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【キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン】感想(ネタバレあり)

主演のレオナルド・ディカプリオに釣られて観てきました、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
レオナルド・ディカプリオは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「ドント・ルック・アップ」でお馴染み?ですよね。(一番有名だと推測される「タイタニック」はオチを知ってしまっているし、よくテレビで放送されていたので逆にちゃんと観たことがなかったりする。CMありカットありのテレビ放送で貴重な初視聴を済ませたくないですよね…)
ロバート・デ・ニーロマーティン・スコセッシ監督は「アイリッシュマン」以来かな。

ディカプリオ演じるアーネストは戦争帰り。行くあてがないので有力者である叔父ヘイルを頼り、アメリカのオクラホマ州に移住する。そこで運転手の仕事をする中で先住民オセージ族のモリーに出会い、恋に落ちるのだが……

ストーリーをざっくり説明すると、オセージ族の莫大な石油利権を目当てにアメリカ人が次々と来訪し、食い物にしていくという内容で、実話らしい。
警察が機能していないため、財産目当ての結婚、買収、強盗、墓荒らし、殺人、何でもありの無法地帯。
ある意味ゴッサムシティより治安が終わってるかもしれない。

しかし、上映時間206分とは思えなかった。鬼気迫る演技はもちろんのこと、カメラワークも長尺なんだけど演出や構図が巧みで緊張感に支配されて一時も目が離せない。離したくない映像だった。
トイレが我慢できる方ならオススメです。


以下ネタバレ















いや~、この世の悪を煮詰めたような映画で凄まじい内容だった。
ディカプリオ演じるアーネストが警察役だと思ったらまさかの叔父の指示通りに罪を犯しまくる邪悪極まる悪人だったという。
しかも自分で考えて行動する悪じゃない。
むしろ本人は自分のことを善人だと思っているあたりがタチが悪い。
大体自分の顔の良さで何とかしようとしているフシがある。
叔父のヘイルの言うことを盲信しているから自分のやっていることが悪かどうかもわかっていない。
自分の考えがないから言葉巧みに誘導されて意志すらネジ曲げてしまう。
真実に基づいて証言することが正義に繋がるのに、叔父や弁護士、その他利権を貪る悪人たちに利用され、証言しないという選択をしてしまう。
全然信用できない人間ですね。
Fateで例えるならば混沌・善? いや、混沌・中庸かな……

モリーを車に載せたときから好きだったって言ってたけど、アレは多分嘘なんですよね。
叔父に結婚しろって言われてからアプローチをかけ始めたので。

やはり考えてしまうのは最後のモリーとの問答。
「私に何を注射していたの?」(細かいセリフはうろ覚え)
しばらく言い淀んだあとに「インスリンだよ」
アーネストはインスリンに毒を混ぜてしまっていたことに気づいていたのだろうか?
僕は気づいていなかったと思う。
なんせアーネストは擁護できないレベルのアホだから。
モリーへの最後の注射のときも、毒のことを安定剤だと信じ込んでいたから、落ち着くために自分にも注射したのだろう。
自分に毒を注射したらさすがに気づくだろと思うけど、アーネストはアホなので「なんかしんどいな…効き始める前の一時的な悪化かな」ぐらいしか思ってなかったんじゃないかな。
モリーに打ってたときも言ってたし。
「毒だと知ってたので自分にも打って量を減らした」という解釈もあると思うけど、それなら捨てればいいだけだしな……
もしかしたら言い淀んだ時点で初めて気づいたのかもしれないけど、「俺は知らなかった」とか「あ、もしかして……毒?」とか言っても白々しい演技に見えてしまうので、もう手遅れ。
アーネストは質問された時点ですでに詰んでたんですよね。
もし原作に答えがはっきり書いてるなら教えてください。読みます。


てなわけで感想は以上です。
次は「ゴジラ-1.0」とか「すみっコぐらし」観たいなぁ。

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