蠍座が輪郭を持って存在する話 その2

前回は、輪郭を持たなかった私の話をしました。

今回は、輪郭をもって生きようとし始めている私の話をします。

人に踏み込みすぎ、さらけ出しすぎなきらいがあり、つまりは人と自分との境界線をあいまいにしがちなところがある私。

自他境界(バウンダリー)という専門用語があるそうです。
私なりの理解で簡単に言うと、あなたと私は違う人、と線を引くこと。

(サイトを参考にさせていただきました)

こういう話になると、心理学を引きたくなるのですが、今回は星に関して続けます。

あなたの気持ちがすごくわかる、私の気持ちもきっと伝わる、なぜならそれはにじみしみわたるものだから。
そんな感覚を持っていた私が、数年前、西洋占星術の勉強を再開したとき、まず驚いたことが、この世の多くの人が、それぞれに違う星周りを背負って生まれている、ということでした。

もちろん、双子やらなにやらの事情で、ほぼ同じホロスコープをお持ちの人もいるかもしれません。
例えば同じ産院で、同じタイミングで、隣の病室で生まれた子たちなど、地上の緯度経度の少しのずれはホロスコープでは反映されないかもしれない。
それでも、まったく同じホロスコープを持った人と出会うのは、難しいでしょう。

ホロスコープを出せる方は、自分の誕生日、出生地の前後10年間のホロスコープを出してみると面白いかもしれません。
10年前に産まれた私だったら、今ここでこんな人生を歩んでいなかったかもしれない。
1年前に産まれた私だったとしてもそうです。

実際に、ある西洋占星術ではない占術を先生のセッションを受けた時に、10年ずれたホロスコープで鑑定が始まったことがありました。
10年遅く生まれていた場合の私は、占い師にとても向いているという結果でしたが、本来の私の出生年月日で見ると、占い師は向かないのでやめてください、と言われてしまいました。

同じ生年月日、出生地でそうなのですから、ほかの場所、ほかの時間に産まれた人たちが同じであるはずがないのです。

ホロスコープを複数枚読んでいくと、会う人あう人、違う星を持っている、というレイヤーが重なって見えてきます。
あの丸い、記号が踊っている図が、その人の背後にうっすらと見えるような、そんな感覚。

いろいろと意識をせずとも、あなたと私は違う人、という意識が芽生えてきたのです。

それから、より西洋占星術の知識に触れることが面白くなってきました。
あなたと私が違うのはなぜか、どう違うのか、この違いは一体どう解釈できるのか。

境界線同士の距離や、心地よい関係性の築き方は後に置いておくとしても、占星術を通して、あなたと私は違う人、という、いわば当たり前の感覚を体感できるようになったのでした。

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