2023.11.3石臨技生涯教育セミナー(臨床血液部門)

石臨技の快い取り計らいで、本学の学生も参加させていただけることになり、20名ほどの学生が現場技師の方々と共に学ばせていただきました。

■ 第1講演 「血液担当検査技師の役割を考える」
講師 大川 有希 先生 (金沢医科大学病院 中央臨床検査部)
憧れの大川さんは相変わらずかっこよかった~!!
大川さんはこれまでに、施設規模やミッションの異なる3つの医療機関に勤務されてきました。その中で、変化する役割に単に対応するのではなく、常に学び自己を高めながら「役割」の幅を広げ続けてこられたのだなと思いました。それを、「与えられなくても自主的に学ぶ方が早い」とサラッと言われたのが、本当にかっこいいと思いました。
私は授業を通して資格取得に必要な「知識」と「技術」を伝えることはできますが、本当の意味でのプロフェッショナリズムを示すことはできません。できることは、私が知っている現場の方々のことや、私が研修会等で聞いてきた話を、リスペクトの気持ちを込めて語ること。だから、私の授業を受けている学生たちは、大川さんの言葉をこれまでにも間接的に聞いてきたはずです。
しかし、「生の存在」「生の声」は、刺さり方が桁違い!!
学生たちにとって「目指したい臨床検査技師の姿」が心に焼き付けられる経験になったのではないかと思います。

■ 第2講演 「顕微鏡でわかること、わからないこと」
講師 和田 真由美 様 (血液疾患患者会「萌の会」代表)
骨髄穿刺や治療のことなど、知識として知ってはいても、患者さんの苦痛や恐怖、無菌室での壮絶な闘病などのお話は、これまでには想像もつかないことばかりでした(※和田さんが移植を受けられたのは今よりも25年以上前のことなので、現在とは随分違うとのことです)。
また、移植がうまくいったから「めでたしめでたし」ではなく、社会との関係の途絶や悩みを話せる相手の不在、金銭的負担など、大変なことが沢山あるということも初めて知りました。そして、日々の暮らしの中に横たわる「アンコンシャス・バイアス」…医療者や周囲の人の悪気ない言動に深く傷ついた経験のお話も。
多くの患者さんがそのような辛い状況に対して「患者だから仕方がない」と黙って耐えてこられたというお話には、胸がキュッとなる思いがしました。
私たち臨床検査技師はもちろん、これから医療の世界に出ていく学生たちも、取り扱う検体の一つ一つに患者さんの「人生」があるということを、これまでよりも強く感じるようになれたと思います。

■ ふりかえり
卒前教育に足場を置きながら技師会活動に参画している私としては、学生の参加を認めてもらえたことが本当に有難いことでした。私だけの力では成しえない、臨床検査技師の役割と価値を深く感じることができる経験を、一部の学生にとはいえ実現できたことが嬉しいです。また、このような研修会に参加することは、資格取得がゴールではなく、現場の方々も学び続けているということを知るきっかけにもなったと思います。こういう場に学生を繋ぐことが、教師としての私の役割なんだと、あらためて感じました。

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