見出し画像

KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FLの適正バックフォーカスについての備忘録

販売終了しているのでユーザーが今後増えることはないと思いますが、フランジバックについての備忘録です。
軽量で写りも良いので、野鳥撮影だけでなく天体撮影にも用いられるコーワ PROMINAR 500mm F5.6 FL(以下プロミナー500FL)。今でも人気があるレンズですが、各種カメラマウントごとに用意されていた部品から、Tマウント対応部品群に変更されてからは、純正のカメラマウントというものが存在しなくなり、各種Tマウント変換部品などを適正なフランジバック(後述)で、任意に繋ぐ必要があります。私はもともとはFマウント用のオプションを使っていたが、Tマウント版に買い替えてからは前のFマウント版は廃棄してしまったため、今は比較ができないのでご了承いただきたい。

協栄産業の推奨接続図によると、Fマウントで使うには、カメラマウントDX-WRを(も)推奨されていたが(500mmで使う場合は中のレンズが前後するのでこれでも問題ないと思われるのだが)、コーワから推奨されていたフランジバックは55mmで、カメラマウントDX-WRを使うと0.8mmオーバーしてしまう。また、TX07-Tの350mm(F4)のレデューサーを付ける場合は、TX07-T内に後玉があるため、0.8mmオーバーだとちょっと気になるところ。
0.1-2mm程度のズレなら実用で変わらないような気もしますが、推奨フランジバックで使わないと、何が悪いのかわからなくなるのでなるべく推奨55mmで使いたいための調べです。

資料

TX10-Tの推奨フランジバック図
TX07-Tの推奨フランジバック図
コーワ テレフォトレンズ TX07/10セット(KYOEI-TOKYO)

バーダーかVixenが◎

わかりにくいので図解にして残します。フィルターなしで使う場合は、バーダー(要補正)かVixenのTリングが適しています。フィルターの厚みの約1/3ほど光路長が伸びるため、フィルター厚によってシムリングなどで調整が必要。フィルターはKOWAマウントバヨネット付近にあるM48に取り付けて使用できます。

・タカハシ カメラマウントDX-WR(KA01255)
→0.8mmオーバー
光路長 実測9.72mm
※2.5mm厚のフィルターと合わせて使う(手持ちのフィルターなし)
ほかの2種と違い、M54Mで接続するため、計測位置が違う(図を参照)

①バーダー ワイドTリング(2408333) 
→0.2mmのシムリングを入れてジャストサイズ
光路長 実測8.3mm
※フィルターを使わないときに◯

②Vixen 天体望遠鏡 Tリング(N) ニコン用(4955295373017)
→0.05mmオーバー(許容値内)
光路長 実測8.55mm
※フィルターを使わないときに◯

※いずれも実測のため個体差で少し寸法が変わります。ご注意を。
バーダーのサイズのように、シムリングを入れることを加味したマイナス交差の設計のほうがありがたい。

サイトロン QBP・CBPフィルター(1.5mm厚)を使う場合は0.5mmのシムプレートで延長が必要

STC社製 アストロ マルチスペクトラ フィルター(2.0mm厚)を使う場合はに0.7mmのシムプレートで延長が必要

KOWA PROMINAR 500FL フランジバック


冷却CMOSカメラでこのレンズを使う場合は、マイクロアジャスターなど光路調整部品が挟めるためもっと楽ができそうです。プロミナー500mmはとても気に入っているので今後も使いたい。

純正の三脚座では強度不足

残念ながら純正の三脚座は天体撮影向きではないです。K-ASTECの専用鏡筒リング、またはサイズの合う鏡筒リングなど使って固定が必要で、レンズ本体だけを入手できても強度不足で使いにくいため、K-ASTECの鏡筒バンド付を中古で入手するか、別途鏡筒バンドなどで自作が必要です。
また、K-ASTECのマイクロフォーカスアジャスターはあるに越したことはないですが、バーティノフマスクがあれば必ずしも必要ではなく、微動側で合わせられます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?