170601 [注目、今週のアルバム]「ジョンヒョン、友達と話を交わすように正直な歌<JONGHYUN - 物語 Op.2>」


刻々と変化する。さまざまな試みたちの間を縦横無尽に横断する彼を見ると、限界がなく見える。グループ SHINeeでは、堅実な歌唱力でリードボーカルとしての力量を、ソロ活動ではファンキー(funky)とフューチャーベースジャンルを通じて新しい可能性を披露した。これまでの活動が実験的で、コンテンポラリーで、セクシーさをアピールして「アイドル ジョンヒョン」を見せてくれたなら、今回は違う。ジョンヒョンという人間の感性を表現することに集中した。


SHINee ジョンヒョンが華やかで大きなステージ上にいるなら、28歳の青年ジョンヒョンが立った場所は小劇場だ。大衆へ一歩近付いて正直で飾らない自分自身を見せた。編曲も似たような方向で進行されて規模が小さくなった。電子音と強烈なビートの代わりにバンドサウンドを選択して演奏では人情があって、聞こえてくる音たちは温かい。アコースティックギターで構成を立てた「1000」とジャズスタイルを手本として余裕のある雰囲気を形成した「睨めっこ」が代表的だ。穏やかな演奏と甘い歌詞が聞く人をふんわりとしたピンク色の雲の上に連れて行く。


唱法もやはり彼に合わせて変化した。ハスキーな音色、印象的な表現のために分節した発音たち、過剰な感情表現のような以前の特徴がかなり減った。泡が集められた表現が淡白だ。これは異なる人間との合でもシナジー(相乗効果)を発揮する。「Lonely」は「息遣い(Breath)」に続いてテヨンと2度目の出会いだが、それぞれのパートをやり遂げること以上に共に呼吸しているという感覚が強い。前回より素晴らしい調和を起こした。彼を支えるのは、空気をたくさん含んだり、歌声を適切に活用する彼のテクニック。


前回の小品集<山荷葉>では小説本を、今回はエッセイを付録添付したということも特異点だ。エッセイはこのアルバムの方向を正確に提示する。まさに、友達と話を交わすように正直な歌を歌うだろうということだ。アルバムでは雄壮で悲壮み溢れるドラマではなく、ふんわりと風雅な随筆のような曲たちがぎっしりと詰まっている。全曲を作詞作曲して自分自身の経験談と大切な人たちに聞かせてあげたい物語を詰め込んだ。だからなのか、温かさはあるが表現する物語の素材が慰労、愛、孤独のような狭い幅を見せてくれることが惜しい。


たまに単純なものがかえって難しい。本音を話すことがそうであるが、打ち明ければそこまでであるであろう私たちはいつも感情を抱き締めて生きる。言葉にしない感情たちは胸の中で花を開き、物語になる。このアルバムは彼が大切に保管してきた心の一片だ。素朴なことにさらなる意味がある。真っ直ぐな想いをギュッと詰め込んだ不器用に書いた手紙がそうで、偶然に発見した野花がそうだ。



LINK☞︎ http://m.ch.yes24.com/article/view/33527

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