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電動未来_004-マーケットがゆるせば

今私たちが経験しているEVブームは、いわゆる「地球環境問題」を端緒とし、「VWのディーゼルエンジン偽装問題」
が起きたことで、加速してきたことは、未だ記憶に新しいところだろう。しかし私が最も驚きを感じざるを得なかった事件は、次の記事である。
「独自動車大手ダイムラーの高級車事業会社、メルセデス・ベンツは22日、販売する新車を2030年にもすべて電気自動車(EV)にすると発表した」
日本経済新聞
July 22, 2021
https://media.mbusa.com/releases/release-ee5a810c1007117e79e1c871354679e4-mercedes-benz-prepares-to-go-all-electric
あのダイムラーが。
これは各国の自動車会社のEV化への流れを決定づけた、と私は思った。事実これを前後に多くのメーカーがEV専業化を宣言した。
しかし、実のところ私は日本の新聞をそれほど信じていない。一応、メルセデスのプレスリリースに当たると、そこにはこう書かれていた。
“Mercedes-Benz is getting ready to go all electric by the end of the decade, where market conditions allow. “
そう、そこには「マーケット次第では」と但し書きが書かれていたのだ。
メーカーはユーザーを無視できない。これは当然のことだ。マーケットがなければ、もしくは生み出すことができなければ、製品を作り続けることは出来ない。
「マーケット次第で」というのは余りにも当然なことだ。
そもそも日本は「ルールに従う」、一方で欧米は「ルールを利用する」。京都議定書やオリンピックの日本人選手の活躍を阻害するかのように繰り返し行われるルール変更など、例は枚挙にいとまが無いだろう。いや欧米などと言わず、「ゴールポストを動かす」国々は日本の周辺国にもよく見られることだ。
今回の「地球環境問題」もあるいはそれを「EVで対策する」ということも、欧米が利用するために作ったルールであろう。
だから彼らはルルール変更をためらわない。
そして、このような報道があった。
「メルセデス「30年EV専業」困難に 世界で販売鈍化」
日本経済新聞
Feb 26, 2021
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR281PV0Y4A220C2000000/
これは彼らにとって当然のことだ。そしてトヨタが正しかったことを確認する反面、「ガソリン車全廃」を表明している、いくつかの日本企業が「ルールに従う」ことに固執しないであってくれればと思う。


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