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ビッグ・リボウスキの何が好きか

こんなゲロアカウントのnoteにアクセスしていただきありがとうございます。

こんばんは。

いきなりでアレなんですが、『ビッグ・リボウスキ』という映画の何が好きなのかについてダラダラ垂れ流したいと思います。

「どこを面白いと思っているかを言葉を使って説明する」という、一番面白くないことをやるわけですね。

やりたくなるぐらい好きなんです。ごめんなさい。

本題に入る前に簡単に自己紹介したいと思います。

新宿中央コーエン兄弟ことわたくしは成人男性、東京在住、住んでるマンションの共用部分(廊下)はコの字型を呈しており、敷地の真ん中が吹き抜け状になっています。

コの字型廊下と建物の雰囲気が山本英夫の『殺し屋1』に出てくるヤクザマンションに似てまして、物件の内覧に行ったときには「ヤクザマンションやん!」と思ったのを覚えています。

でも賃貸屋のおっちゃんに「ヤクザマンションって知ってますか?殺し屋1に出てくる歌舞伎町のマンションなんですけど、垣原ってヤクザがナメた態度かましてきた船鬼組のヤクザのパンツを脱がして肛門を拳銃で撃つんですが、この廊下がそこに似てるんですよ」とは言いませんでした。

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なぜなら、言ったら契約させてくれないかもなと思ったからです。

「高橋ジョージはやっぱり三船美佳にモラハラしてたと思いますか?」

これも賃貸屋のおっちゃんには聞きませんでした。

賃貸物件を仲介してくれる人に言うことではないからです。

「米良美一(めらよしかず)はなんで殴ったんだと思います?」

もちろんこれも聞きませんでした。

はっきりさせなくていいこともあるからです。

話を戻して殺し屋1なんですが、これを読んでくださってるあなた様は殺し屋1を知ってますか?

ざっくり言うと「イチ」というイノセントシリアルキラーが指示を受けて新宿で人を殺しまくる話です。

イチのライバルとして「垣原」というヤクザが出てきます。

垣原は姿も知らない謎の殺し屋・イチに訳もわからず同胞を次々殺されて、1人 色めき立ちます。

なぜならイチが人を殺す形跡にはあまりにも思いやりがなく、残虐非道だったからです(しかも犯行現場に毎回精液を残していく)。

垣原はマゾヒスト、究極のMです。自分のベロをナイフで半分切り落としたりします。

そして他人に痛めつけられるときは相手に「配慮しないこと」を要求します。

でもみんな垣原の体が傷付いたり出血したりすることにおののき、決まって手を緩めてしまいます。

正直わたくしはどちらかと言うと垣原の気持ちが分かるんですが、Mという人種はぞんざいに扱われ、おもんぱかられないことを求めていると考えます。

「痛くない?大丈夫?」とか心配されながら刺されても(精神的に)愉しくないんだろうな、と垣原の気持ちは想像するに難くありません。

突き詰めると「虐げてほしい」ということすら要求せずに虐げられたいはずなんです。

こちらが何も言わずとも自分が弱者だということをサディスティック人間様に見出していただき、「本来の自分の意志に反して」自動的に攻撃されたいはずなんです。

つまり「『意志に反して攻撃されること』を望んでいる」んです(哲学)。

これは物理的に殴られたいとかいう話に限らず、精神的な面をも包含しています(むしろそっちのほうが大きい)。

いささか熱が入ってきました。

私見はさておき、垣原は同胞殺しに怒り、復讐を全うするという大義に身を投じながらも、自身を全く思いやらずに責めてくれるかもしれない至高のSの登場にある種の期待を抱きます。

一方イチは意図的に操作されたトラウマ等が作用し、ひどく自己完結的な思考をする人間です。

思いやりとか優しさとかがありません。自分視点の考えに支配され、一切遊びはナシです。

割と序盤でイチが仕事外でセーラちゃんという女の子を好きになる描写があるんですが、セーラちゃんは彼氏にひどいDVを受けています。毎日蹴られたり殴られたりタバコの火を押しつけられたりしてます。

あるときイチに対して「あいつをいっそ殺してやりたい」と愚痴をこぼします。

額面通りに人の言葉を受け取るうえ自分の中で都合よく成長させてしまうイチは、バキバキの目で自転車を漕いでセーラちゃんの家に向かいます。

到着するやいなや、1人で家にいたセーラちゃんの彼氏(どチンピラ)を蹴り殺します。

縦に真っ二つにブッタ切られた彼氏の死体を眺めるイチと、帰宅したセーラちゃんが鉢合わせます。

そこでイチがセーラちゃんに言ったセリフは、「彼氏の代わりに次からはボクがセーラちゃんを殴ったり蹴ったりしてあげるからね」でした。

スキを見て反撃しようとしたセーラちゃんをイチは泣きながら蹴り殺します(同時に射精)。

頸動脈から噴水みたいに血を噴き出して凄惨な絶命を遂げるセーラちゃん。

この「あ〜あ〜あ〜あ〜、ダメだこりゃ」感!

おかしな奴のせいで選択肢をいくつも連続で間違った結果の、想像し得る最悪の事態!

偶然にも、あるいは必然的にボタンを掛け違って起こる皮肉でマヌケな出来事がたまらないんです。

あちゃ〜〜〜

気付いたら殺し屋1の好きなところをダラダラ垂れ流しておりました。

1年に1回は読み返すぐらい好きなんです。

ビッグ・リボウスキの好きなところは今度書きますね。

ではではありがとうございました。

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