Rune Quest Glorantha キャラクターメイキング その5 職業

ステップ5:職業
 職業には、冒険者が、自分とその家族を養い支えることができるあらゆる方法が含まれる。グローランサでは、ほとんどの者は、両親の職業を継ぐが、自らの生きる道を新たに切り開く者もいる。
 それぞれの職業は、その概要の説明があり、その後に以下の項目がある。

ホームランド:その職業が一般的に存在するホームランド。「全て」ある場合は、その職業がどのホームランドにも存在することを示す。      職業技能:これらの項目に列挙されている技能は、ボーナスを加算できる。同じ技能に複数のボーナスが適用される可能性がある場合(例えば、文化別武器+30%と+10%が重複する場合)は、2つの別々の技能を選択する必要がある(例えば、バトルアックス+30%とブロードソード+10%)。技能が太字斜体のものは、冒険者が年収を稼ぐために一般的に使われる技能を指している。
基本収入:これは、職業の一年間の基本収入を表している。
生活水準:これは、その職業における生活水準であり、場合によっては公的な身分を示す場合もある。生活水準には、困窮、貧困、自営、富貴の4つの段階がある。
カルト:その職業に一般的に関連付けられているカルト。その職業に従事する者の大半が入信するカルトは太字で表示される。特定の地域の職業に固有のカルトは、その地域を括弧内に記述している。
相性があるパッション:冒険者は、相性があるパッションのうち、ひとつを60%で獲得するか、すでに保有する相性があるパッションについて+10%することができる。冒険者の作成の際に、パッションが増加して100%を超えることはない。
身代金:その職業に従事する者の命を贖う場合の価格。

「身代金とは何か」
 グローランサには、集権的な司法制度を持つ社会はほとんどない。代わりに、殺人、傷害等の犯罪は、血の報復によって解決される。もし、部外者がある一族の身内に危害を加えた場合、正義が果たされるためには、危害を加えられた者の残りの親族が被害者の復仇を遂行しなくてはならない。通常は、氏族全体がこの復讐に加担する。
 身代金(保障金又は贖罪金とも)は、被った損害に対し、それに見合う財と貨幣を支払うことで血の報復を終わらせる手段である。身代金の適切な額は、慣習によって定まっており、社会的地位によって上下する。被害者の家族は、復讐を強く望むなら身代金の受け取りを拒否することができ、身代金の受け取りが成立した場合には、支払う側は、身代金に相当する財と貨幣を集める責任がある。
 身代金は、社会的地位の尺度でもある。狩人よりも貴族を殺した方が身代金は高額になる。標準的な身代金の額は、各職業の身代金の項目に記載されている。
 また、身代金は、戦闘の結果として捕虜となった場合、解放される場合にも支払われ、身代金の項目の金額は、その際に必要な支払の慣習的な金額でもある。

装 備:冒険者は、誰であれ、チュニック/ブラウス、スカート/ズボン、サンダル/ブーツ、暖かなマント(獣皮、あるいは麻等)、被り帽/鍔広帽/縁無し帽、ベルトナイフ、火打石、水入れ袋といった装備を身に着けているだろう。加えて、各職業には、その職業に就く冒険者が毎年入手して消費する標準的な装備が列挙されている。

祈祷師助手
 祈祷師助手は、祈祷師が儀式等を執り行う際の手助けをし、その見返りに、精霊魔術についてのより深い知識を教授される。この役目は、部族内においても重要な役割であり、かなりの能力と責任が要求されるので、安易に選ばれるものではない。
ホームランド:全て
職業技能:精霊語会話+20%、歌唱+10%、精霊戦闘+30%、動物知識+15%、霊感の踊り+10%、応急手当+15%、精霊知識+20%、植物知識+20%、精霊界への旅+20%、瞑想+20%
生活水準:貧困
基本収入:20L
カルト:ダーカ・ファール、ワッハ、イェルム(グレイズランド)
相性のあるパッション:忠誠(師事している祈祷師)
身代金:250L
装 備:治療や儀式に用いられる地元の薬草や謎の粉末、祈祷師の力の源となる動物や祖先をかたどったいくつかの小さな像、25Lの価値のある工芸品、貨幣で5L、腰巻、ローブ、適切な文化別武器
注記:祈祷師助手は、「第2の目」(精霊魔術呪文)と、さらに2ptの精霊魔術呪文を所有してゲームを開始する。カルトからは、これとは別に精霊魔術呪文を習得できる。祈祷師助手は、精霊戦闘においてダメージを+1できる。

野 盗
 野盗は、多くの場合、共同体の外側で活動し、狼が家畜を襲うように、共同体を襲う。彼らのうちの幾人かは自ら野盗となることを選んだ者たちだが、ほとんどの者は、共同体から追放された人間であり、故郷への帰還は死かそれに近いものを意味する。
ホームランド:全て
職業技能:威嚇+10%、隠れる+30%、応急手当+10%、主要武器(文化別武器から選択)+30%、動物知識又は植物知識+10%、副次武器(主要武器以外の文化別武器から選択)+10%、生存+30%、盾(タイプを選択)+10%、追跡+10%
生活水準:困窮
基本収入:なし
カルト:バービスター・ゴア、ブラックファング、ユールマル、マーラン・ゴア、オデイラ、オーランス、七母神、ストームブル
相性のあるパッション:愛情(家族)、忠誠(所属する団)、又は憎悪(権威)
身代金:なし
装 備:文化別武器、レザースカート(1点の防護)、ヘビーレザークィラス(2点の防護)、寝袋、戦利品1D100L

チャリオットの御者
 多くの部族や寺院では、戦場において、ルーンマスターを乗せ、発射武器や呪文を投射するための移動式拠点として、チャリオットを使用する。その御者達は、貴族や司祭達のためだけにチャリオットを駆る。彼らは、しばしば優秀な戦士だが、本来の目的は、部族や寺院における最高のチャリオットの御者となることである。
ホームランド:エスロリア、ルナー・ターシュ、古ターシュ、サーター
職業技能:合戦+20%、応急手当+10%、チャリオット操縦+40%、鞭+25%、文化別武器(近接、タイプを選択)+20%、踊り+15%+、文化別武器(投射、タイプは選択)、視力+15%
生活水準:自営
基本収入:60L
カルト:“冒険者”オーランス、七母神(ルナー・ターシュ)
相性のあるパッション:名誉、忠誠(指揮者)又は忠誠(寺院)
身代金:500L
装 備:文化別武器、鞭、リネンキュラッサ(3点の防護)、革製のグリーブとヴァンブレイス(1点の防護)、コンポジット・ヘルム(2点の防護)、目立つ傷跡(1D6個所)、葡萄酒を入れる皮袋、150Lの価値がある指導者あるいは寺院からの褒賞品
※ チャリオットは、指導者あるいは寺院の所有物である。

工 匠
 工匠は、何らかの道具を製作したり、有用な品々を提供したりする。それは、売買のためのものである場合もあるが、ほとんどは氏族、部族、寺院や支配者のためのものである。彼らは、それそれ独自の製作技能を有しており、青銅細工や陶芸といった専門分野を持っている。都市においては、工匠は、ギルドによって組織され、しばしばギルド組合員と呼ばれる。
以下に代表的な工匠について列挙するが、これが全てではない。
・醸造人:穀物や葡萄酒(地域により異なる)からエールを醸造する。基本収入:60L
・宝石職人:宝石と貴金属から宝飾品を製作する。基本収入:160L
・皮革職人:皮革から鎧、馬具、衣類、帯などを製作する。基本収入:60L
・石工:石を使用する建築物、要塞、道路の建設に働く。石工は、建築物の釣合、組立の過程、そして重い石材の運搬装置の構造について熟知している。基本収入:100L
・陶芸師:粘土から陶器を作り、塗装する。基本収入:80L
・青銅工:青銅から武器、防具、そのたの道具を製作する。基本収入:80L
・革なめし職人:動物の皮を剥いでなめして皮革にする。基本収入:80L
・機織り:リネンや羊毛から布を織る。基本収入:60L
ホームランド:全て
職業技能:芸術+10%、鑑定+10%、取引+10%、製作(主要なもの)+30%、洞察(人間)+10%、製作(副次的なもの)+20%、(任意の)知識+10%、仕掛け+15%、家産管理+30%、文化別武器(タイプを選択)+15%
生活水準:自営
基本収入:業種に依る。
カルト:業種による。“陶工”あるいは“織手”アーナールダ、イサリーズ、ガストブラン
相性のあるパッション:愛情(家族)、忠誠(ギルド)あるいは忠誠(パトロン)
身代金:500L
装 備:製作に必要な道具一式、100L相当の製作物、貨幣20L、文化別武器

ギルド
 グローランサのギルドは、工匠や特定業種を中心に組織された血族に準じた社会団体である。ほとんどの場合、そのメンバーはギルドに「採用」されている。ギルドは、また、守護精霊や創始者のカルトとしての役割を果たし、定期的な生贄と祝祭を提供する。大抵の都市では、取引の権利を得るにはギルドに属している必要があるが、ギルドは部外者に対し、ある種の集団的責任を負う。
 それぞれのギルドは独立的に存在する傾向がある、新パヴィスの青銅工ギルドに属していると、ボルドホームの青銅工ギルドには加入できない。大都市では、同じ職業に対し複数のギルドがある場合がある―ノチェットは、対立するギルド間の抗争で有名である。

芸事師
 日々の糧を得ることができる詩人、奏者そして踊り子はグローランサの文化の担い手として高く評価されている。彼らは、その習得した技が本物、あるいは小手先の大道芸であるとみなされている。
ホームランド:全て
職業技能:踊り+30%、(任意の)慣習+10%、雄弁+10%、洞察(人間)+10%、歌唱+30%、(任意の)知識+10%、自国語会話+30%、文化別武器(タイプを選択)+15%、演奏(楽器)+30%
生活水準:自営
基本収入:どのような芸によって収入を得ているかに拠る。歌唱:100L、踊り又は演奏:80L
カルト:ドナンダー、アーナールダ、ユールマル、オーランス、七母神
相性のあるパッション:愛情(個人)、忠誠(後援者)、又は忠誠(部族)
身代金:500L
装 備:楽器、50L分の貨幣、70L分の価値のある品物、文化別武器、必要によりふさわしい衣装

農 夫
 農業は、グローランサの社会において主力となる産業である。
 農夫は、農作物の栽培や牧畜のために特定の地域を耕作し、維持する。彼らは、2頭の雄牛によって牽かれる簡単なひっかき犂を使って耕す。そして、食用の家畜、穀物、根菜等を育て、自給自足の生活を送っている。
ホームランド:全て(プラックスを除く)
職業技能:(地域の)知識+15%、ジャンプ又は登攀+10%、農業+30%、(任意の)製作+15%、応急手当+10%、視力+10%、牧畜+15%、文化別武器(タイプを選択)+15%、家産管理+30%、盾(タイプを選択)+15%
生活水準:自営
基本収入:80L(これは自作農の場合である。小作農の場合は40L)
カルト:アーナールダ、オーランス、七母神(ルナー・ターシュ)、イェルマリオ
相性のあるパッション:愛情(家族)、忠誠(氏族)又は忠誠(部族)
身代金:500L
装 備:120Lの価値のある食糧や家畜、文化別武器、鎌、槌、農作業用の2頭の雄牛、コンポジットヘルム(3点の防護)

漁 師
 主に水辺から糧を得ることで暮らしている者は、だれでも漁師の範疇に入る。例えば、投網をもって魚を獲る湖畔の住人、急流な川辺に住み、遡上する鮭が跳躍するところを突く銛打ち、川や湖を行きかう舟守りなどである。
ホームランド:エスロリア、サーター、ルナー・ターシュ、古ターシュ
職業技能:操船+30%、ジャベリン、セルフボウ又は投網(一つ選択)+20%、水泳+30%、ショートスピア+10%、応急手当+10%、盾(タイプを選択)+10%、河川知識+30%、視力+10%
生活水準:貧困
基本収入:60L
カルト:エンガジ、オーランス
相性のあるパッション:愛情(家族)又は忠誠(氏族)
身代金:200L
装 備:文化別武器、200mのロープ、糸巻、小舟、網、鉤、籠、ギャフ、60L相当の干し魚

治癒師
 治癒師は、病み苦しむ者に寄り添い、傷を塞ぎ、病を癒し、出産を助ける。また、彼らは、争い合う集団同士に対する、中立の調停者として評価されている。治癒師は、通常、魔術と医療技術を組み合わせて使用し、博識である。
ホームランド:全て
職業技能:雄弁+10%、病の治癒+30%、錬金術+10%、毒の治癒+10%、応急手当+30%、仕掛け+10%、植物知識+30%、洞察(人間)+10%
生活水準:自営
基本収入:80L
カルト:チャラーナ・アーロイ、アイリーサ、アーナールダ、七母神
相性のあるパッション:愛情(家族)、忠誠(氏族)又は忠誠(部族)
身代金:500L
装 備:治療用器具一式(潤滑油、軟膏、ハーブ、石鹸、剃刀、ピンセット、包帯)、20L分の貨幣、100L相当の価値のある雑貨

牧 夫
 牧夫は、徒歩の者も騎乗の者も、家畜の世話により生計を立てている。
 牧夫は、彼らが世話する家畜を自ら所有している場合も、していない場合もある。共同体の馬、牛、プラックスの騎獣(バイソン、ハイラーマ、インパラ、セーブルアンテロープ等)は、焼き印を押され、単一の群れに集められて、牧夫が常時、世話をする。プラックスの遊牧民にとって、牧夫は、部族の家畜を世話することで、他者からの襲撃に対するのと同様に、氏族の富と生活を守っている。
ホームランド:全て
職業技能:ジャンプ又は登攀+10%、視力+10%、動物知識+10%、追跡+10%、文化別投射武器(タイプを選択)+30%、応急手当+10%、文化別武器(タイプを選択)+10%、牧畜+30%、盾(タイプを選択)+10%、穏やかな死+30%
生活水準:貧困
基本収入:60L
カルト:アイリーサ、オーランス、ワッハ、イェルム、インキン
相性のあるパッション:愛情(家族)、忠誠(氏族)又は忠誠(部族)
身代金:500L
装 備:文化別武器(適切な投射武器を含む。)、120L相当の価値がある家畜の群れ、杖、牧畜に利用する動物(通常はシャドウキャットか犬)

狩 人
 狩人は、肉、腱、角、獣皮を得るために野生動物を狩る。
 狩人は、山岳、森林、そして平野において、バイソンの群れを間引き、地域の捕食獣を計画的に駆除し、毛皮を得るための罠を仕掛ける等、熟練した追跡者である。
ホームランド:グレイズランド、古ターシュ、プラックス、サーター
職業技能:動物知識+30%、視力+10%、(地域)知識+10%、追跡+30%、隠す+10%、隠れる+10%、聞き耳+10%、文化別投射武器(タイプを選択)+30%
生活水準:貧困
基本収入:40L
カルト:捨て子、オデイラ、オーランス、ワッハ、イェルム(グレイズランド)、インキン
相性のあるパッション:愛情(家族)又は忠誠(氏族)
身代金:250L
装 備:文化別武器(適切な投射武器を含む。)、狩猟に使う動物(一般的にシャドウキャットもしくは犬)、120L相当の価値のある腱、毛皮

商 人
 商人はルナー帝国と聖王国の間を結ぶ交易路を往復して生計を立てている。彼らは、前もって交易を行う季節やキャラバンを派遣する年を計画しており、金融や為替手形による利点を活用する。彼らは、その際に特別な待遇を獲得するために貴族に融資することもあるし、あるいは、誰かが特別な待遇を受けるために耐え難いような扱いを強要される場合もある。
ホームランド:全て
職業技能:騎乗+10%、(任意の)慣習+10%、値切り+30%、洞察(人間)+10%、(任意の)他国語会話+10%、(任意の)読み書き+10%、他国後会話(交易語)+30%、家産管理+30%、鑑定+30%
生活水準:自営
基本収入:特別(扱う交易品による)
カルト:イサリーズ、アーガン・アガー、エティリーズ、七母神
相性のあるパッション:愛情(家族)、忠誠(氏族)又は忠誠(部族)
身代金:500L
装 備:筆記具一式、40L相当の価値のある上質な衣服、文化別武器、500L相当の価値の商品、150L分の貨幣、交易の神の小さな偶像、幅広鍔の革の帽子(1点の防護)、革の脛当て(1点の防護)、革の小手(1点の防護)、リネンキュラッサ(3点の防護点)、杖

貴 族
 貴族は、他者からの奉仕の上に生活している。その代わり、貴族は自らの共同体が永続するように調整し、話し合い、そして守る。支配者や指導者は、しばしば偉大な功績の結果としてその地位に着くが、往々にしてその地位は世襲になりやすい。貴族への接見は驚くほど容易で、彼らは自分の勇気、権力、寛大さ、賢明さを示す機会を喜んで受け入れる。
 グローランサにおいて、多くの貴族は同時に司祭でもある。オーランシーにおいては、族長や王も司祭であり、サーンと呼ばれる実力者達は、第2期の祭司職を起源とする。この時期に、農夫と牧夫からなる民兵軍は、より少数であっても十分に訓練された兵士を中核とする軍の敵ではないことがはっきりとした。族長は、自分の身内から司祭の代わりに共同体の軍事力の要となる役割を担う者を選んだ。サーンは常に他の誰かに仕えていることを意識する必要がある。そのような臣従と忠誠は、選ばれた指導者への忠誠というオーランシーの概念と親和性がある。
 貴族が同時に司祭でもある場合、冒険者は、後に示す司祭の技能および装備の項も使用する。
ホームランド:全て
職業技能:(任意の)騎乗又はチャリオットの操縦+10%、洞察(人間)+10%、詐謀+10%、(自国語)読み書き+10%、雄弁+30%、家産管理+30%、自国語会話+10%、文化別武器(タイプを選択)+30%、(自国の)慣習+10%、盾(タイプを選択)+30%
生活水準:富貴
基本収入:変動(たいていの貴族は少なくとも5つの所領を持つ)
カルト:アーナールダ、オーランス、七母神、ワッハ、イェルム
相性のあるパッション:名誉、忠誠(指導者)又は忠誠(部族)
身代金:1000L
装 備:青銅製のクィラス(6点の防護)、青銅の脛当て及び小手(6点の防護)、クローズドヘルム(5点の防護)、文化別武器、2頭の騎乗用動物、60L相当の価値のある高貴なお召し物、200L分の貨幣、450L相当の価値のある宝石、壷、その他の高級品

哲学者
 哲学者は、ドラゴン・パスのあらゆる地域の都市の中心部で見ることができ、彼らは抽象的な推論を重ねて宇宙そのものを理解しようとしている。多くの哲学者は、都市から都市へと放浪し、人々を教育することで生計を立てている。哲学者は魔道を学び、1つのルーンと1つの技法(魔道の章を参照)を理解し習得してゲームを開始する。また、ゲーム開始時に、魔道呪文を3つ習得している。
ホームランド:エスロリア、サーター、ルナー・ターシュ
職業技能:(任意の)読み書き+50%、魔道呪文+20%がひとつ、+10%が2つ、雄弁+25%、(任意の)知識+30%及び+10%が一つづつ、図書館+10%、瞑想+20%
生活水準:自営
基本収入:60L
カルト:ランカー・マイ、七母神、アイオロス派(Aeolianism)、見えざる神
相性のあるパッション:愛情(知性)
身代金:150L
装 備:筆記用具(小さな木製の携帯鞄付き)、50L相当の白紙の羊皮紙、一つ又は二つの哲学的な創作物、青銅製のダガー、歩行用の杖、小型の携帯教壇、ローブ、50L分の貨幣

アイオロス派
 アイオロス派とは、ケタエラにおいて見られる伝統的な魔道の様式である。マルキオン信徒のように、アイオロス信徒は、見えざる神を最高位の創造者と位置づけている。だが、ほとんどのマルキオン信徒と異なり、アイオロス信徒は、見えざる神は直接崇拝するにはあまりに遠く、あまりに近づきがたい存在であると考えている。代わりに、彼らはオーランス、チャラーナ・アローイ、イサリーズ、ランカー・マイそしてユールマル等を、見えざる神が擬人化あるいは投影されたものとして崇拝する。これらのうち、オーランスが最重要である。これらの神々には、併せて崇拝される配偶者や仲間が存在する。
 アイオロス信徒には3つの世襲の階層がある。自由人(衆人)、タラー(貴人)、ウィザード(ソーサーラー)である。これらの階層は、世襲であり同じ階層内で婚姻を重ねる。自由人及びタラーの階層はルーン魔術及び精霊魔術を使用する。ウィザードの階層は魔道を使用する。
 ウィザードの階層の子供たちは、6歳からルーンを操作するための精神鍛錬を始め、儀式を学ぶ。16歳のとき、INTが14以上の者は、2つのルーンと1つの技法を専門として選択し、5年間を費やして習得する。21歳になって、彼らはウィザードとして晴れて承認される。

ランカー・マイ
 ランカー・マイの見習い書記(平信者)は、修行の一環として論理的な推論技法と知恵の文字を学ぶ。ほとんどの見習いは、6歳から15歳の間に修学を開始する。
 カルトへの入信に際し、入信者は、真実のルーンと支配の技法を学ぶ。
 適切な文献を読む、あるいは教師を見つけて受講できた場合は、追加のルーンや技法を後から学ぶことができる。カルトの入信者のみが、魔道を教えてもらえる。
 ランカー・マイのカルトは、トルバルド断章(Torvald Fragments)と呼ばれる文献集から以下の呪文を含む限られた数の魔道呪文を教えている。
INT向上(Enhance INT)、異世界物の識別(Identify Otherworld Entity,)、砂占い(Geomancy)、論理明晰(Logical Clarity)、詭弁(Logician)、ルーン顕現(Reveal Rune)、魂の慰撫(Solace of the Logical Mind)、霊話(Speak to Mind)、完全記憶(Total Recall)
 全ての寺院が、これらの呪文の全てを所有しているわけではなく、それぞれの寺院が持っている文献に上記の呪文の内のいくつかが載っている。

司 祭
 司祭は、カルトの成員の利益のためにルーン魔術を行使する専門家である。彼らは、その仕える神の代表であり、その神のカルトは彼らの人生の焦点である。一部の司祭(一般にはルーンプリーストと呼ばれる)は、その活動の支援は全て所属する寺院の諸力(多くの場合、それは自らの財産として扱われる)によりまかなわれる。
 他の司祭は、いわば兼業であり、彼らの活動は、部分的に寺院の資源によって支援される。このような司祭は、一般に「巫祇(God-talkers)」と呼ばれており、彼らは司祭とは別の生業を持っていて、その収入により生計を立てている。
 冒険者は、受け入れの要件を満たしたときのみ、司祭になることができる。ただし、両親が司祭或いは司祭見習いである冒険者が、以下に示す技能及び装備を使用できる。
ホームランド:全て
職業技能:(任意の)カルト技能+10%、(カルトの)知識+10%、家産管理+10%、歌唱+30%、礼拝(神格)+30%、瞑想+10%
生活水準:富貴
基本収入:様々(寺院の資産に拠るが少なくともほとんどの司祭は5ハイドの所領を保有)
カルト:全て(ダーカ・ファール、ユールマル、ワッハを除く。)
相性のあるパッション:帰依(神格)又は忠誠(寺院)
身代金:1000L
装 備:オープンヘルメット(4ポイントの防護)、ヘビースケイルホーバーク(5ポイントの防護)、クイルブイリの脛当てと小手(3ポイントの防護)、遺物や宝器、60Lの価値のある高貴な衣装、文化別武器、1頭の騎乗用動物、160L分の貨幣、450L相当の価値のある宝飾品や陶器又は奢侈品
受け入れ要件:巫祇、ルーンプリースト、ルーンロードについてはそれぞれのカルトを参照。冒険者が、これらの要件を満たしていない場合、彼らは助祭か、ルーンマスターの親族である。

書 記
 グローランサにおいて読み書き可能な者は、主に貴族、司祭、書記等のごく限られた層に限定されている。書記の地位は、法律家、教師、官僚、主計、技師、学者等といった一般の専門職業と同等であり、一般には知識の神の寺院における大衆への奉仕者あるいは支配者に仕える祐筆として生計を立てている。
ホームランド:全て(プラックスではパヴィスのみ)
職業技能:(任意の)会話+10%、(任意の)知識+30%及び+10%それぞれ一つ、行政+30%、(任意の)慣習+30%、(任意の)読み書き+30%及び+30%、図書館+10%、(自国語の)読み書き+50%、鑑定+10%
生活水準:自営
基本収入:使用される職業技能に拠る。行政の場合:200L、錬金術もしくは慣習の場合:160L、読み書きの場合:120L
カルト:ランカー・マイ、七母神
相性のあるパッション:忠誠(寺院)又は忠誠(部族)
身代金:1000L
装 備:装備:筆記用具(小さな木製の携帯鞄付き)、100L相当の価値を持つ3束の報告文書及び覚書、50L相当の白紙の羊皮紙、暦が刻まれた錫板、上級の書記官からの古い紹介状、青銅のダガー、80L分の貨幣

盗 賊
 あらゆる文化において盗みを働く者はいるが、常続的に盗みを働く共同体内の捕食者のような存在を養えるほどの人口を有するのは文明化された土地だけである。
 盗賊は、押し込み、スリ、強盗、ポン引き、露店売り、詐欺師、密輸商人といった盗みに関係する生業に1つないしそれ以上ついている。
ホームランド:エスロリア、ルナー・ターシュ、サーター
職業技能:登攀+10%、仕掛け+10%、変装+30%、早業+30%、言いくるめ+30%、隠れる+10%、(地域の)知識+10%、忍び歩き+30%、文化別武器(タイプを選択)+15%
生活水準:貧困
基本収入:30L
カルト:ユールマル、オーランス、ランブリル
相性のあるパッション:愛情(家族)又は忠誠(ギャング)
身代金:250L、又は無し
装 備:鍵開け道具、金梃子、その他盗みに役立つ道具類、適当な片手武器、覆面、引っ掛け鉤付き20mのロープ、大袋、覆い付きのランタン、30L分の貨幣、秘密の符牒

戦 士
 戦うことを生業とする戦士は、貴族や司祭の護衛、そして個人的な郎党である。さもなければ、グローランサ中の様々な雇い主に使われる傭兵である。畑を耕したり、家畜を世話する必要のない戦争は、彼らの天職である。戦士は、歩兵あるいは騎兵として戦い、装備等によって重装か軽装に区分される。戦士の種類によって、使用する武器の組み合わせを選択(またはランダムに決定)する。

重装歩兵
 この戦士は、重量のある武器と鎧を使用する戦いに特化しており、打撃力のために敏捷性を犠牲にしている。彼らは、通常、ファランクスを組んで戦う。
 部隊武器の決定には、どの組み合わせを選択するか、1D6をロールする。

重装歩兵の部隊武器
1~4 1H武器(タイプを選択)及びラージシールド
5~6 2H武器(タイプを選択)。イェルマリオの信徒はパイクとシールドを併用する場合がある。
注:通常、部隊武器は文化別武器でもある。

ホームランド:ルナー・ターシュ、エスロリア、サーター
       日の天蓋寺院は、重装歩兵で名高い。
職業技能:歌唱+10%、視力+10%、合戦+30%、あらゆる部隊武器2つ(盾も含む。)+25%、応急手当+15%、聞き耳+10%、副次的な武器+15%
生活水準:自営
基本収入:60L
カルト:アーガン・アガー、バービスター・ゴア、フマクト、七母神、イェルマリオ
相性のあるパッション:名誉、忠誠(指揮官)又は忠誠(部隊)
身代金:500L
装 備:ヘビースケイルホバーク(5点の防護)、またはディスクプレートクィラス(5点の防護)、スタッドレザースカート(3点の防護)、プレートの脛当てと小手(6点の防護)、クローズドヘルメット(5点の防護)、適切な武器、1D3個所の目立つ傷跡、簡易寝床、仕立てのよい衣服、20L分の貨幣、2×D100Lの戦利品

軽装歩兵
 軽装歩兵は、小競り合いや弓合わせの主役であり、斥候や徴発も務める。
 一般には、主力軍に先立ち、前衛として運用されることが多い。
 部隊武器の決定には、どの組み合わせを選択するか、1D6をロールする。

軽装歩兵の部隊武器
1~2 スリング、1H武器(タイプを選択)、スモールシールド
3~4 ジャベリン、1H武器(タイプを選択)、ミディアムシールド
5 セルフボウ、1H武器(タイプを選択)、ミディアムシールド
6 投げ斧、1H武器(タイプを選択)、ミディアムシールド

ホームランド:エスロリア、サーター、古ターシュ、ルナー・ターシュ
職業技能:合戦+30%、隠れる+10%、応急手当+15%、忍び歩き+10%、生存+10%、全ての部隊武器(盾も含む)2つ+25%、聞き耳+10%、視力+10%
生活水準:自営
基本収入:60L
カルト:バービスター・ゴア、フマクト、マーラン・ゴア、“冒険者”オーランス、“雷鳴轟かす”オーランス、ストーム・ブル
相性のあるパッション:名誉、忠誠(指揮官)または忠誠(部隊)
身代金:500L
装 備:リネンキュラッサ(3点の防護)、クイルブイリの脛当てと小手(3点の防護)、コンポジットヘルム(3点の防護)、適切な武器、、1D3個所の目立つ傷跡、簡易寝床、仕立てのよい衣服、2×D100Lの戦利品

重装騎兵
 重装騎兵は、敵と直接対峙し、通常はランス、状況により剣、メイス、又は斧により戦う。
 重装騎兵の運用は、突撃により歩兵の陣形を壊乱させ、圧倒することを狙いとする。
 部隊武器の決定には、どの組み合わせを選択するか、1D6をロールする。

重装騎兵の部隊武器
1 コンポジットボウ、ランス、1H武器(タイプを選択)
2~5 ランス、1H武器(タイプを選択)、ミディアムシールド
6 ジャベリン、ランス、1H武器(タイプを選択)

ホームランド:全て。プラックスでは、バイソン、ハイラーマ、ボル・ジョニ及びセーヴル族に重騎兵が存在する。
職業技能:合戦+30%、応急手当+10%、騎乗(任意)+35%、聞き耳+10%、全ての部隊武器+25%、、視力+10%、その他の武器(タイプを選択)+20%、歌唱+10%
生活水準:自営
基本収入:60L
カルト:フマクト、“冒険者”オーランス、“雷鳴轟かす”オーランス、七母神、ストーム・ブル、ワッハ、イェルム(グレイズランド)
相性のあるパッション:名誉、忠誠(指揮官)または忠誠(部隊)
身代金:500L
装 備:ヘビースケイルホバーク(5点の防護)、又はディスクプレートクィラス(5点の防護)、鋲打ちレザースカート(3点の防護)、プレートの脛当てと小手(6点の防護)、クローズヘルメット(5点の防護)、適切な武器、、騎乗動物、1D3個所の目立つ傷跡、簡易寝床、仕立てのよい衣服、20L分の貨幣、2×D100Lの戦利品

軽騎兵
 軽騎兵は、投射武器で武装しており、通常、弓や投槍で攻撃する。彼らは敵と小競り合いに努め、本格的な攻撃を受けた場合は散開、撤退し、敵の攻撃が停滞したとみるや反撃に転じる。
 部隊武器の決定には、どの組み合わせを選択するか、1D6をロールする。

軽騎兵の部隊武器
1 コンポジットボウ、1H武器(タイプを選択)、スモールシールド
2~3 コンポジットボウ、ランス、1H武器(タイプを選択)
4 ジャベリン、1H武器(タイプを選択)、ミディアムシールド
5 ランス、1H武器(タイプを選択)、スモールシールド
6 ランス、1H武器(タイプを選択)、ミディアムシールド

ホームランド:全て。プラックスでは、インパラ、ボル・ジョニ及びセーヴル族に軽兵が存在する。
職業技能:騎乗(任意)+35%、聞き耳+10%、視力+10%、合戦+30%、全ての部隊武器(盾を含む。)+25%、、応急手当+10%、その他の武器(タイプを選択)+20%
生活水準:自営
基本収入:60L
カルト:フマクト、“冒険者”オーランス、“雷鳴轟かす”オーランス、七母神、ストーム・ブル、ワッハ、イェルム(グレイズランド)、イェルマリオ
相性のあるパッション:名誉、忠誠(指揮官)または忠誠(部隊)
身代金:500L
装 備:リネンキュラッサ(3点の防護)、クイルブイリの脛当てと小手(3点の防護)、オープンヘルム(4点の防護)、騎乗動物、適切な武器、1D3個所の目立つ傷跡、簡易寝床、仕立てのよい衣服、2×D100Lの戦利品

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