体重を増やしたい

多分この記事を開いた人は、体重を減らしたいじゃなくて? と突っ込みながらだったと思う。だが違う。減らしたいのではない、増やしたいのである。


体重が減ったのは

何故、減らしたいと言われることが多い体重を増やしたいのか。
理由は3つある。ひとつは実に明白だ、体重が減ったからである。

腹回りに肉がついたのに。

由々しき事態である。腹回りに肉がついたのなら体重は増えるはずだ。なのに何故体重が減るのか。多分この手のことに詳しい人はもう気づいていると思う。

筋肉量が落ちたからである。

ここ数年で運動量が劇的に落ち、筋肉量が落ち、体力が落ちた。具体的にいうと駅の階段を上り下りするのですら息切れる。40分ほど歩き続けると足がはちゃめちゃにかゆい。いつもは使わない筋肉に血液が流れまくるためである。念の為補足するが、年齢的に自分は若人の区分に入る。それでこのザマ。

お前、それで今後生きていけるのか? もし事故ったり病気になったりした際、最後に頼りになるのは己の体力だぞ?

針すら刺してもらえなかった

2つ目の理由も割と切実だ。ある日自分は思い立った。

そうだ献血に行こう。

というわけで出張献血に出向くと、体重を尋ねられた。出張献血だ、残念ながら体重計はなく、自分は確かこの前測った時はこれくらい、とぼんやりした記憶と概算で体重を伝えた。

結果、献血が出来なかった。

自分は知らなかったのだ。体重が少なすぎると、もし何かあった時に困るから、という理由で献血を断られるということを。体重が少なすぎたがゆえに、意気揚々と献血をしに来たのに献血を出来ずに悲しみにくれる羽目になるということを。

犠牲になった週末

けれどその悲しみは、体重を増やそうという決意にまでは至らなかった。まだ腹回りの肉が薄かったのもある。

だが、決定的な出来事が訪れた。

その日自分は、肩こりに呻いていた。詳細は省くが大量の荷物を移動させたためだ。加えて自分は肩こりがひどくなると頭痛がするタイプのため、肩こりと頭痛の二重の苦しみだった。この苦しみを解消するにはどうすればいいか?

そうだ、マッサージに行こう。

というわけでマッサージを受けた。さすがはプロである。肩こりは和らぎ、両肩に怨霊でもついているのかという重みは消え失せた。けれども、それで消えないものがあったのだ。

マッサージ師さんの眉間のしわである。

「運動をしていないからか、筋肉が足りなすぎる」
「そのせいで肩こりが悪化している」
「正直にいうとほぐしきれてない」

────かくして自分は決意した。
運動をしよう。筋肉量を増やそう。そして体重を増やさねばならぬ。

脳裏にはこれまで肩こりからくる頭痛に呻き、週末を丸ごとベッドの上で過ごす羽目になる日々がまざまざと巡っていた。

ツイッターの集合知

というわけで体重を増やすために筋トレを、と決めた自分の脳裏に思い出されたツイートがあった。
「集中力が落ちていたのが筋トレで解消された」という下のツイートである。

この方がされていた筋トレなら始めやすいのでは?? そう思った自分はツイートを遡り、リンクに飛んだ。

この動画である。

タイトルからして始めやすいの権化。早速自分は筋トレに取り組んだ。終わってすぐに風呂に入ると良いのアドバイスを胸に、毎晩風呂前に行うと決めて。

始めてから3日目。筋肉痛が日常生活に支障をきたしていた。

風呂でマッサージしてもどうにもならない。肉という肉が痛む。ここまで自分は運動不足だったのかという呪詛が頭によぎる。シンプルにしんどい。そんな時、新たなるアドバイスをツイッターから得た。

あまりにしんどい場合は、一度休んでいい。

いいのか? 本当に休んでいいのか? あまりに自分に甘すぎないか?

だが筋肉痛は限界だった。歩くのすら若干ぎこちない。明日は‥‥‥明日は必ず筋トレをするからな‥‥‥! しろよ‥‥‥! と明日の自分に呪詛をかけ、その日の筋トレを休んだ。

そして次の日。

「‥‥‥楽‥‥‥だと‥‥‥!」

そこで自分は思い出していた。「筋トレは筋肉を修復する期間をおいてやるといい」と、ネット上のどこかで見たことを。

かくして「二日連続で休まない」というルールを胸に、筋トレを続けてはや2ヶ月半が経過したのである。

お財布は助からない

効果はあったのか? と言われると多分あった。階段の上り下りは格段に楽になったし、何より変化があったのが食欲である。それまで眠気や面倒くささに連敗を期していた食欲が、勝率をぐんぐんと上げ始めたのだ。以前は朝夜、そしてお八つを少々という江戸時代的食生活でも全く問題なかったというのに、今は3食食べないと確実に集中力に支障をきたすようになった。白米の消費量も増えたため、エンゲル指数は確実に上がっている。

だが体重は増えない。
ついでに腹回りの肉も減らない。
減るのは財布の中身ばかり。

念の為弁明するが、甘いものを食べすぎるとびっくりするほど顔が痛くなるという知見を得たためにここしばらく間食はしていない。だというのに体重は増えないし腹回りの肉は減らない。どういうことだ────そんなデッドロックにぶち当たった自分に、一筋の光明がさす。

なんと近場に無料で使えるジムがあり、専属トレーナーさんまでいるというではないか。調べてみると専属トレーナーは毎日いるわけではなく、週1で────それも明日────来るとの事。よって自分は決意した。

そうだ、トレーナーさんに聞いてみよう。

体重増加の旅は始まったばかりだ

「上半身の筋肉が弱い」

ぴくりともしないチェストリフトを見てのトレーナーさんのコメントはそれだった。自分もあまりにピクリともしなくてもはや大爆笑。腹筋補助装置から起き上がれなかったのを見てトレーナーさんも爆笑していた。なんにせよ、多分足りないのは上半身の筋肉だけではない。

というわけで全体的に筋肉をつけたい自分に、トレーナーさんは色々と教えてくれた。ジムには様々な負荷をかける装置があるので、それを以下のポイントを守ってやっていくと良いという。

1, まず有酸素運動を15分して体を温めてから
2, 体を痛めてしまわないよう、脚や腕は伸ばし切らず、重りが下まで落ち切る直前で止めること
3, 15回くらい出来そうな負荷で、各装置で10回ずつ行うこと

他にも様々な運動などを一緒にやってくれたが、全部は記載しない。流石に全部は覚えきれなかったことに加えて、こんなことを言っていたためである。

「負荷をかけすぎて続けられないことが一番ダメ。1ヶ月放置すると元の状態に戻っちゃうから、軽くでも良いのでちゃんと続けること」

正直に言おう。たった7種類の装置を1回ずつしか試していないのに、自分は次の日の筋肉痛が恐ろしい。だが、筋肉痛を乗り越えた先には必ず希望が見えるはずだということを、自分はすでに学んでいる。何事も継続と、適度な休憩こそが肝要なのだ。

目指せ、BMI22! 俺たちの戦いはこれからだ!

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