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フィリピン でのオミマイ話④

皆さんはスタンダップコメディーってご存知ですか?
 
これは今から約10年前のお話
まだスマホは一般的では無かったがネットニュースはある時代
フィリピン渡航を間近に控えて情報収集する私の前に
その当時から更に2年ほど前に起きた興味深い記事が飛び込んだ

カラオケBarで射殺事件、原因は音痴

人が亡くなっているので笑える話ではありませんが
気になるのは見出し後半部分、音痴が原因?!
記事に目を通してみると
カラオケで気持ち良く歌っていたAさん
そんなAさんの難点は音痴だったようです
その歌声の酷さに他の客が腹を立て射殺したという悲しい事件

そんな理由で射殺されちゃうのか・・・恐怖におののきつつ渡航しました

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まだ現地拠点もままならない頃で
私自身も2~3度目かのフィリピン訪問
バリバリの初心者です

現地で頑張ってくれている仲間と合流
日中は仕事でドタバタ
その後、仕事終わりに飲む事になった

ただ彼も仕事に追われており街中の開拓はできていないという
それならばと二人でアテもなくヨサゲな店を探す旅に出ました

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賑やかそうな店を選んで突入
店内はナカナカの広さ
そのホール中央あたりのテーブルに通される日本人2人

普通のBarだと思って飲んでいたのだがステージが暗転し
マイクを持った人が登場
そうです、ここはスタンダップコメディーだったのです
(スタッフに聞いたらコミックBarだよと言っておりましたが)

「10年前」「マニラ」「スタンダップバー」
こんだけ検索キーワードが絞られると解ると思いますが
客層はフィリピン人ばかり日本人は我々2人だけ
中国人も韓国人も見かけなかったと記憶しております

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客はフィリピン人ばかりなのでMCもタガログ語
みんなは笑っているが我々は置き去り、そんな空間でした

すると突然英語が聞こえてきました
「(英語)今日は日本からゲストが来ています!」
どよめく会場、我々も一緒になって周りをキョロキョロ
するとスポットライトが私のテーブルを照らしました

「(英語)あぁ君たちだ。日本人・・・だよな?」(一同拍手)

ステージに上がって来いとう手招きポーズ
そーいう場合、現地で働いている奴が行くべきだと思うんですが
当時は私の方が多少英語が上手かった為、生贄として捧げられました

私に質問する時だけは英語なのですが
その返答を聞くとタガログ語で客を笑わすMC
多分、小さな島からやってきた外国人をイジってネタにしていたのでしょう

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       (↑ 当時、私が現地で愛用していた携帯電話)

すると私に変な質問をしてきた
「(英語)お前は日本人だよな?演歌は日本人の心だよな?」
『はい、日本の文化です。だけど若い人はs・・・』
私の返答を遮りタガログ語で話し始めるMC
何故か会場からは大きな拍手が

ステージセットをする人がイソイソと私にタブレットを持たせる
するとソコにはローマ字で書かれた歌詞が表示されている
続いて渡されたのはマイク

ハメられた・・・

どうやら私はココで演歌を歌うらしい
しかも有名な演歌ならマダしも歌手名も曲名も知らないマイナーな歌だ

容赦なく始まるイントロ
歌い始めがドコかもわからないが気合で乗り切るしかない
でも頭をよぎるのは「カラオケBarで射殺事件、原因は音痴」あの事件だ

日本人の私が知らない歌を現地人が知るはずもない
多少音が外れようがリズムがズレようが
コブシを効かせて空を仰ぐような振付で乗り切ると皆さんから暖かい拍手が

というワケで何とか乗り切った私は今も元気ですが
歌っている最中に私を生贄にした仲間を見たら
私を見て大笑いしていたあの姿は一緒忘れません

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      (↑ ついでに右が二代目携帯電話)

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