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世界基準を作り上げた品質と高度な技術力
プロデューサー・インタビュー
株式会社ミワックス経営企画部取締役室長 美馬徹也
「デスクマット」と「カッティングマット」の両方の機能を備えたアシストオンでも人気の「Clear Cutting Mat」。
「書く」作業を快適にする。メモや大切な写真を飾って「収納する」。手紙の開封やカッターナイフなどを使った「切る」作業をサポートし、机をキズや汚れから「守って」くれる。そんな機能を全て備え、デスクの作業を快適にするこの「Clear Cutting Mat」を開発した、株式会社ミワックスの美馬徹也さんと、デザイナーの成田吉宣さんにお話をうかがいました。
この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください
今から遡ること20年ほど前にミワックスは「マルチマット」の名前で本製品に似た製品を製造販売しておりましたが、あまり売行きが芳しくなく、程なく廃番になっておりました。
社内にて新製品アイデアを募るにあたり、ついでに過去の自社製品のアーカイブを掘り起しましたところひっそりと眠っている「マルチマット」を発見しました。昔からいる従業員に聞くと「マルチマット」は社内での評価は高く、非常に便利なマットではあったが、残念ながら市場ではまったくもって受け入れられなかった・・・とのほろ苦い話も。
物は試しと引っ張り出しまして自身でしばらく使用してみましたところ、手前味噌ですが非常に便利なハイブリッドマットであることがわかりました。このまま埋もれさせておくには勿体ない!とのことで使用にくいと感じた部分、デザインなども改良しつつ、基本性能はそのままにモート商品デザイン様とともに現代版にアップデートし再度製品化することを決めました。
最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください
Miwax The Cuttingmatブランドの製品ラインアップに追加する商材ですので、基本コンセプトを踏襲したブラック&ホワイトの共通デザインにしました。
ちょっとしたことですがブランドロゴを短辺中央にすることにより左右どちら向きでも使用いただけます。サイズは最低限机上で手元をカバーする一番人気のA3サイズ。方眼部分は光学式マウスも使用できます。(機種により動かない場合がございます。)
この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?
カッティングマットを透明の素材で作るということは、「キズを目立たせない」というカッティングマットの至上命題には最も相応しくない選択肢の素材になります。 カット痕に光が当たることにより影ができてしまい、余計にキズが目立ってしまうからです。
クリアカッティングマットは逆の発想で透明素材でカッティングマットを製造します。透明部分は「デスクマット」のような使い方ができ、そして、一部だけシルク印刷を施すことによってカッティングマットとしても使用できる部分を設けました。
MIWAX「Clear Cutting Mat」で使用する素材は、日本製のPVC(塩化ビニール)です。 PVCを使用する大きな理由は容易に硬度を変更できることです。カッティングマットとして必要な軟度、硬度が設定することができます。
「Clear Cutting Mat」は表裏に柔らかい軟質PVCを、真ん中に硬い硬質PVCを使用します。 軟ー硬ー軟の三層構造はPVCの収縮によるマットの反りかえりを防ぎ、硬質PVCがしっかりと刃先を受け止めて貫通を防止する構造となっています。 また、表裏対称のなので両面の使用が可能になります。このカッティングマットの三層構造は他社に先駆けMIWAXが1980年に世界で初めて開発しました。 これまでに米英独で国際特許を取得し、現在では世界中のカッティングマットの構造におけるスタンダードとなっています。
表裏で使用する軟質PVCは非常に「収縮」の強いシートです。カッティングマットは、一般的にこのPVCの「収縮」という扱いにくい、どちらかというとマイナスに捉えられがちな特性をプラスとして活かします。 マット上のカットされた部分が「収縮」することにより表面の切り跡が目立たなくなるということです。これはカッティングマットの製品、機能としての一番重要な部分になります。 日本ではあまり見かけないですが、カッティングマットが海外では「Self-healing mat(自然治癒、自己回復マット)」と表現される所以はこの点にあります。
MIWAX「Clear Cutting Mat」はMade in Japanの非常に収縮の強い「バージン軟質 PVC」を製造し使用することにより傷跡がより目立ちにくい仕様のマットとなっています。
正直に申しますと、この「バージン軟質 PVC」を使用することで、価格は上がってしまいます。しかし、再生材を利用したPVCや、充填剤を多めに含んだPVCなどは、市場での価格競争こそ有利ですが、収縮率が悪くなります。 しばらく両者を使用すると徐々に差が表れてきます。収縮の悪いPVCを使用するマットは切跡が目立ち始め、ささくれ立ち始めてきます。 得てして両者の素材表記は同じPVCで、新品時に並べるとほぼ大差のないように見えるかもしれませんが、使用していく過程で大きな差が生まれるのです。長くお使いいただくという点ではこの差は重要であると私たちは考えています。
MIWAX「Clear Cutting Mat」はプレス機に軟ー硬ー軟の順にPVCシートを一枚ずつセットし、均一に加熱・加圧することによりシートを成型します。 約1時間かけてじっくりと熱をかけプレスし、同じ時間をかけて冷却します。この生産方法は一回でプレスできる枚数も限られるため、なかなか量産には向かない製造方法です。
しかし三層のシートの剥がれや、カッティングマット本体の反り歪みが起こりにくい製造方法になります。 接着剤だけによるシートの接着は単価を抑えることが可能にになりますが、塗りムラにより反り歪みが発生したり剥がれやすくなるデメリットがあります。どちらの手法で生産した場合でも、製品が新品の時には一見大差がないように見えますが、使用していくうちに差が生まれてきます。これも長くお使いいただく上ではとても重要なポイントになるでしょう。
AssistOnのお客様にメッセージをお願いします
机上で使用するマットの決定版です。
ヘビーに工作される方は通常のMIWAX「The Cutting Mat」がお奨めですが、ちょっとしたカット作業や工作などでしたらクリアカッティングマットは非常に便利なマットです。
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デザイナー 成田吉宣
1979年 富山県出身
大阪デザイナー専門学校プロダクトデザイン科卒
モート商品デザイン入社
デザイン事務所として自転車パーツをはじめとしたスポーツプロダクト、家電、雑貨等を手がけてきた経験と、社員全員が自転車好きということもあり、2008年、自転車周辺アイテムを中心としたオリジナルブランド「moca」の制作、販売を開始
クリアカッティングマットはカッティングマットとデスクマットの機能をあわせ持つマットです。
カッティングマットの主な機能はカッターナイフを使って「切る」ことです。机上に常にあることで、封書の開封や誌面の切り抜きなど大きなマットを出すほどではないちょっとしたカッティング作業にたいへん便利です。
一方デスクマットの機能は「書く」ことと「収納する」ことです。マットの上で書くことにより筆圧がうまく伝わり、机のわずかな凹凸に影響されることもなくペン先が気持ちよく走ります。
またマットの透明部分に、メモ書きや1日のToDoリストなど頻繁に目にしたいけど置き場所にこまる紙をはさむことでスマートに収納しチェックすることができます。(モニターまわりがメモでいっぱいになることもありません。)
見た目の派手さはありませんが、使ってみるとデスクまわりで細かいところまでよく気が利く頼もしいアイテムに仕上がったと思います。ぜひ一度お試しいただければ幸いです。
※2018年3月 アシストオンWeb掲載
「Clear Cutting Mat」の詳しい情報と購入はこちら
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