本の話
インスタのストーリーに、読んだ本の備忘録&誰かの読書のきっかけになればと、読んだ本のあらすじと感想を投稿するのも15作品になった。
基本的におすすめ出来るものが多いけど、中にはつまらなかったものも。あくまでも個人的な意見なのでそこは参考にせず、読んでみて感想を教えてほしい。
あたしが本を好きになったのは、多分かなり前からなんだけど、本を読んでる間はその世界に入り込めて現実を忘れられて、誰とも話さなくていいから好きになったんだと思う。
(ベースとして1人の時間が好きで、あまり人と話すのが得意ではないので。)
実生活で泣くことがほとんどないけど、本を読むことと映画を観ることは、唯一と言っていいほどあたしが泣くきっかけになる。
今回は中でもあたしが心を動かされた1作品を紹介します。(ストーリーにあげてます)
暗幕のゲルニカ -原田マハ
いわずと知れたピカソの作品、「ゲルニカ」。
反戦の意味を込めて作られた作品。国連本部のロビーに飾られたゲルニカのタペストリーが突然消えた--。
ドイツ軍がスペインのゲルニカを空爆した時の惨状をモチーフにし、パリ万博のパビリオンの壁画として描かれた作品が、どのように作られていったのか、なぜ国連のタペストリーが消えたのか、現代のニューヨーク、そしてピカソが生きた時代のパリ、スペインを巡るストーリーです。
あたしは半年間、スペインに留学していてマドリードにも旅行で訪れたことがある。1番の目的は年越しだったんだけど、マドリードに留学していた友達に案内してもらいプラド美術館にも行くことが出来た。ただ、ゲルニカが展示してあるソフィア王妃芸術センターには年末ということもあり行けなかった。(この事とダリ美術館に行けなかったことは人生で数少ない後悔)
一度、箱根にあるピカソ美術館(正式名称なのかは謎)に行ったことがあるけど、その時はピカソの絵って落書きにしか見えないな…と思った。
元々絵画には興味はなかったんだけど、この作品を読んでから絵画、というより芸術・美術に興味が湧いた。ムンク展に行って、「叫び」をみたし、今度はゴッホの「ひまわり」を見に行く予定。どちらかというと、絵画に興味があるというよりも作者に興味がある。
暗幕のゲルニカに描かれているように、ピカソには女性として憧れる(悲しい人生だった)素敵な愛人がいたし、激動の時代を生きていた。何より自分が実際に訪れた場所が登場するのは嬉しくて感動だった。
時代が行ったり来たりする部分があるんだけど、とにかく細かい描写が美しくて、読んでるだけで頭の中にその風景が浮かぶ。
原田マハの作品で描かれる画家たちは、みんな危うい雰囲気を纏っていて、そこに惹かれた周りの人達の描写が素敵。これを書きながら、また暗幕のゲルニカを読みたくなってきた。
これを読み進めていた時期、あたしは最後の大学生活を送っていて、とはいえほぼ授業もなくなりバイトばかりしていた時なんだけど、バイトの休憩時間に5分で賄いを掻き込んで残りをタバコを吸いながらひたすらこの本を読んでいたのをすごく覚えてる。とにかく読むのをやめたくなくて、往復の電車に乗っている時間(片道20分くらい)も読んでた。
読むのをやめたくないけど、読み終わらないでほしいっていうなんとも無理な気持ちで読んでました。それくらい夢中で必死で読んだ本。
この作品より前に書かれた「楽園のカンヴァス」もまた素敵な作品です。あたしは読む順番が前後したんだけど、登場人物に繋がりがあったりして、とても面白かった。
どちらの作品も泣きながら読みました。
あんなにワクワクして、感動して、惹かれた作品は今のところ「暗幕のゲルニカ」だけです。
キュレーターという職業を知ったのも、この作品がきっかけだったな。(原田マハ自身がキュレーターで、MOMAでも勤務していた)
ぜひ、この作品でピカソの生きた時代を覗いてほしい。そしてスペインにも行ってほしい。(スペイン、本当に素晴らしい国です。)
スペイン旅行の予定がある人は連絡ください。おススメの場所と簡単なスペイン語を教えます。笑
原田マハの作品、ほとんどが美術をベースに書かれているので読んでみてください。
読んでくれてありがとうございました⍢
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