人工芝と充填材。スポーツと安全について考える。

画像1 地球上に存在するナッツ類で最強の硬さを誇る胡桃。胡桃とスポーツが結びついた。意外に知られていない胡桃。胡桃の実は食用されていることは、もちろんご存知かと思います。実は、大変貴重な胡桃。例えば、胡桃の木はウォールナット。よく耳にしますが、机や床材。家具によく使われている。実は、胡桃の殻はとても貴重で、様々なものに活用されている。例えば、タイヤ。スノータイヤに胡桃の殻は使われている。それから、化粧品の洗顔料スクラブ。そして、自動車トップメーカーの部品製造や、光学レンズの研磨や眼鏡フレームの研磨。
画像2 実は、胡桃の殻が無いと出来ない物が有る。皆さんが手にしている、スマートフォンだ。この辺は、かなり機密情報が含まれるので詳細は出来ないが、そうなのである。今回は、スポーツ施設の人工芝の充填材として使われる理由をご説明します。初めに話すことは、人工芝にとっての充填材の大切さについてです。皆さんは、人工芝を選択する上で、重視することは何でしょか?その一つとして有るのは、耐久性ではないでしょうか?もちろん、芝自体の耐久性は有りますが、この人工芝の芝糸の耐久性を保護するのが、人工芝充填材なのです。
画像3 日本では、人工芝の下地は殆どが、アスファルトです。こねアスファルトは、本来なら無用のもので、日本独自ののシステムなんです。サッカーやラグビーなどの激しいスポーツには、アスファルトはとても危険です。では何故、日本では人工芝の下にアスファルト施工がされるのでしょうか?これは、遡ること1980年代に成ります。日本に人工芝が登場した1985年当時のことです。この頃の人工芝と言えば、テニスコートです。テニスコートでは、特に平坦性が求められます。その際に採用されたのがアスファルト。
画像4 テニス用に採用されたアスファルトが、サッカー用人工芝が登場した、1990年代にも継続して採用され、現在に到るのです。海外では、エラステックレイヤーや、アンダーパットと言われるマットが人工芝の下地に使用され、このマットが人工芝の耐久性を高めています。単純に、硬いものの上で使用するものと、柔らかいものの上で使用するものの耐久性を考えれば、当然、柔らかいものの上で使う方が耐久性は向上します。次に、排水性の問題も、人工芝の耐久性に関連されます。排水機能の劣るアスファルトの上で、人工芝は加水分解によって劣化する。
画像5 さて、人工芝の充填材の話しに戻します。何故、人工芝の耐久性に充填材が関係するのか?そもそも人工芝は、充填材無しでは起立しません。通常55ミリ丈のロングパイル人工芝に対しては、ベースの基布から、約3.5センチから4センチの高さ迄、充填材が充填されます。この充填材によって、芝糸と、基布は保護されるのです。人工芝そのものよりも、充填材が劣化すれば、保護材の役割を果たせません。つまり、そもそも、2年から3年程度で劣化してボロボロになる、黒ゴムチップでは、充填材としての役割に適さないのです。
画像6 人工芝のメンテナンスをしない日本では、特にそう言えます。黒ゴムチップの利点を言えば、リサイクル品の活用と安価で有る点です。但し、リサイクル品とは言っても、これは、産業廃棄物です。黒ゴムは、健康被害を及ぼすことは明らかに事実です。高温になることも事実です。劣化が早いことも事実であり、タイヤの耐久性からしても明らかで、さらに黒ゴムチップは、タイヤ等のリサイクル品で有ることを考えれば、それは火を見るよりも明らかです。人工芝の耐久性を10年と考えた時。保護をする役目の充填材が早期に劣化しては意味を持ちません。
画像7 胡桃の話しに戻します。胡桃は天然のもので、胡桃の木が建材に使われることで分かるように、殻の耐久性もかなり有ります。耐久性が12年目安と考えると、人工芝の耐久性との整合が取れます。他に充填材として知られる、プラスチックの合成材や、カラーゴムチップ。こちらも耐久性は5年から6年と低く、人工芝の耐久に合いません。人工芝の充填材が劣化すること、雨水で流出する事で、人工芝は起立性を失います。人工芝の切れや、糸抜けに繋がります。更には、基布のき裂にも繋がります。充填材の高さを一定に保つことは、耐久性にとても重要です。
画像8 胡桃素材の充填材。胡桃の良さは、耐久性。そして温度抑制効果に有ります。胡桃は、水に沈むことでも知られています。つまり、雨水によって流出するリスクも低いのです。充填材が目減りしないことは、人工芝の耐久性の維持に繋がります。何よりも、胡桃は天然素材で有り、スポーツ選手アスリートの人体に害を及ぼさない、健康被害を生まないことが、最も重要です。ゴムチップと比較して、怪我のリスクも軽減されます。また、使用後の廃棄も天然素材で有り、負担が無いと言えます。
画像9 人工芝の耐久性とは?人工芝そのものの耐久性を求めても、意味が有りません。人工芝を敷設する上での耐久性は、基礎路盤や充填材によっても関連されるのです。私たちは、環境保護についても重要に考えています。私たちが使う人工芝の素材には、多くの天然素材が採用されています。本来なら化石燃料石油系の人工芝ですが、私たちの人工芝は、100%リサイクル可能な人工芝なのです。人に優しく、環境に優しい人工芝なのです。
画像10 人工芝の耐久性と、選手アスリートの体を保護するアンダーパット。こちらにもリサイクル品が使われています。このマットは、実はペットボトルやスポーツシューズの靴底のスポンジのリサイクル原料から作られています。耐久年数は25年。人工芝の耐久年数と比較しても圧倒的に長く、人工芝の下地材として、2サイクルの期間で使用が可能です。
画像11 意外にも知られていない、人工芝と充填材の関係、私たちは、人工芝そのものの製品品質に注目しがちですが、そのものよりも、充填材の重要性について書かせていただきました。スポーツ施設は安全性が第一に考えられるべきで、そこでプレーする人の健康を害するもので有ってはいけません。人工芝の耐久性に整合性の釣り合わない黒ゴムチップ。明らかに健康を害する産業廃棄物チップの使用禁止を求めたい。塵肺は肺の壊死を意味します。あまりにリスクの有る黒ゴムチップをいつまで日本人は使い続けるのでしょう。

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