【ある錬金術師の話(仮題)13】
これは強力かつ簡単な錬金術の治療薬である。
作るために必要なのは、バーナー、容器、ビーカーくらいである。
まず、100gくらいのハーブを、500ml程度の蒸留酒を入れる。
これを1日1回かき回し、40日間漬け込む。
濾して、液体と沈殿物を分離する。液体はとりあえず、容器に入れておき、固形物の生成にとりかかる。
まず、バーナーで黒い灰になるまで焼く。
次に、その灰を挽き、白っぽくなるまでバーナーで乾燥させる。
この白くなった粉は、蒸留水に浸して混ぜる。
翌日に水を捨てて、再び粉にする。
これをもう一度だけ繰り返し、白い粉を得る。
これを、アルコール浸出液と混ぜれば出来上がりだ。
チンキ剤は一日に数滴程度しか必要でなく、だからこそ、これはより純粋化した植物といえる。