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佐伯祐三という画家

僕は佐伯祐三という画家が好きです。

20世紀初頭、パリで活躍した日本人で、立てる自画像という絵で、彼は自分の顔を塗りつぶしました。

当時、画家としての自分を見失い、進むべき道を、迷っていたからです。

僕も、非常にショッキングな出来事があり、つい最近まで、人生に迷っていました。

このタイミングで、ふと、佐伯祐三について、思い出す機会があり、昔、自分が大学の時に書いた論文を、読み返してみよう、と思いました。

当時卒業論文で、佐伯祐三が闇に囚われていく様を、絵画のドアの奥の闇の表現と照らし合わせて、つたない文章で、論文化しました。

迷った時は、自分の原点やルーツに帰るのがよい、とはよく聞く話です。

社会人になって、自分が卒業した大学を訪れようという気になったのは初めてです。

なぜかは分かりませんが、何か、導かれているような感覚に、いま、僕の精神はあります。

そういうときは、人生について、良いことが起こる前兆です。

目の前がすごくクリアで、景色が以前とはまるで違ったように見えるのです。

きっと、いいことが起こる。そんな根拠のないような、しかし、どこか確実性を伴っているような、矛盾した感覚が、僕の中に宿っています。

会社をやめなくてよかった、家族を裏切らなくてよかった、こころから、そう思っています。

人間、落ちるところまで精神が落ちたら、前向きになるしかない、と思うようです。

ほんと、思い通りにいかないもんですね、人間って生き物は。

だから、面白いんです。

人生も、人間も。