蠍座が輪郭を持って存在する話 その3

その1では輪郭を持たなかった私の話を、その2では西洋占星術を学びなおしたことで人はみな違うのだということを理解し始めた私の話をしました。

今回は、染みわたりたい一つになりたい蠍座が、境界線を引いて輪郭を持つことで分かってきたことをお話しようと思います。

蠍座はセクシーだから、とか、エロティックだから、とか、そういう表現に対して拒否感をずっと抱いていました。
女性らしさがあまりなじまなかったこともあり、ミステリアスで神秘的、0か100かの強烈さを持っている、などと言われても(0か100かなのは自覚があるとしても)、しっくりこなかった、受け入れがたくありました。

ところが、です。

それぞれの人が違うホロスコープを背負っており、人と人とは違うものであり、私とあなたは違う肉体の中に入った存在である、といった、感覚を得ていくにつれて、納得するしかなくなってきたのです。

もともと、何かと一つになりたい、同じものになりたいと思っている蠍座は、この世界に生きている限り、その願いが叶わないことを人生のどこかのタイミングで知ることになります。
今の私のように。

この世に生まれた時に、いわば背負うと決めてきた望みが、この世にいる限りはかなわないのです。

私とあなたは、どうあがいても同じものにはなれない。
その絶望と、欲望が、蠍座のセクシーさにつながるのだと思うのです。

永遠にかなわないものを願い続け求め続ける蠍座は、それが叶うかもしれないとなったら全力注入するでしょうし、そうでないなら別にいらない、と思うでしょう。

そういう意味で排他的になり、精神力の強さもあり、思い込みの激しさももち、秘密主義にもなるでしょう。

その欲望が知的なものに向けば、すべての知識を飲み込もうとするでしょう。
探求心旺盛なのは、その分野すべてを飲み込むように学んでいくからだと思います。
人の心を扱う仕事が向いているといわれることがあるのも、あなたの気持ちを飲み込めて理解してかみ砕くことができてしまうから。

どうせ一つに溶け合えないのなら何もいらないし、そうできないとわかっていても、わずかでもそうなれる可能性があれば全力で結びつこうとするし、もちろんそれはできないので、裏切られた気分になって(自分勝手に)心を閉ざす。

死の香りがするのも、肉体が輪郭が境界線がなければ一つになれるということがわかっているからなのかもしれません。

健全に境界線が引かれるようになれば、そのミステリアスさを持ちながら周囲の人と(溶け合えない前提で)深いかかわりができる。
にじみ出る、あなたと溶け合いたいという欲望の香りで人をひきつけながら、境界線のこちらと向こうで愛を伝えあえる。
溶け合いたいと思うということは、単純に言えば、大好きだということなのだから。

境界線が十分に引けない場合は、過剰なかかわりを周りに要求して、人間関係を時には破壊しながら生きていく。
嫉妬したり束縛したり、どうにもならなくて破壊させたり。
できないことをやりたいと駄々をこねる子供のようにエネルギーを爆発させるのです。

境界線を引いて、輪郭をもった蠍座は、きっと魅力的なはずなのです。


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