ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 【第8話 しずく、モノクローム】感想書いてみた!

自分の個性をさらけ出した歌手を演じる演目で降板を伝えられるしずく。
演じることは誰かの気持ちを想像して表現すること。
アイドル活動でも誰かの理想のアイドルを演じることを意識している
しずくだが、アイドル活動は前向きに頑張る一途な姿をみて
応援したくなるもの。
もうこの時点で不穏。
自分自身の本当の気持ちやりたいことがわからないとかそういう話になりそう。

劇の演目かしずくの心の葛藤かわからないが、
他人の目を気にして、生きていくうちに
本当の自分をさらけ出さずに「いい子」を演じるようになった。
そうすれば何もかもうまくいくことに気づいた。
それがしずくの処世術だったのだろうか。
いつしか演じることは日常になり、特技になり、武器となったが、
本当の自分や熱意を外にだすことはできなくなってしまった・・・
という話だったら怖いな。

しずくの不調に侑よりも早く気づくかすみん。
元気付けるためにショッピングに連れ回す。

小休憩でオードリー(オードリー・ヘップバーンかと推測される)のポスターをみて「演じている間は自分のことを忘れられる」とぽろっと璃奈にこぼす。
自分に自信が持てず、悩んでいた璃奈だからこそ出た言葉かもしれないし、
「自分が嫌いなの?」と質問できたのかもしれない。

ちなみにオードリーはソロ曲にもあるぐらいなので、
しずくの根幹に関わるかもと思ってたけど、ここで回収できるとは思わなんだ。

しずくは一人になった時に自分の心の葛藤として
黒いしずくと白いしずくに別れて発言をしている。
そしていい子ちゃんを演じて自分をさらけ出せず、
友達にも相談できない自分を「嫌い」と言う。

そして璃奈は自分がそうだったように、自分が嫌いな気持ちがわかる、
その時は愛さんが助けてくれたと伝えた。
それを聞いて駆け出すかすみん。
ここまでライブライブシリーズの定石を覆してきたニジガクだが、
1年生は1年生でフォローし合うところをみると
「あぁ、これもやっぱりラブライブなんだ」と思いました。

暗いところで落ち込んでいるしずくを見つけたかすみん。
気丈に振る舞う演技をしているしずくに対して
目の腫れという物理的な部分で泣いてたことを察する。

このシーンは常にかすみん側は光が当たっていて、
しずく側には光があたっていない。
しかし、しずくが心情を吐露するシーンからは
正面を向いて光が当たるようになっている。
しずくの感情を光のあるなしで表現している演出はキレイだった。

しずくは演劇が昔から好きで、それが他人と違うことに気づき、
他人と違うことをしていると変な目でみられると思って
良い子を演じ始めたという実に日本人らしい生き方だった。
他人に嫌われたくなくて、いい子を演じるという子にピンと来た方は
アイドルマスターシャイニーカラーズ大崎甘奈のGRADコミュを読んでください。

そんな臆病で弱虫で自分の色を出せないしずくに対して、
かすみんは無理やり自分のことをどう思っているか聞くことでこじ開ける。
他人が思っていることはわからない。だからこそ伝えて確かめ合う。
簡単だけど、一番難しいその一歩をしずくはかすみんに教えてもらうのであった。
そういう描写なかったけど、かすみんとしずく付き合ってる???

嫌いな人、認めてくれない人もいるかもしれない。
でも、そんな「もしも」の存在に怯えるよりも、
今自分のことを好きと言ってくれる人のために
自分をさらけだそう、弱い部分も認めていこうという心から
白いしずく(偽っていたしずく)と黒いしずく(嫌われたくないと思う本心)が合体し、白黒のドレス、しずくがモノクロームになりライブシーンスタート。

サビ前までは降り続く雨だったが、自分と向き合った瞬間に
雨が、時間が止まる。
雨はこれまで降り注いでいたマイナスの感情、
これまでいい子を演じていた時のマイナスな気持ちはすべて消えたわけではなくその場に残っているけど、それでも今は一旦その雨を止めて
大好きを伝えてくれた人のために前に進むという意思表示でしょうか。
最後には雨さえも振り払い、その残滓さえも演出に使う。
演劇で培った技術と自分と向き合った気持ちに折り合いをつけられた
良いライブシーンでした。

公演後のインタビューでは「本当の私をみてください」と満面の笑みで答える。
物語冒頭で「ファンの理想を演じる」と言っていた弱虫な桜坂しずくは
もうどこにもいないのであった。

あとこの話に関しては侑があまり関わらないのもよかった。
きっと、ドレスにあうアクセサリーを作ろうと提案してくれたのは
侑かもしれないけど、それでも1年生が抱える悩みを一番近くにいた
かすみんが、ライバル意識が高くて仲間を若干の敵視しているかすみんが
しずくをすくい上げる構成に一本満足バーした。

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