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ロード・オブ・ザ・ジェニチャー(Load of the Geniture)

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「どの惑星がそのホロスコープの中で力を持っているか?」はとても重要です。

そして、その中でも最もホロスコープで力を持つ星を「ロード・オブ・ザ・ジェニチャー(Load of the Geniture)」と言います。
この星はとても重要です。
なぜなら、その人の性格やなりやすい病気の種類など多くのものを左右するからです。
気質の判断は、アセンダント、月、太陽そしてロード・オブ・ザ・ジェニチャーなどを用いて見ていきます。

つまり気質のを構成する要素なのです。

では、「どうやってそれを探すの?」という疑問があるかと思います。

伝統的占星術師ウィリアム・リリーがいますが、ロード・オブ・ザ・ジェニチャーについて言及しています。
Christian Astrology, Book 3 Chapter105 P.531

ごくごく簡単に言いますと、ロード・オブ・ザ・ジェニチャーの出し方には、おおまかに2種類あります。

一つ目はディグニティを使います。
その人のホロスコープの中で、エッセンシャル・ディグニティ(筋力)もアクシデンタル・ディグニティ(行動力)も最も高い星が、その人のロード・オブ・ザ・ジェニチャーになります。

そして、二つ目。
これはファーミカスと言う人の意見です。
ウィリアム・リリーは採用していません。
月を見て、その隣のサイン(星座)のロード(支配星)がロード・オブ・ザ・ジェニチャーとなります。

月は肉体を表すからです。
その隣のサイン(星座)はその肉体を支えるもの、ということなのです。

例えば、牡羊サインの隣は牡牛サインです。
牡羊サインは牡牛サインを、支える役割をしています。

もっとわかりやすくいいましょう!

ドラえもんを思い出して下さい。
そう、あのドラえもんです。

・ドラえもん=乙女サイン
・のび太くん=獅子サイン

のび太くんは、ドラえもんに支えられています。
そして、獅子サインの次は乙女サインなのです!!!


とはいえ、私もどちらかと言うと、ファーミカスの意見は賛成できません。
理屈から考えると、筋力と行動力の両方が強いのが、一番しっくり来るからです。

では、ウィリアム・リリーの言うように、両方のディグニティが高い惑星がズバッと出るかというと?・・・これまた難しいんですね。

バシッと、これだ!というような、わかりやすい人は、めったにいません。
どこかが良いと、どこかが悪いことが多いのです。

だから、普通に迷います。

普通に考えて、ウィリアム・リリーがどうして、あーでもないこーでもない、と書いているのか不思議です。
もっとビシッと書いて欲しいですよね?

恐らく、ウィリアム・リリーはロード・オブ・ザ・ジェニチャーの出し方を知っていました。
しかし、それは本ではわざと、ぼかして書いてあるのではないでしょうか。

この本、実はあちこち、ぼやっと書いてあるところが多いのです。
そう、単純に書いてあることだけを理解しても使えません。

隠された表現や事実があるんですね。
それはある意味、当然です。
そんなに大事なことを、そうそう人には教えませんし、悪用されてもいけませんから。

ウィリアム・リリーは自身の本を教科書にして、直接、弟子に教えていました。
大事なことは、口頭で伝えたのだと考えられます。

それなら読むのは面倒だ!と思うか、もっと文脈を探りたい!と思うかはその人次第です。
でもどうせ読むなら、ぼやっと書かれたものの中から、宝探しをする方が面白いと思うのです。

みなさんの読まれている本でもそうですよね?
本の中でも矛盾していることや、ぼやっと書かれているものはあります。
そういった時に、この本は使えない!とかガセ情報だ!と考えるのは安直ではないでしょうか。

作者にとっては、何かしらの意図があって、相反することを書いている可能性だって高いのですから。


週刊伝統的占星術日記(第15回)より


P.S.気質についてもっと知りたい方は拙著をご参照ください。

伝統的占星術 第二巻: 気質診断と宝石処方

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