ギヴァー 記憶を注ぐ者ロイス ローリー (著), 島津 やよい (翻訳)(新評論, 2010)


https://www.amazon.co.jp/dp/4794808267/

物語の舞台となる世界は、衣食住のすべてが提供され、生活の安全は保障され、いじめはおろか些細な諍いもない世界。
すべてが管理され、秩序だっていて、誰も何も決める必要がない世界。

整然と言語化された人々の会話は、どこか乾いていて味気ない。

読み始めた時は、私たちが暮らすこの世界とは全く別世界のように感じた。しかし、読み進めるうちに「むしろ、これこそが今の世の中なのか?」という気がしてぞっとしたのは、私だけだろうか。

「感じる」ことが、かけがえのないことなのだと気づかせてくれる一冊。

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