好物である。
 まだ3回しか聴いていないが、ここまでで既に心は射貫かれる!!(チョロいファンなのだ)

3.24の調によるトルコ行進曲変奏曲 - Arr.角野隼斗

この曲を演奏する前に“24もの調が変わるのを自動の照明で表します。。。”とドヤ顔で言う
(会場からの歓声に毎回ニヤっとしている(笑)
実際は、照明のスタッフが曲を聴きながら、照明の色を変えていると。種明かしをする。
上田では、実はハ短調がズレて中々色が変わらなかった💦(お愛嬌って事で。。。)
最初のイ短調はハチャトリアンの”剣の舞”のような勇ましさを感じ、自然に調がどんどん転調していく。
転調しますよーーーって身構えずに自然に移行するアレンジに驚愕である。
天国と地獄を彷彿させるパートなども経て、中間部に入る。
 
この曲を初めて聴く前に、変ニ長調は特別なものになるだろうな、、、と察していた。(パガ狂の18変奏をオマージュして)
中間部、ハ短調になり→嬰ハ短調(変ニ短調)で地獄を表し、休符が入り。。。。。
アルペジオと共に美しいモチーフが響き、変ニ長調(天国を表現)に突入。
やるなーーーと思った。
3度聴いて、この部分はパガ狂にオマージュしていると確信している。
ハ短調(赤色)→嬰ハ短調(蒼色)→変ニ長調(紫色)なので、分かりやすいと思う。
 そしてJazzyやリベルタンゴのようなピアソラもどきが畳みかけてきて、CODAまで一気に駆け上る!!
ここで一部終了。既に満足している。 

第2部

そして第2部。前回のReimgeine同様、ステージ衣装も変わる。
1部は白シャツに蝶ネクタイ、ビロードのジャケットと王子様的ですが、
2部は黒シャツにタイなしで登場。
 
2部はオケ曲を鍵盤だけで表現するのがコンセプトなそうな。
ステージ上には昨年Reimgeineで大活躍したアップライトとチェレスタ、トイピアノ、ハーモニカに
要塞のような鍵盤に囲まれドヤ顔の角野氏(笑)
 

4.大猫のワルツ - Comp.角野隼斗

チェレスタから始まる。とっても可愛らしい音色にうっとり。(あれ大猫ではございませんでしたっけ?突っ込みたかったのはここだけの話)
鍵盤ランドに座る角野氏の拘りは、、、、無駄な休符を入れない。これはどういうことかと言うと
チェレスタからグランドピアノに移動、その反対も然り。一瞬でも無駄な間を入れたくないのがわかる。
ここは神業のように一瞬でピンポイントを押さえて演奏を続ける。まるで自分に負荷をかけているようだ。
多少脱線を入れるお愛嬌も生演奏の醍醐味だ。
 

5.パリのアメリカ人 - Gershwin (Arr.角野隼斗)

この楽曲を鍵盤だけで表現しようと普通の方は考えないであろう。(まあ、普通の方ではないので。。。。)
何重も音を重ねている演奏するオケには正直負けると思っていた。
しかし、倍音やリハモを屈指し、音の衰退はトリルなどでカバーをしながら音を重ねていく、数学好きピアニストのアレンジだと思った。面白過ぎる!!
仙台で聴いた演奏がどこまでカスタマイズされるのか楽しみにしていた。
埼玉でのカデンツァの脱線がすぎるところ。 上田では中間部のアップライトの音色を変えて来た(すかすパーカッションのような音、、、、中間部に1小節のみ入れて来た!!)
進化し続けているのであろう。これは最後本当にどのようになるか想像できない。(もしかしてもう1本手が出て来るとか????)楽しみである。
 
アップライトにまた仕掛けをしているようで、按田さんが登場し、フェルトを変えている。
照明が一気に暗くなる。ステージ上では忍び足で角野氏が登場し、アップライト前に座る。

※ここからは上田の事をメインにお伝えします。

 6.ボレロ - Ravel (Arr.角野隼斗)

少しずつあのリズムが聴こえてくる。アップライトの内部奏法から始まる。
まさかこの楽曲を一人で演奏するとは、、、、、、、
これって究極のポリリズムですよね?一定のリズム(あの3連符が続く)ミニマルミュージックの走りだと思いますが、そのリズムを左手と時々右手で奏でている。打楽器奏者でも緊張すると言われるこの3連符のリズムを崩れる事なく表現するのは、ピアニストと言うより打楽器奏者のようだと思う。
聴いている観客も3連符とモチーフのリズムを一緒に取れてない💦どちらか一方に引っ張られているのだ。正直、、、、、、ルーパーを使うと思っていたが、そこに甘えがないのに驚いた。
アップライト→グランドピアノと移動し、その後右手だけチェレスタに移動する。
これはマジで難しい。グラピの方向に身体を向け、右手だけ後ろ側のチェレスタでモチーフを演奏している。
ここ!!!!一番難しいんだよーーーーーーって大声で伝えたい衝動に駆られる(笑)
口がアングリ状態になる。そしてグラピに戻り、アップライトに移動。
高音部分がホンキートンクの音色で少し音階がズレている。これがメチャクチャ心地良い。
やるな~~👍ドヤー!!!!私がドヤ顔になる(演奏してませんが💦)
グラピに戻りいよいよフィナーレ →転調し、肘鉄攻撃が始まる!!あの不協和音が好き過ぎて
前のめりになる。
上田では、、、、実は肘鉄攻撃がなかったのだよ。驚いた。それなのにあの迫力!!!
腰を抜かしそうになった。
恐らく腰を抜かす方が多い事を想定しているのだろう・・・・演奏後一旦照明が暗くなって間をあけて照明が点灯し、終演となる。
 
ここは申し訳ないがフライング的にスタオベをする。(後ろの方ごめんなさいね)
ブラボー!!歓声を上げるが、ここは指笛をしたい(まだ習得できてない劣等生なのだ)
 

アンコール/Encore

上田でのカーテンコールで戻って来た時、憔悴しきっていた
椅子に座りながら、はあーって息が漏れ、
“アンコールはなくても良いですね”って笑っている(S気質)
本人も観客も満足しきっていたが、ここはアンコールをお願いしたく、
思わず“ "いえいえ、お願いします!!”と声が漏れた(笑)
 
”どこにも発表していない楽曲ですが、ノクターンを演奏します。
ノクターンと言えば夜の事ですが、夜明けをイメージして作曲しました”

アップライトに座り、優しく奏でる。この楽曲のモチーフはいたってシンプルだが、序章はトレモロのように細かくメロディを鳴らす。これがめちゃくちゃ心地よい。アップライトの醍醐味を感じるノスタルジーな音色で沁みる。
この曲は邪魔したくなく、、、、演奏後もしばらく拍手を控える。皆同じ気持ちだったようだ。
そしてスタオベできなくなる。。。。。めちゃくちゃ感動しているのだよ。。。。しかし立てない。
 
カーテンコールで戻ってくる。
恒例の7Levels of “Twinkle Twinkle Little Star”キラキラ星変奏曲の時間が!!
“今回のコンサートでキラキラ星の24の調で演奏しているのですが、今日はどうしようか考えてまして、、、、
今日は何の日かご存じですか?あのラプソディインブルーが何と100年前の2月12日に初演された記念日なんですよ!!(もう弾きたいってのが言葉の端々に溢れている)
キラキラ星とラプソディのどちらを演奏するか・・・・・“言葉を遮るように私の後ろの3人組は”両方!!!!!“って叫んでくれた👍(ナイス!!私はあの渾身のボレロを聴いてしまったので、両方をおねだりできないと思い、ラプソディを推そうと思っていた💦)
本人満面の笑みで両方弾きますね。と。。。。。こんなスペシャルな事ある??????
キラキラ星はF#マイナー(嬰へ短調)
しかし、動画を聴いて頂くとおわかりのように、このキラキラ星変奏曲にもかなりインプロが入っている。
そして最高なラプソディにはパリのアメリカ人が入っている。
 
まだ折り返し地点にも達していないのに、こんなに進化し続けるとは。やばいぞ!!角野隼斗
自分の推しだが、呆れるくらい凄い奴だと思っている。
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?