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Challenger Banking News #1

これから、海外のチャレンジャーバンクやネオバンクを中心に記事をピックアップして、隔週で配信したいと思います。今回初回です。

海外の金融系の主要メディアやキーワードクローリングで記事収集し、1日20-30記事ほど目を通しているので、合計300-400件程度の記事が対象になっており、目ぼしいものをピックアップする手法を採用しています。

チャレンジャーバンクは欧州とくに英国の勢力が強いので、今回もしかり、英国に偏りがちですが、できる限り万遍なく拾っていきます。

1. シンガポール金融管理局が21件の銀行免許申請を受理

- シンガポール金融管理局は21件のデジタルバンクの免許申請を受理したと発表した。
- 当局によると、申請期日の2019年末までにフルライセンスの銀行免許に対する申請が7件、商取引限定のライセンス申請が14件であった。
- 申請企業は、資産運用テック企業のiFast、配車アプリのGrab、キャリア事業者のSingTel、中国のAnt Financial等が含まれる。
- 審査通過した企業は2020年6月に発表され、2021年中頃を目処に営業開始の予定だ。

2. Monzoの給与前払い利用者が20万人に到達

- Monzoの給料の前払い(給与を1日早く受け取れる)サービス利用者が20万人に達した。
- 2019年8月のリリース以降、18.3万人が6.87億ポンド(約9,829億円)の前倒しの支払い請求をしている(筆者追記:1人あたり53.7万円)。
- チャレンジャーバンクはメイン口座の地位を獲得するため、Monzo以外にも複数の事業者が給与前払いサービスを提供している。一方で、PayActiv, Earnin, Even等、給与前払い単体でのサービス提供をしている事業者もあり、数億ドルの資金調達をしている。
- 給与前払いは、特に時給ベースの労働者を対象に、大きなトレンドとなっている。

3. Starling Bankが2022年のIPOを見据える

- 英国チャレンジャーバンクのStarling Bank CEOのAnne Boden氏が、英国のデジタルバンクとして初めて上場する可能性について発表した。2020年までに損益分岐点を超え、2022年には上場の予定。
- 2014年創業以来、Starling Bankは2.63億ポンド(約376億円)を調達しているが、投資家へのリターンとして大手銀行への売却は一切考えておらず、IPOが選択肢となっている。
- 直近のラウンドは2019年10月の3億ポンド(約4.2億円)であった。Boden氏によれば、資金用途は短期的には100万会員と残高10億ポンド(約1,429億円)の達成のため、さらに海外展開に利用される予定。

4. Tandem Bankが決済還元付きクレジットカード利用者に月額利用料を課す

- 英国チャレンジャーバンクのTandemは、Tandem Cashbackサービスに関して、2020年3月9日より、利用者に対して月額利用料の課金を開始する。有料会員の月額利用料は5.99ポンド(約856円)で、従来通り、預金口座や、手数料なしで決済と出金を利用できる。
- Tandemによると、これは事業を継続するために必要な変更だが、クレジットカード(Tandem Journey Credit Card)と普通預金サービスには影響はない。
- Tandem Cashbackサービスは2018年ローンチ以降、決済還元率0.5%のクレジットカードを無償提供していた。利用者は有料会員プログラムへの移行に関する招待メールを受け取っており、移行に同意しない場合には、3月9日までに利用停止となる見込み。
- 有料会員プログラムは既存利用者のみに対して適用される。主な機能は以下の通り。1) 決済および出金手数料無料。2) 利回り1.5%の普通預金が利用可能。3) 海外決済および出金時の手数料無料(現状維持)。4) 決済還元率0.5%の利用(現状維持)。

5. 暗号資産ベースの銀行Zigluが英国で2020年リリース予定

- Barclays元社長であり、かつStarlingの元共同創業者であるMark Hipperson氏が2020年に新たにデジタルバンキングサービス、Zigluをリリースすると発表した。
- Zigluは英国初の暗号資産をベースとした銀行となる。Hipperson氏いわく「将来的に海外での利用も見据えているが、直近の利用者は18歳以上の英国居住者に限定されることになる。」
- Zigluでは、法定通貨と暗号資産の両方を1つの口座に預金することができ、法定通貨と暗号資産の間で双方向の両替も可能となる。

次回の配信は、1月27日を予定しています。

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