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CS-21工法 施工事例 / 新設橋梁(下部工)の更なる品質向上対策

工事概要

工事名称 :尾道・松江自動車道 下熊谷上改良工事
工事場所 :島根県雲南市 
発 注 者 :国土交通省 中国地方整備局 松江国道事務所
工  期 :2009年(平成21年)2月~2011年(平成23年)3月
施工部位 :RC橋脚工、橋台工
施工面積 :896m2 
使用材料 :CS-21(NETIS【旧】CB-020055-VR 設計比較対象技術)
工  法 :CSⅠ工法 ( 0.2kg/m2×1回塗布 )

CS-21 荷姿5㎏缶

工法採用の経緯

 本工事は、尾道・松江自動車道の建設にともない発注されたRC橋脚1基、橋台1基を含む道路改良工事である。
 積雪地域に位置し、自動車専用道として長期間供用される構造物であり、コンクリートの品質および耐久性の向上対策が求められた。
 そこで、表面保護工法の適用を検討した結果、コンクリート改質剤(けい酸塩系表面含浸材)を使用した本工法を技術提案し、採用された。

技術提案書(例):新設コンクリート構造物の表面保護
CS-21ネオ(NETIS:CG-160013-VE・活用促進技術)

使用材料の概要および特長

 本工事において使用したコンクリート改質剤(けい酸塩系表面含浸材)は、
土木学会発刊の
コンクリートライブラリー119 表面保護工法 設計施工指針(案)
における分類では、主成分より「けい酸ナトリウム系表面含浸材」、施工仕様により「防水を目的とする場合」に該当する材料である。
コンクリートライブラリー137 けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案) における分類では、「 反応型けい酸塩系表面含浸材 」に該当する。】

 当該材料は、無色透明な水溶液であり、コンクリート表面に塗布することにより、既存の微細ひび割れなどの空隙を充填して表層部を緻密化し、施工後に新たに発生する微細ひび割れなどの空隙も充填する。この性能により、水や各種劣化因子の侵入を長期にわたり抑制する。
 また、水和反応活性成分を含有し、コンクリートの材齢を問わず効果を発揮する特長がある。

図1
反応の持続性イメージ

使用材料の選定方法

 本工事において使用したコンクリート改質剤(けい酸塩系表面含浸材)は、前述の  表面保護工法 設計施工指針(案):工種別マニュアル編>表面含浸工マニュアルでは、性能照査の方法として第三者機関による土木学会規準「表面含浸材の試験方法(JSCE-K571)」の試験結果を、同マニュアルに掲載の評価基準と比較することによって品質を確認することができる と記載されている。

 当該材料は、第三者機関により上記試験方法による試験を行った結果、評価基準を満たしており、透水・吸水・中性化・塩化物イオン浸透の抑制効果、水蒸気透過性を阻害しないこと、および耐摩耗性の向上効果が確認されている。

 また、公共工事における表面保護工の実績も多数あることから、本工事における使用材料として選定した。

施工手順

最終リフト脱型から1週間後より、下記手順にて全面に施工を行った。
① 下地処理:高圧洗浄などにより、表面のほこりや汚れを清掃する。
② 材料塗布:CS-21(0.2kg/m2)を塗布する。
     *CS-21は希釈せず原液を使用
③ 湿潤散水:水を散布・塗布する。

画像2
横向き塗布

まとめ、今後の展望

 本工法は、使用する材料の特性を理解し、適用するコンクリート構造物の状況に応じて目的とする効果を発揮させるための適切な判断を行うことが必要である。そのため、材料メーカーと全国の特約店・特約施工店と共にアストン協会を設立し、専門技術者の育成を行うなど技術の向上に努めている。
 今後も、新設構造物の防水または予防保全、および既設構造物の補修または改修により長寿命化させ、ライフサイクルコストを低減させる本工法を適用し、コンクリートの長寿命化を目指したい。

            アストン協会会員(有)トムワークス 金谷 勉


最後までご覧いただきありがとうございました。
 本記事は、防水ジャーナル2011年3月号(P30-31)に掲載された「けい酸ナトリウム系表面含浸材による表面保護工法を適用した橋梁新設工事」の転載(一部再構成)です。
 CS-21工法による表面保護(予防保全・長寿命化)の施工実績につきましては、資料「CS-21工法 施工実績表【pdf】」をご参照ください。
 【新製品】施工性が良好な新設コンクリートの表面保護材CS-21ネオ(NETIS:CG-160013-VE 活用促進技術)など、CS-21シリーズ製品・工法の最新情報・詳細につきましては、アストン オフィシャル ウェブサイト をご覧いただけますようお願いいたします。