なぜリバークリーンをするのか?

この夏はこれまでにないぐらい、「リバークリーン」というワードを連呼連発してきました。一時期「River clean」なのか「River clean up」なのか「Clean river」なのか悩んだこともありましたが、「まあ、リバークリーンでええんちゃう」に落ち着いております。

なぜ、リバークリーンをするのか?

【そこにゴミがあるから。by大吾】いつか渋いオヤジになった時にはボソッと言いたいですが、その域まではもう少し年月がかかりそうです。

最近、リバークリーンについて取材を受ける機会も増えてきました。10月24日に開催した第1回青梅リバークリーンマラソンについてはレポートも書き、有難いことに世界ラフティング協会の広報を通じて世界に配信してもらうこともできました。「The more Rafters,the less River Rubbish!!

広く活動を知っていただくためにも情報発信は必要なことだと感じております。12月5日に御岳で映画上映会https://sandk-ome.com/があり、リバークリーン活動のご報告をする流れにもなってきました。いよいよ、なぜリバークリーンをするのかを改めて整理するタイミングなのかなとも感じております。

「普段お世話になっている川への恩返しです。」シンプルで、たまにこのように答えることもあったかもしれませんが、自分の言葉だとしてもどこかニュアンスが違う気もします。

「川のゴミがなくなるとスッキリするんです。」これも上と同じで、それはそうなんですが、それだけでもない。

実はこの問いへの答えを整理するのにかなりの時間がかかってしまっておりました。ストーリーとしてまとめてくださいとのオファーに対して、なかなかお応え出来ない状況で。。。文字にすると、途端に薄っぺらく嘘くさい気がして、どうにも自分の言葉としてお伝えすることができないという連続でした。

なぜリバークリーンをしているのか?

川を漕ぎながら、リバークリーンをしながら、コーヒーを飲みながら、、、ようやくしっくりきた表現は、「ありがとうと言ってもらえると嬉しい」これでした。恥ずかしながら、人に喜んでもらえることがエネルギー源になっていることに気がつきました。

2014年2月のことです。その年は驚くほどの大雪が御岳に降り積もり、2週間毎日雪かきをすることとなりました。この時の雪は1回目ドカッと降り、その1週間後に降った雪がさらに半端なく、大きな混乱を招いたというものでした。電車はもちろんのこと、道路も長い間封鎖されておりました。御岳から青梅駅までを歩いて帰られた方もいらっしゃいました。

実は1回目の雪の時は御岳を不在としていて何のお役に立つこともできませんでした。2回目の雪の時には何かしたいと気持ちが強く、自分の敷地の片付けがある程度目処が立ったところで、歩道の雪かきをマウンガの川野っちと二人でやりました。←川ちゃん、覚えてるかな?

歩道が歩きやすくなったことで、地元の方からありがとうと言って頂けたことが嬉しくて、敷地が雪でえらいことになっていたご近所の旅館の駐車場の雪かきをしました。大汗をかきましたが、ここでもありがとうと言って頂きました。←もしかしたら、この時のことがA-flow誕生につながっているかもしれません。もちろん、その時に打算的な考えはありませんでしたが笑

いよいよ、盛り上がった気持ちを抑えることができず、御岳山の参道へと続きました。こちらの作業は輪をかけて大変でしたが、やはりやり甲斐は段違いに大きく、たくさんの仲間と一緒に雪かきしました。匍匐前進も今となっては良い思い出です。急遽除雪機を持って登場した八木さんが神様のように見えましたね☆みたけウィンターシリーズというレースを予定していた週末には、レースを雪かきに変更し、学生チームもパドルをスコップがわりにして参道の開通のために必死に作業をしてくれました。トレックリングさんはじめ、他コミュニティーの方々と連携して作業する面白さを感じたのもこの時かもしれません。

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ラフティング女子チーム「TheRiverFace」のメンバーが3人で驚異的な開通っぷりを見せてくれたことは、今でもたまに地元の方との飲みの場で話題になります。

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昨年の台風19号による被害の時も、たくさんの方々と一緒に活動できました。2日間で310名、バケツリレーでたくさんの流木や鉄くずを運びましたが、あの人数がいなければとてもできない作業でした。この時は土砂が流れ込んだお宅や墓地の泥かきもやりましたね。アドベンチャーレーサーの方々の動きの良さに驚きました。

そして、この夏のリバークリーン。台風被害によるものもあれば、BBQや川遊びにきた人が捨ててしまうゴミが目立ったのも今年の特徴でした。コロナの影響で、これまで自然の中に来なかった方々が多く集まったことも原因になっているのかもしれません。

御岳は様々なジャンルのアウトドアスポーツが楽しまれているエリアです。カヌー、ラフティング、SUP、ボルダリング、ハイキングだけではなく、本当にたくさんの人が御岳のフィールドを大切に想い、感謝しています。

上でご紹介した活動以外でも、たくさんの方々とお会いするたびに、「みんな御岳愛してますねー!!」という気持ちになります。いつも楽しませてもらっている御岳の為に何かしたい。という気持ちには全くの嘘もなく、皆さん本当に明るく楽しく作業されております。

アウトドアスポーツを楽しまれている方々は、基本よく動きます。身体と心も丈夫な方が多いと言えるかもしれません。そして御岳愛が半端なく大きい。

御岳で困ったことがあった時に、このアウトドアスポーツ愛好者の皆さんの溢れ出るパワーをうまくマッチングできないかと考えることがあります。御岳が大好きで、身体が動いて、心も御岳の自然で癒されている方々のエネルギーを御岳に還元してもらうことができたら、最高なんじゃないかと考えるわけです。地域の方々にアウトドアスポーツの存在を喜び応援してもらえることにつながるのではないかと。川をはじめとする自然というフィールドでは、やはり地域の方々に応援して頂けるとということは、スポーツを続けていく上でも非常に重要なことだと考えております。

リバークリーンをなぜするのか?

下心全開でいうと、色々地域の方々にご迷惑をお掛けする事の多い、リバーアクティビティーですので、川の掃除ぐらいはやらせて頂きますという部分もあります。最近はラフトボートは川でゴミを拾い運搬する為に設計されているのではないかと思うぐらい、ラフティングとリバークリーンの相性は抜群だと感じております。青梅で問題になっているゴミ問題を、ラフティングで解決することができたら、青梅の中でラフティングのポジションが築けるのではないかと考えていたりします。

ただ、最近もっと取り組みたいと考えていたり、リバークリーンをする面白さだと感じているのは、「人と人が出会うコミュニティー」になっていることです。ゴミを探したり拾ったりしながらの会話って、なかなか独特ですが居心地の良い距離感だったりします。ゴミを拾うという絶対的に素敵な行為をしながらの会話ってこれがまた良く弾むんです。ジョギングなどの運動をしながらポジティヴな思考になるのと同じ原理なのか、リバークリーンをしながら湧いてくる気持ちや発想もやはりポジティヴなものであることが多いです。

アウトドアスポーツを楽しむ人と地元の方が自然な形でお互いを知る場を、リバークリーンを通してつくりたいです。ゴミ拾いをする行為自体で、存在を好意的に受けとめてほしいということだけではなく、コミュニケーションをとりながら一緒に活動することで個々のつながりを深め、共に楽しみ応援してくださる方を増やしていく。この夏のリバークリーンを通して、少しずつイメージができてきました。

変なもんで、コミュニティー作りのきっかけを与えてくれる川のゴミの存在が有り難く感じることもあります。なくなってほしいけど、もう少しいててほしいような。

御岳から河辺下グラウンドまでの約15km。青梅の端から端までの区間をメインとして、ここのリバークリーンをこれからも続けてまいります。また考え方に変化があった時にはお知らせしようと思います。

長くなりました。なぜリバークリーンをするのか?

そこにゴミがあるから。by大吾





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