タンスの肥やし
この間実家に帰った。
上京するので以前より気軽に帰ることが出来なくなるから、最後に食事でもという理由だった。
実家を出てから2年弱、ちょうどいい距離感を掴めたからか姉に対しての劣等感が無くなったからか
気持ちとして随分と実家には帰りやすくなった。
最近ファッションに興味を持ち始めた。
元々ゲームのキャラのコスチュームには結構こだわる方だった。
バイクに乗り、ダイエットに成功して革ジャンを買ったのをきっかけにゲームキャラでやっていた遊びを自分の体でやり始めたと考えると自然なことのような気がする。
この間実家に帰ったとき、それなりの数服をもらった。
昔からお洒落が好きだった親父のクローゼットにはかなりの数の服があった。
その息子は自分が大嫌いだったからお洒落は好きじゃなかったけど。
実家に着ていったツイードジャケットを見て、なんとなく合格点をくれたのか
自分の着なくなった服をいくつか出してくれた。
色の違うツイードジャケットやベスト、シャツ
そしてレッドウィングのワークブーツとトリッカーズのラインマンブーツ
どれも買えば数万もするものばっかりだった。
「もう着なくなったものだし」
と言って譲ってくれた。
もちろん本当に欲しい物ばっかりだったから有り難く受け取った。
あのとき表情変えずに淡々と親父は会話してたけど
「あんたがこんな服に興味を持つって思って無かったから結構売ったり捨てたりしたんだよな…」
なんてため息混じりで言っていたのを思い出すと、
多分こういうやりとりを思春期の僕としたくて、色々「タンスの肥やし」を取っておいてくれていたのかと今日不意に思った。
父性を語るような年齢にはまだなってないから、本当に着なくなったものを譲ってくれただけなのかもしれないけれど。
ありがとう
そしていつもいつも遠回りで申し訳ない
大事に着ます。
トリッカーズがソール交換から帰ってくるのが楽しみです。
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