年末のごあいさつ

一年が終わります。
この一年お世話になった方々、本当にありがとうございました。
博士論文審査会に向けて準備をしていた一月から今まで、短いようで、いろいろなことがありました。湿っぽくなると思いますが少し。

学位授与式のすぐ後に、祖母を亡くしました。病院に入っていましたが命に関わるような状況ではなかったので、本当に突然のことでした。
ばあばが亡くなったのは私が出演(?)したNHKドラマの放送のあった次の日でした。母から放送の日程を伝えてあったそうですが、今となっては、病室でドラマを見てくれていたのかどうか、わかりません。
もうばあばが亡くなったこともすっかり受け入れられたはずだったのですが、先日珍しく一人で仙台に旅行に行って旅館の温泉に浸かっている時、「ここなら滑りにくいしばあばも連れてきやすいな・・・」と考えて、数秒後に、ばあばもういないじゃん、と気づいた時にはちょっと涙がこぼれました。

群馬のじいじと、岡山のじいじとばあば、おじちゃんやおばちゃん、家族、近くにいる本当に大切な人たちのことを、できる限り大切にしていきたいなという思いが、この一年ですごく強くなったような気がしています。

7月には実家のゴールデンレトリバーのココちゃんが亡くなりました。9歳でした。身体が弱っているとは聞いていたけれどそんなに状況が悪くなっているとは露知らず、会いに行こうともしてやれなかった自分が嫌になる気持ちでした。今でもココちゃんのことを考えると涙が出てきてしまうけど、母の方がずっとずっと悲しくて寂しいと思います。
犬って本当に特別な家族です。生活拠点の安定しない今の暮らしでは飼うことはできないけれど。街で、動画で、犬を眺めては、幸せを感じています。犬飼ってる人いたらぜひ触らせてください・・・。

仕事の方は何しているかというと、変わらず研究をしています。今年は結局博士論文の内容を投稿することができずに終わってしまいました(そろそろ投稿できそうです…)。ただ、今年はいろいろな研究会に行かせてもらって、装置の改修にハワイにも行って、学生ではなく研究者として、責任感も少し増しながら世界が広がっていっているのを感じます。

特に、今年はTMTとArielという、2030年代に活躍する(はずの)2つの望遠鏡の研究会に参加できたのがとても良い機会でした。これまでは今ある装置をどう使うかということばかり考えてきたけれど、自分のやりたい研究のために、どんな装置が必要か、どうミッションに関わっていくか、そのために何をすればいいか、みたいな、より広い目で業界を見て動いていく、そのための力をつけていく必要を感じています。まだまだ研究者としてはへなちょこですが。少しずつ強くなっていきます。

あとはアウトリーチ。今年一年、講演や執筆や、いろいろなお仕事にお誘いいただいた方々、本当にありがとうございます。研究しなきゃしなきゃの気持ちが強くなかなか自分で動画を出したり何かを１から企画したりということができていないのですが、一つ一つの活動をとても楽しくやらせていただきました。名古屋の学会で想像以上に多くの方に「動画見ています」って声をかけていただいたことが私的には衝撃で、とても記憶に残る出来事でした。大学受験の時に私にDMで相談してくれていた子が実際に天文学の研究を始めて学会に参加していたり。自分のしてきた活動の影響力を知って、嬉しさと、責任を感じました。そろそろ動画、出したいなぁ。というか、出します。装置改修でハワイに行った動画を。有言実行有言実行！

この一年、ずっと研究室ばかりにいたような、そうでもないような。とっても毎日楽しかったです。研究室の人たちが大好きで、たまに会う同期が大好きで、久しぶりに連絡をとる中高の友達も大好きでした。大好きな人たちに囲まれて日々過ごしています。
今年の目標は「いのちだいじに ひとにやさしく」だったのですが、多分結構人に優しくはできました。私基準でいうと。それでも傷つけてしまった人はきっといると思うけれど。人にやさしくすると自分がうれしいってことを学んでいます、29歳。来年ももっと人にやさしく。親身に。想像力をふくらませて。

来年4月からはアストロバイオロジーセンター所属になることが決まりました。今の研究室を離れることが寂しいけれど、新しい環境でまた思い切り息を吸って、今後も業界の人たちと競い合って支え合って、いい世界を作っていきたいです。まずはその前に、3月までに今の研究をできる限りまとめ上げることが目標。とにかく論文はよ出すよ！頑張ります。

2024年初めから、アメリカの研究室に訪問する予定とか、初めて研究者として呼んでいただいた招待講演の予定とか入っています。ちょっと今調子に乗りすぎというか、足元掬われないか心配ですが、未来に向かってぐいぐい進んでいけているのを感じます。今みたいにいい時ばかりではないと思うけれど。地に足つけて、着々と、歩いていきたいと思います。

良い2024年になりますように、本当に本当に。