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【35】みつけた

私たちは、『ちゃん』が時々来る生活に慣れてきた。

『ちゃん』は家族一緒に、パパの車でなら、人の少ない、自然が多い公園だけ、行くことができるようになった。

そこで…

野外炊飯ができる場所を見つけて
私たちは、『ちゃん』にバーベキューをしてあげた。

『ちゃん』は、エビを焼いて食べるのが大好きだった。

自然の中で、火をおこして。

みんな、好きなものを焼いて食べる。

私たちにとって、何にも考えないで楽しめる最高の時間だった。

真冬で寒くて、誰も来ないのをいいことに
ナッツのお休みの日に、毎週のように通っていた。

だから、あの頃のケイの写真は、
食いしん坊の『ちゃん』のおかげでふっくらしていて笑える。


相変わらず、私はせっせとスピリチュアルの世界を調べていた。

やっと。

宇宙人ではないけれど…

【宇宙意識で地球を生きている】という方のYouTubeに出会うことができた。

これだ!!
この人の言ってること。

ケイが私に話し続けてきてくれたのと同じだ。

私は嬉しくなって、ケイに話した。


「ふーん。良かったね。
でも、同じなら、何で聞くの?
俺に聞けばいいじゃん」

相変わらず、6年生のケイはそっけない答えだった。

「だって。ケイ教えてはくれないじゃん。ママが質問したら答えるだけで」と言うと

「だって。ママが何が知りたいかわかんないもん。
俺は…俺にとってはもともと【知ってる】ことだから。
ママが何を教えてほしいかわかんないから。
だから、なんでも質問して。
答えるからさ。」

そう言われると…

何が知りたいかもわからなくなるのだった。

「わかった。疑問がわいたら聞くね」

そう言って…

私はやっぱり。

私が質問しなくても
いろんなことを、わかりやすく話してくれるYouTubeを見て、
「宇宙意識で生きる」ことを学んでいた。

ケイの言っている内容を、
【大人】も話してくれている…。

それだけで安心した。

自分が非常識で、おかしくなっているんじゃないか。

子供たちを、社会から遠ざけてしまっているのじゃないか。

と不安でどうにかなりそうだった私は、それだけで安心だった。

社会が…とか、大人だから…という枠を外して。

「地球で、軽やかに、自分のわくわくすることを行動にうつして生きる」

ということを実践している大人。

私は、ケイにも
今までみたいにただ好奇心だけで聞くのではなく、
いろんな話をするようになっていった。




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