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大阪都構想に対する偏向報道について

春学期に新聞と出版についての講義を大学で履修し、「放送」というものの自由性について軽く学んだ身として独自の意見を述べていきたい。

目次
1.毎日新聞の偏向報道とは
2.毎日新聞の記事に対する問題点
3.偏向報道がいけない理由
4.新聞はどうあるべきなのか
5.結論


1.毎日新聞の偏向報道とは

そもそも毎日新聞が偏向報道を行ったのでは?と疑われることが起きたのは、2020年10月26日に上がったとある記事である。
https://mainichi.jp/articles/20201026/k00/00m/040/061000c

この記事の内容は、2020年11月1日に大阪市民を対象として行われる大阪市という政令指定都市を4つの特別区に分割する「大阪都構想」についての記事である。
「大阪都構想」という提案をした現大阪市長の松井一郎市長と、現大阪府知事の吉村洋文知事が、この「大阪都構想」を行うためにかかる費用(コスト)として提示した初期費用の金額は、241億円(システム改装費、庁舎の整備費、移転経費、街区表示変更経費など)であると述べた。
一方で、この毎日新聞が出した記事は、大阪市を分割してしまうと現在の大阪にかかっている費用(コスト)よりも約218億円増加するということを述べた記事であった。

2.毎日新聞の記事に対する問題点

私がこの毎日新聞の記事を読んで、疑問に思った点や問題であると感じた点があるためここで述べていこうと思う。

都構想で設置される特別区は、現在の地方交付税制度では想定されていない自治体のため、人口規模以外は現在と同じ条件で計算した。
(先程の毎日新聞記事より引用)

これは、毎日新聞の記事の中に書かれている内容をそのまま引用したのだが、この費用がさらにかかるという考えに至った成り行き(計算方法)についてを述べている。
しかし、1つ目の問題点はここにある。
この引用部分の後者に注目して頂きたい。人口規模以外は、現在と同じ条件で計算したと書かれているが、これは大阪市という政令指定都市の中に4つの政令指定都市を作ったとして考えられているということである。勿論、大阪市の中に4つの政令指定都市を作るということであれば、現在より費用(コスト)がかかってくるのは当たり前のことである。
だが、今回の「大阪都構想」が提案した意見は、政令指定都市である大阪市の中に4つの政令指定都市を設けるのではなく、4つの特別区にするということだ。特別区とは、政令指定都市ほど大きな規模のものではない。そもそも計算の仕方が間違っているということだ。これを恰も「大阪都構想」が可決され、実現されるとなった場合、現在の大阪にかかっている費用(コスト)よりも大きく膨れ上がると断定したような記事を書き、情報操作を行っていることに対しても問題点として挙げられる。


この記事には、デメリットのみしか書かれていないという点だ。俗に言う「ネガティブキャンペーン」というものなのだろうか。本来であれば、メディアというものは、様々な視点からの意見を取り入れ、それらを記事にし、中立性を保ったものを私たちのような視聴者や読者に届ける必要があるにも関わらず、この記事を見る限り圧倒的に所謂「大阪都構想」の反対派の意見について書かれている内容の割合が大きいように感じる。
また、「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が11月1日に迫っているという最中で、このような偏った意見ばかりを取り上げた記事を上げているという部分に対しても私はいささか懐疑的に感じる。

3.偏向報道がいけない理由

私が先程述べたこの毎日新聞の記事に対しての問題点の中で最も問題視すべき所は、「大阪都構想」についてまるで反対に仕向けるように記事を書いた、偏向報道であると考える。
今日の私たちは、インターネットの急速な普及により、様々な情報が毎日たくさん入ってくる。その中には、所謂「フェイクニュース」と言われるような内容のものがあったりと、私たち自身が正確な情報と間違っている情報を見極め、独自で判断をしていかなければならない時代へと変化している。
特に、私たちのような若者は、新聞のような紙媒体を毎月お金を払って定期購読するような人々は年々減少しており、若者の「新聞離れ」というものが問題視されているという本を私は大学の講義での課題図書として読んだ。
(参考にした本 https://a.co/34RO5zB
と同時に、人々は、大地震や台風などといった災害が起きた時や、大きな事件、事故、そして就職活動を行う際には、新聞を頼りにしているという意見が多いということも結果として出ている。

(参考文献 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd114120.html

さらには、この図から見る通り、各メディアに対する信頼度を調査したところ、新聞に対する信頼度は他のメディアと比較しても高く、信頼度が高い理由としては、
「情報が正確だから」「根拠に基づく情報を報道しているから」
といった理由が多かった。新聞を購読する者は減少しているかもしれないが、今まで通り新聞が果たす報道の役割は大きいと考えられる。
このような中で、今回の記事はこのような私たち読者からの期待に沿った内容を提供できているようには感じることは不可能である。
日本の法律で放送法の第4条に「政治的に公平であること」「意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」といった中立性を求める法律が定められており、今回の記事はこの法律からも逸脱しているような気がする。

4.新聞はどうあるべきなのか

若者の「新聞離れ」が深刻化しているとはいえ、若者だけでなく、どの世代にとっても信頼度の高い新聞というメディアは、これからもどうあるべきであると考えられるだろうか。
それは勿論、私たちのような消費者(読者)のニーズに応えることが必要不可欠である。そして、私たちが新聞に求めているものは、新聞などの記事を書く人の不躾な意見や考えを述べたような記事ではなく、「正しい情報」「正確な情報」である。
特に今回のような「大阪都構想」という大阪市の未来に向けての賛否を問うような規模の大きな問題を記事にする時は、放送法の第4条のような記事を求めているのである。さらに、毎日新聞という新聞社の中でも超大手の会社の人間が今回のような偏った意見ばかりを述べたような記事を書き、それを公に公表してしまったという今回のこの一連は、私自身にとって非常に遺憾に思う。そのように感じた読者もきっと存在しているだろう。

5.結論

私自身、大阪市で育った身として「大阪都構想」に対しては賛成派であり、2025年に行われる「大阪万博」を経て更なる大阪の躍進を期待している。その成長の一環として、私自身が勉強した中で、「大阪都構想」は必要なものであると感じる。私たちのような若者は、比較的に政治に対して興味を抱いている人々は少ないかもしれない。しかし、そのような興味のなかった人々に対して、テレビや新聞などのメディアは、政治に興味のなかった人々にとって、何かしらの興味を持ってもらえるようなきっかけを作ってくれる媒体であるように感じる。そんな重大な役割を担っているメディアは、これからも私たちが求めている「正しい情報」や「正確な情報」を報道するということを追究して頂きたい。

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