【ある錬金術師の話(仮題)21】

  しばらくすると、種の表面がゼラチン質で覆われ、まるでカエルの卵のようになる。 

 それをそっと手に取って、右目の中を軽く拭いてやる。


 「ただの結膜下出血だ。2週間もすれば良くなる。まあ、お前の場合は飲み過ぎだから、もっとかかるだろうがな。」

 そう言いながら、軽く処置を終えた。


 「なんだい、まるで俺がいつも飲んだくれているようじゃないか。」 


 「実際そうだろう?

酔っ払いで無いなら、ドアを叩くにも、もう少し加減というものがある。」

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